ねじを巻く
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前回のコラムでわしが"さる業界の下働きのバイト"であると告白したが、これまではそのバイトによる収入とパチプロとしての収入で生計を立てていたわけだ。それが現在では執筆の仕事まで加わり、なんと収入源が3つもある状態だ。

こう書くと、常に忙しくやや高給取りっぽく聞こえるのが何気に嬉しかったりもする。しかし実際は毎月の支払いの工面に四苦八苦していたりするのだが…。まあそれは置いておくとして、わしはシャバのパチプロ専業組よりは恵まれているかもしれないと考えるようになった。


打つ台を決めるためには、まず店が出そうとしているシマの"読み"、そしていわゆる"タテの比較"などで下ごしらえをし、あとはその日の釘を見て戦略を考える。多少の違いはあれどここまでのプロセスはどのパチプロも同じで、それなりに勝つための道筋を整えてから勝負に挑んでいる。しかしひとたび台を決めてしまえばもう何も考えることはないので、あとは成り行きに身を任せるのみ。それはつまるところ暇なのだ。

わしが恵まれていると考える理由は、このコラムの準備のためにあれこれ考えることがあるからだ。初回に述べたようにわしは素人ライターで、このコラムも10回目を迎え書きたいネタはまだまだあるものの、起承転結の起の部分、つまり書き出しから筆が止まってしまうことが多い。いわゆる産みの苦しみに陥っているということだろう。しかし場末のパチプロ風情のわしがこんな苦労をさせてもらえるのは本当にありがたい。

それにこの執筆は空き時間にできるから、以前述べた時間効率的にも抜群なのだ。とはいえすべてが上手く回っているわけではなく、そう簡単に一挙両得とは問屋が卸してくれない。筆が進まず睡眠時間を削ってしまい翌日にド遅刻というのはご愛嬌だが、稼働中にマジ落ち(寝てしまう)する時があり、打ち方もオーバーフロー等ヌルくなってしまうのが玉にキズだ。


余談ながら、パチプロ専業組について少し触れておきたい。わしなどはなんとか生計を立てている程度だが、さすがに専業ともなればそれなりの能力を持っており、それを違う方面に活かせばそれなりに成功しそうな人間も多い。そして稀ではあるが、何気に高学歴や特殊スキルを持つ人もいるのだ。

数年前に東大卒の女パチプロと雀卓を囲んだのだが、彼女は捨て牌や他の人が持っている牌からわしの手牌を見事に見抜いた。その解説についてはチンプンカンプン状態だったが、何よりその速度と精度にわしは舌を巻いた。またわしの専門であるパチンコについて、「勝つ方法はイロハのイを聞いた瞬間に理解した」とも言っていた。わしなどは負け組から入った口なので、勝ち方を瞬時に理解したという彼女を羨望の眼差しで見つめるしかなかった。


さて、バイトとパチンコの兼ね合いについてだが、これはバイトを優先で考えている。バイト先にNG日だけ伝えておくのだが、そうすると仕事があれば適当に日を埋めてくれる。そしてその残りの空いた日がパチンコの稼動日となるのだ。本来ならマイホールにも隠れイベント日があり釘が開く可能性がある日はNGとしたいが、そんなことをすればバイト先から戦力外通告されるのがオチ。可能性のみを追うとNG日だらけになるからだ。

そんな不定期な稼動状況ではあるが、わしには1つのジンクスがある。それは月初めの稼動日が負けから始まると、その月は苦戦ないし大苦戦に陥るというもの。なぜか月収支がマイナスになった時は大抵このパターンなのだ。

10月にバイトの件数が多く偏っていたため11月は稼動日も多く取れ、そのおかげでホールのアケシメの流れも読みやすかった(飛び石状態になるとこの流れがわからなくなり困る)。つまり本来であれば比較的勝ちやすい状況だったため、ここで収支を伸ばしておこうと密かに考えていたのだ。

だがいきなりの4連敗スタートとなり、マイナス131000円という重いビハインドを背負ってしまった。1つ勝ちを挟んだものの、次は北斗の拳5で32回の当たりを取りながら内13回が突確&突時となり敗北! またAKBでは33回の当たりのうちRUSH突入(出玉なし)4回、まあこれは勝つには勝ったが他も振り分け負けなので悔しい実戦だった。全体的にカネが入る(初当たりが遅い)展開が続き、11月は玉を流して帰る日がとても少なかった。そして前回も述べたが、店全体が閉め調整っぽいので早々の帰宅を余儀なくされていることも悪い流れを加速させた。

どのみち不ヅキなどは打って打開するしかないので打てる条件にさえなれば打ちたいが、それすらままならない状況にある。月末にお祭りわっしょいの2連勝で締めてみたが、結局初めに負ったビハインドを覆し切れず11月は収支が一度もプラス圏に浮上することなくマイナス29840円で終了。

というわけで9月から続けてのマイナス収支となった。このザマがわしの実力と思ってくれていい。笑ってくれてもいい。こんなマイナス収支ばかり叩き出すわしはそろそろ身の振り方を考えるべき時が迫ってきたのかもしれない。


44歳の知人(パチプロではなく個人事業主)が現在就職活動中なのだが、先日その話を聞く機会があった。彼は就業の必要に迫られ手当たり次第履歴書を送っているそうだ。自分に付加価値をつけようと自動車学校に通い、現在仮免許をようやく手に入れた状態らしい。

履歴書をペンダコができるまで手書きで書き上げ郵送したのはいいが、その後の連絡すらない状態に心が折れそうだとこぼすので、最近の履歴書はエクセルを駆使して作り、そのコピーでも良いと聞いた(ガセネタかも知れない。エクセルが使えるというアピールポイントになるとも聞いている)から、それをアドバイスしたのだが、わしの言葉など馬耳東風とばかりに彼は頑なに手書きに拘っている。

そんな涙ぐましい努力の末、郵送した履歴書の数に反比例した件数の面接までなんとかこぎ着けた。普通ならここで新着のリクルートスーツでも購入して準備するところだが、彼は抜けた差し歯を放置していた状態がまず気になった。歯医者で健康保険の利く"入れ歯"を作り(実費は約5000円だそうだ)、口元の好感度アップに余念がない。手鏡を覗きこむ彼曰く「これで面接に行ける」らしい。まあ適当に頑張ってほしいと思っている。

まだ結果は聞いていないが、わしには決して対岸の火事ではなくマイナス収支を叩き出し続ければ彼はまさに明日の我が身。悲壮感と苦しみの渦中にある彼を見て色々考えるところもあった。わしも頑張ってみるつもりだ。