50回目到達!
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- 打チ人知ラズ。(わし)
50回目到達!
誰も気にしてはいないだろうが、わしのコラムが今回で50回目という大きな節目を迎えた。自分がコラムを書くなどということも予期せざることではあったが、まさかここまで続けられるなんてことは想像だにしていなかった。
初回でも触れたが、文筆業についてはわしは完全なド素人であるため、そもそもこの仕事を受けることに尻ごみしていた。しかし紹介者であった先輩から半ば強制的に担当編集に引きあわされるに及び、運命が自分の想像とは違った方向に振れていったわけだ。
後日、担当と記念すべき初対面を果たし、このコラムの方向性について打ち合わせをしたのだが、直感的に"荷が重い"と感じた。しかし先輩の顔を立てるという意味でもその場で断るのはどうかと思い、テスト名目で1本のコラムを書いて即日提出することだけは受け入れた。
もう時効だろうから打ち明けるが、そのテスト原稿は、担当から指示されていた文字量をわざと8割程度に抑えていた。原稿の内容はともかく、担当に「コイツは俺が指示した文字量すら守れないのか? もしかしてバカなのか?」と思わせる作戦に打って出たのだ。
すると案の定、文字量が足りないというクレームがついたのだが、逆にわしはこれに噛みついた。指定された文字数の8割も書いたのに、先方は半分しかないと言うのだ! 結局、担当編集はちゃんと数えていなかったと詫びてきたが、そんな適当な感じでも多いか少ないか分かるものなんだな…と思ったりもした。
いずれにせよわしの駄文が世間で通用するはずもないので、担当の方から断ってくるだろうと高をくくっていた。しかしその思惑は見事に外れ、3ヶ月の期間限定ということで連載がスタートしてしまった。
今もって、あんなテスト内容を経ているにもかかわらず採用された経緯は知る由もないが、ともかく様々な御縁があって現在に至っているわけだ。今となってみれば、本当にありがたい限りである。
このコラムでは、常日頃から感じているパチンコ打ちの惨めさや苦悩を凝縮させていこうと考えていた。そもそもパチプロに対するイメージなど最初から良くないだろうから、今さら現実を見せても何の反響もないに違いないが、"普通の人"とは違う世界での「リアルな生き様」を語ることがこのコラムに求められていることであったため、そこは隠すことなく、自分の恥部も含めて書き晒していった。
そして当初は3ヶ月の期間限定という話だったため、やはりその期間に更新されたものには本音が色濃く出ていたと思う。
例えば、パチプロであるがゆえに「学生時代の友人達に会うことに二の足を踏んでいる」ことについて書いた回などは、悲痛な叫びというか、いたたまれない想いが溢れ出してきた。
わしの今を語ればどうしてもパチンコの話に辿り着いてしまう。将来の夢を共に熱く語り合った学生時代の仲間に、「日当2万円の台に必死に食らいついている」という現状を滔々と語るのは、やはりまだ自分のプライドが許さなかったのだ。
社会人としてのスタートラインこそ同じ立ち位置だったが、約15年近い歳月の間に取り返しの付かないほどの大きな差が開いてしまった。ある友人は大手企業の第一線で華々しい活躍をし、またある友人は小さいながらも自分の会社を経営していたりする。女性の友人は子育て世代の真っ只中で、ここ何年も会えない状態が続いている。こんな友人達の今を知ることも、わしには切なすぎるのだ…。
一方、不惑を目前に控えたわしは、六畳一間の木造長屋でのボロ屋暮らしが10年以上続いている場末のパチプロだ。今年は3桁時給の収支が続き、僅かすぎる貯蓄すら目減りしている有り様なので引っ越しもできない。
そもそも社会的な地位もない無職(扱い)のパチプロ風情だから、もちろん不動産屋の審査に通らない。もっと言えば、審査以前に勤め先がないから完全な形での書類記入ができない。これが最末端のパチプロ、わしの現実である。もう迷える時間すら限りなく少なくなってきている…。
余談ながら、あるパチプロが、勤め先の欄にマイホの住所と店名と電話番号をそのまま記入したら審査に通過したという話を聞いたことがある。なんでもありのパチプロは、かなり図太い人種のようで、そういった意味では見習うべき点も多いのかもしれない。それくらいの神経でないと生き残れないのだろう。
とにかく、旧友との現実を比較すると15年という無情さを痛感せざるを得ない。パチプロとして生きてきた歳月には自慢できる要素はなにもない。むしろ恥ずべき部分でびっしり埋め尽くされている。
唯一、挙げてもよさそうなプラス面と言えば、このコラムの連載だろうか。わしにとってはこのコラムが、パチプロ人生で得た唯一の誇りなのだ。3ヶ月目以降は辛うじて継続を許されたのかもしれないが、こんなわしのコラムを支えてくれた読者の皆様には感謝の言葉しかない。
先ごろ「AVに出演することが子供の頃からの夢でした」的なセクシーアイドルのキャッチコピーを目にしたのだが、「嘘こけ!」と心の中で吐き捨てた。いくらどこの誰だがわからない状態でも、ありえない冗談にしか聞こえなかった。
わしもどこの誰だがわからないのは同様だが、決してパチプロを目指して生きてきたわけではない。もちろんパチプロよりはセクシーアイドルの方が多くの人の役には立っているだろうから比べるのはナンセンスだが、どんなに周りからちやほやされようが、それはやはり日陰の道、メインストリームではない。人生という道を器用に渡り歩けなかった『落ち武者』たる成れの果てが、今のわしなのだ。
今後も連載が進めば、わしの転落人生を語る日が来るかもしれない。だがそれは、思い出したくもない過去を掘り起こすわけだから、どこの誰だかわからなくても人によってはトラウマになってしまうかもしれない。だから躊躇している。
いずれにせよ、連載が50回目の節目を迎え読者や担当には大変感謝している。今後もよろしくお願いします。
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