釘を見切る
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初めに、以前紹介した台の"デキ読み"について、もう一度簡単に書いておく。デキ読みとは、台のネカセやステージのクセ、ハンドルやバネの具合を把握すること、つまり釘以外の部分で台の評価をすることだ。基本的にこれらは設置場所が変更されるなどの特殊な状況が発生しない限り変化することはないので重宝する。

ただし設置が長い台や面替えで入れ替えられた台(台枠の使い回し)では、ハンドルがガタガタになっていたりバネの調子が悪い台が増えてくるので気を付けたい。バネが悪いとストロークが安定せず、ぶっこみに合わせていたはずのストロークが暴れる(玉の着地点がブレる)という事態も起こりうる。最近では右打ち機が増加しハンドルを回す機会が増えたからか、バネが悪い台との遭遇率は以前より高くなっているように感じるが。

注意したいのは、ストローク性能が芳しくない台は打ち手にとって何一つメリットがないということ。仮に他の部分が良い調整で回るポテンシャルがあったとしても、回転率は安定せずに期待通りの結果は現れないだろう。このような台は余程の優秀台でない限りわしは捨てる(パスする)ようにしている。


さて、ここから、わしがどのようにして打つ台を絞っていくかについて書いていこう。まずは狙っている機種の釘の見た目の比較から釘が甘そうな台を試し打ちしてみる。簡単に言えば、シマで一番良さげな台を打つというだけのことだ。

ここで、デキ読み開始。試し打ちのポイントとして、ステージからの入賞率やストロークの安定性に注目している。入賞率については、その台の王道パターンと思われるルートを辿った玉が確実に入賞するかどうかを重視。またイレギュラーパターンでどの程度入賞するか、脇に逸れてステージからこぼれた玉がどの程度ヘソの方向へ寄ってくるか、もし寄ってくれば釘調整次第で入賞する可能性は高いのか低いのか、そんな点を細かくチェックしていく。

この段階では台のポテンシャルを見極めることが目的なので、仮にいきなり高回転率の台に遭遇したとしてもここに腰を据えるわけではない。他にも良さげな釘の台があれば一通り試し打ちすることを優先する。というのも、わしがこんなことをしている場合、その日に優秀台が打てず満足な残り実戦時間がない時に実行するからだ(朝イチからは絶対やらない)。そういった余った時間に試し打ちを繰り返すことでデキの良い台を見極めていくことが大事となる。

ちなみに、いきなり高回転率台に座った場合、もちろんそれが本物なら万々歳だが、概ね回転ムラの上振れという場合がほとんどで、込み量が増えていけばそれなりの回転率に落ち着いていくものだ。そもそもそこまで回転率が高くなるような釘であれば試し打ちの前に気付くだろう。


それはともかく、とにかくデキを把握すること、それと試し打ちの際の釘とおよその回転率を覚えておくことだ重要なのだ。仮にある台を試し打ちした時の釘の状態を「10」としよう。基本的にこの数字が減れば(=釘が閉まる)、当たり前だが打つ価値はまるでなくなる。

では後日「13」とかに増えていれば…!? これは速攻ゲットに値する。しかもウハウハ顔で。まあ露骨にニヤけると他の連中に釘が開いた事がバレるので、さりげなくニヤついているつもりだが。

うん、そんなことはどうでもいい。この10から13にアップした現象こそ今回のテーマである"前回よりプラス調整が確認できた"瞬間なのである。当たり前のことと思うかもしれないが、これは単に釘が開いたという話ではないのだ。釘が開けば何でも良いというわけではなく、デキ読みによってステージのクセ等が他の台より優秀なことが確認済みの台で、さらに釘が開いたということが重要となる。デキ良し台であれば、単に釘が開いた以上に回転率アップに貢献してくれること間違いなしなのだ。


そのように御膳立てが整えば、あとはわし自身が設定したその台への投資上限までとことん付き合うのみ。覚悟の問題で、結果は神のみぞ知るといった心境になる。

ところで、この投資上限とは、その日の回転率から想定できる期待収支に対しての逆算であり、上限は当然異なる。例えば、1000円30回転の台ならば21時まで大当たりせずとも現金投資を続けることになり、逆に22回転程度なら35000円位で諦めて帰っちゃうかな? というようなもの。

ちなみに、35000円も現金が入るような展開は当然期待収支が高くなる想定だが、3円交換で打つわしにとって、持ち玉遊戯の時間が減るのは…ハッキリ言えば3円交換のメリットが活かせない邪魔臭い展開と言える。まあ、この程度の台ならその日の気分次第で続行かどうかを決める。


マイホールの釘調整は、簡単に言えばヘソを開けて寄りを殺して回転率のバランスを取るというもの。以前書いたようにマイホールの店長はコマメに釘を叩くのが生き甲斐だから(たぶん)、このバランスをしょっちゅう変えてくる。これを見抜くのがプロの真髄なのだが、そこはわしも場末のパチプロ。店長の調整のキモが寄り釘にあることは良く知っている。たとえヘソはいつもより狭くても元々がデカく開けているのだから、寄り釘をプラス調整しヘソの方に玉が寄ってさえくれば、なんとか勝負になる回転率になるのである。

わしの得意機種であるガンダムの特徴を列挙すると、電サポ中に玉が減りやすい、回転ムラが出やすいゲージ構成、MAXタイプである…等だが、まさにこれらの理由からパチプロ連中に敬遠されがちだった。しかも中古導入で導入時期が他店より遅れていたので一般客の興味の対象からも外れていた。

しかしホールからすれば、客さえ付けば売上が期待できる大型版権であったため期待も大きかったのだろう。釘は割と長期間甘めにしてあり、わしはありがたくガンダムとの蜜月を堪能させてもらったというわけだ。

そんな中、ガンダムは牙狼に負けないレベルの爆裂機だから、時間の経過と共に誰かの爆裂状態を頻繁に見かけるようになる。そうすると二匹目のドジョウを狙ってくる一般客が増えてくるものだ。そうした結果、稼働が上がってホールの売上も増えたのか、ガンダムのシマが好循環で動き始めていった。稼働が上がれば、釘が開いた時のレベルが大きくなるのは世の常だ。

もちろん、わしが対ガンダムで毎回ウマウマだったというわけではない。この手のMAXタイプは安定性に欠け、その日に期待値等が収束することは滅多にないから、勝負としてはやや長いスパンで結果を求めることになる。しかしもちろんそれを打つ前から織り込んで考えていた。何度もボロ負けを喰らって心が折れそうになったこともあるが…。

しかしながらそんな荒波にめげず打ち込みを重ねるうち、釘を見切る精度も上がっていくことになる。結局、デキ良し台をシマの3台にまで絞り込むことができ、そこに釘読みを重ね、10を超える台をコンスタントに打つことができるようになった。3台とも10を超えるという状況などでは、その中で一番期待できる台を打って結果を上積みできたと思う。

もし全台が10以下なら、他の台を打つか、相撲中継を見るために適当に帰っていた。これが好循環時のわしの稼働ぶりだ。読者様もこれに類似する状況はあるハズなので是非参考にしてほしい。