廃業を見据えて
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- 打チ人知ラズ。(わし)
廃業を見据えて
わしは場末のパチンコ打ちではあるが、プロとして生きてきた以上、「パチンコを打つ技量と知識は誰にも負けない」という矜持だけは当然持ち合わせて…いないのだ、残念ながら。
なぜなら、わしにとってパチンコとは、生きるための糧(現金収入)を得るための手段に過ぎず、誰かと何かを切磋琢磨できるモノではないと思っている。自分の食い扶持が賄えるのであればそれで十分、誰かに勝つ必要などない。それにいかほどの技量を持ち合わせていようとも、パチプロとして制御できない部分というのは少なからず出てきてしまう。
例えば「絶対に年間収支が対前年比を下回ってはならない」というマイルールを掲げたとしても、病気や怪我で思惑通りに稼働できなかったらそれまで。またそういったものに見舞われなくても、突如嵐のように押し寄せる「不ヅキ」に目を付けられたらオシマイ。数ヶ月間に渡って満足な収支が上げられず、回転数に対して当たりの数が大幅にマイナスに振れまくって苦しめられる。しかも残念ことに、こういう時期は一定スパンで必ずやって来るのだ。
また順調だからといって安心もできない。例えば11月までの達成率が110%でも、12月にマイナス収支を叩き出せば100%を下回る結果で1年が終わということだって起こる。現行機の荒さから考えれば、たとえ収支が安定しやすい甘デジを打ったとしても、ツキがなければマイナス収支に沈んでしまうこともあるだろう。まさに論理的に説明できないという意味の「アノマリー」とは、こんな時に使う言葉だと痛感させられる。要するに、未来の算段など何もできないのだ。
これは全て、現在進行形を含めてわし自身が経験してきたことだ。結局のところ、パチプロ生涯収支の長期チャートが、"自分なりのペース"で右肩上がりになっていれば(勝ち続けていれば)良いとの考えに至っている。悪い時は悪い時なりに無理をせず、そこそこで切り抜ける年度があっても良いのではないか…ということだろう。そもそも無理を押し通すとロクな結果にならないことが多いものだ。
こう思うに至ったのは、現在のパチプロとしての生き様を楽観視しているのか、はたまた諦めの境地に立ったのか…などと深く考えたことすらないのだが、わしには前回紹介した元パチプロ「アキオ」という生きた手本が身近にいることが大きいのかもしれない。彼がわしの楽観主義というか…諦念を支えてくれているのかもしれない。
アキオは50を超えたロートルで、パチプロとしても人生の先輩にあたる。自分の将来像を漠然とアキオに重ね合わせて悲観していることは、決してアキオには言えない秘密ではあるのだが…。
そんな彼には投資家という一面も持っている。2012年11月の野田総理の解散発言から翌2013年5月のバーナンキショックまでの期間は、結果的にはほぼ誰でも勝てる相場だったと言えるのだが、アキオも例に漏れることなくその上げ潮に乗りまくっていた。
以前も触れたことがあるが、この時期のアキオは資産効果(この間は株を保有さえしていれば勝手に値上がりし、塩漬け株も大幅に値を回復したが、あくまで資産効果。利益が確定していたわけではなかった)から有頂天の絶頂にあり、連日連夜チャットを寄越してきてウザかった。
この上なくウザかった…のだが、彼がリーマン・ショック後の資本増強で希薄化した長期低迷株を長期保有していたり、会社更生法を申請した会社の株を情報が出るまで保有して紙クズ同然の金額で売ったなど、数え切れない辛酸を舐め続けていたのを知っていたから、ウザいのを我慢してきたのだ。
余談ながら、「長く投資家を続けていれば紙クズを掴むことは避けて通れない道だ」と、今ではアキオ自ら紙クズ事件をお笑いネタにしている。何回も聞かされる方はシラけるのだが、本人は至って大マジメに語っている。
また最近では、デング熱流行のニュースに接し、培ったキャリアの連想から虫除けスプレーを販売している会社の株を買おうと動く。しかし世の中の情報伝達スピードは恐ろしく早い。アキオが買い注文を入れても、すでに当日のストップ高まで買われていて、結局は気配値を見て「手が出なかった…」などとチャットを送ってくる始末なのだ。
とにかく、アキオなりの歩み方でコツコツやってきた進歩の証が、「連想が利くようになったこと」だろう。わしもリーマン・ショック後の麻生総理による経済対策を評価して証券会社の口座を取得したが、アキオに負けず劣らずの辛酸を舐めて結構な金額の損失を計上した。この散財はアノマリーではなく、単にキャリア不足が原因だが、今後必ず訪れるパチプロ廃業後を見据えた上での授業料だったと思っている。
パチプロは技術や経験のキャリアより、ガチンコの体力勝負の側面が強い。アキオのようにロートル化すれば、身体を酷使するパチプロより、投資家として培ったキャリアに頼って生きていこうとするのは自然な流なのかもしれない。わしは老化という経年変化も視野に入れながら、先人であるアキオの生き様を参考に今を過ごしている。
誰の人生においても所得を稼ぎ続けることは永遠のテーマだろう。わしもまだ体が動くうちに様々な失敗を糧にしてキャリアを積みたいと考えている。そもそもパチプロ人生が大失敗の選択なのだから、わしに恐れることは何もないのだ。
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