パチンコを楽しめた
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※パチンコ必勝本CLIMAX2013年2月号に掲載されたものを加筆・修正しています


今年の12月24日で今の仕事を専業にしてから丸15年を迎える。当初の予定では目一杯頑張って金を貯め、長年夢だった山奥で宿泊施設を経営し、自然観察指導員をしながら余生を送ろうと思っていたので、10年でパチプロをヤメるつもりだった。

ところが途中で連れ合いが無理のできない体になって計画が頓挫。その後、自暴自棄になってドロップアウトのピンチもあったが、なんとか10年は乗り切った。というか未だにこの稼業に決別できないでいる…というのが本当のところだ。

今年も残りわずかになり、大震災があった昨年に引き続いて年間ノルマを達成できそうにはないが、長年の夢だった沖縄への昆虫採集旅行も果たせたし、なによりも大きな怪我や病気もせず健康で過ごせたことはありがたかった。

ただこの先すぐヤメるわけではないので、打ち続けていく以上はもっとパチンコを好きにならねばいけないし、そうなる努力をしていこうと思っている。


私はパチンコ打ちを専業にするまでは普通の会社員であり、都合3社に在籍したが、今思うと自分が仕事を続けるうえで1番重要なのは、その仕事が心底好きかどうかである。

世の中いろんな職業があるが、金を稼ぐ以上はそれぞれ苦労は付きものであり、必ずなんらかの困難にブチ当たる。そしてギリギリの状態になったとき、ヤメるか続けるかの決断に大きく左右するのが前述したことなのだ。

私はこれまで不本意だと思いながらも15年間この仕事を続けてきたが、その間家族の生活費を稼がせてもらったことには感謝している。Xデーは間近に迫っているが、この稼業を終えるときには、もっとパチンコを好きでありたいものだ。


12月初旬某日(雨)
先日、噂の新台「花の慶次~漢」が一斉に導入され、早速私も12時開店の店へ1時間ほど並んで台をゲットして打ってみた。

この機種、画面は大きいのだが明るさは控えめで、どちらかといえば目には優しい部類に入るのではなかろうか。また演出もなかなか良くできていて、出玉も良く、ウルトラマンタロウや牙狼などよりスペックでは劣るものの、今後しばらくは人気を維持するのではないかと思う。

ちなみに昨日、等価の店で打った台の回転率は1000円あたり約24回転で出玉もかなりのプラスαがあり、時間効率も1時間あたり300回転を楽に超える速さで、最近では夏以降最高レベルのお宝台だった。

そして収支のほうも途中4倍ハマリがあったものの、差玉2万発の大勝利。まあ本当は最近マレに見る優秀台だったので、長い目で見れば仕事量的にはもっとハマったほうが良かったのだが、やはり本音は目先の勝利のほうが嬉しいものである(笑)。


さて、今日も12時開店の店が結構あるので迷ったが、昨日行ったN店が今日も引き続き12時開店なので、その慶次漢の据え置き狙いで再度1時間前に店へ並んだ。そしてなんなく目当ての台を確保したのだが、設置2日目にしてかなり状況は厳しくなっていた。

仕方がないので他の台もチェックしたが、やはり右にならえで全体的に昨日よりイマイチな感じである。それでも最近では優秀なゲージだと認識しているこの機種、もしかしたら勝負ラインを超えてくれるのでは…という願いを込めて打ってみることに。

すると3000円目までは68回転と良い感触だったが、5000円分を打ち込んだ時点で95回転と失速。おそらくこの台、良くて勝負ラインギリギリのクオリティで、出玉が良いことを差し引いても精神的に疲れる台には違いない。それに今日はいつもより打てる時間が短いので、それらのリスクを考慮してこの台を諦めることにした。

この時点で、もう新台やAKBなどの人気機種に空きはなく、他の旧台を選ぶしか選択肢はない。ただ今日は他にも12時開店の店が多く、人が分散したようで、半分以上の機種は余裕で選ぶことができた。

そのなかで大海2のちょっと気になる1台を選択。最近は以前と違い、海系を打つ機会がだいぶ減ってしまったが、今日は他の機種に比べて若干良さ気に見えたので、見た目ほどは回らないだろうとは思いながらも試すことにした。


最初の1000円で24回転。等価でこの回転率ならお宝台レベルだが、喜んだのは最初だけで、やはり徐々に失速。5000円を打ち込んだ時点では108回転まで下がってしまった。それでも先ほどの慶次よりは回転率が少し上なので、回転率が現状維持なら打ち切ることに決めた。

あとは勝ち負けは勝利の女神に任せ、私の重要課題である「楽しく打つ」ために、これまで無頓着だった演出に関して調べようとサイトを開いてチェック。

まあもともと海系は癒し効果があり、淡々と打っていてもストレスを感じることはあまりないのだが、冒頭でも述べたように今後も打ち続ける以上はより快適に打つ時間を過ごせるよう、もっとパチンコを好きにならねばいけないのだ。


と、ここでポンと後ろから肩を叩かれた。N店は割と自宅から近く、もしかして近所の人か? と一瞬ドキッとしたが、振り返ると会社員時代によく通ったホールの仲良しのパチ友の中国人の女性で、実に16年振りの懐かしい再会である。

そして「○○ちゃん久し振り~」と片言の日本語で私に話しかけ、隣の台に座った。話を聞くと今も新聞配達と風俗の仕事をやっており、大震災後に帰国したが現地では仕事がなく、また日本に戻ってきてこの店の近くに住んでいるのだという。

そして以前と同様、週に1~2回は時間と金額を決めてパチンコを打っているらしい。それにしても彼女は相変わらず賑やかでお節介焼きだ。そして海に関しては実によく勉強している。ちなみに、画面タッチはすべて彼女任せだ(笑)。


さて肝心な回転率はその後徐々に失速し、3万円打ち込んだところで624回転までしか回らなかった。これではおいしくもなんともないが、とりあえずデッドラインを切ってないし、これ以上回りが下がらないだろうと思えたので打ち続けることに。

そして携帯にデータを打ち込んでいると、彼女の台から「キュイン」という音がした。そして間髪を置かずに今度は「キュキュキュイーン」と大音量を伴ってパールフラッシュが発生。これには彼女はかなり嬉しかったようで、手を叩いて満面の笑みを浮かべて喜んでいる。そして「○○ちゃんも当たるよ~」と言って私の上皿に2回も出玉を分けてくれた。

このおまじないが功を奏したのか、それから数分後の14時過ぎ、投資3万2000円、652回転目で私の台からも「キュイン」という音が。これにはちょっと「ドキッ」としたが、それ以上に興奮したのは彼女のほうで、周りの視線もおかまいなしに叫び声をあげて祝福してくれたのである(笑)。

残念ながら私のほうは確変ではなかったが、その後116回転通常、192回転通常から確変引き戻しの3連と早い当たりで徐々に玉を増やし、初当たりで確率以上にハマったのは468回転と463回転の2回だけという楽な展開に。

そして気になった出玉も1回分の玉減り込みでなんとか1500発をキープ。終わってみれば差玉13800発で期待値の2倍以上の勝利である。


それにしても今日は隣がかなり賑やかだったが、大海2の演出についてレクチャーを受け、あっという間に時間が経った楽しい1日だった。

余談だが、彼女は3万発近く出してタ方に帰って行ったが、その際私に「○○ちゃん、今日いっぱい出たからサービスするよ。だから22時までにお店に来てね」と耳元でささやいたのである。

なのでいつもより早く21時30分にヤメたわけなのだが、店を出てすぐ同業の優等生T君の「10万円以上勝ったって、今時のパチンコは怖くてお金なんか使えませんよ」という言葉が頭に引っかかり、結局久し振りとなる夜の街へ繰り出すことはなかった。

もし10年前に同じようなシチュエーションだったら、仮に10万円負けたとしても、ほぼ100%彼女の店へ行っていただろう。だからいつまでたっても金が貯まらなかったのだが(笑)。

T君が言うように、現在の厳しい状況下では「宵越しの金は持たない」的な考えではすぐに破綻してしまうだろう。たぶん年齢のせいもあって思いとどまれたのだろうが、自分は進歩したのだと言い聞かせ、かなり後ろ髪を引かれたが、なんとか家に直帰した。



投資…32000円
回収…21820個
大当たり…26回



昔、宵越しの金は持たない輩がいた

10年以上前、S君というパチンコも上手な凄腕のスロプロがいた。彼は非常に器用で、パチスロの高設定を看破する能力に長けた男だった。そんな彼に一度夜の街へ誘われたのだが、なんとその日のパチスロで30万円勝った金を全部ドンペリなどに使ってしまうのである。

気の毒だったので少しお金を負担しようと申し出たが、「僕が誘ったんだし、楽しく飲めたからいいです」とたった1万円しか受け取らなかったのだ。現在、当時ほど稼げなくなったので、S君のような豪快な輩はいなくなったが、仮にそんなことをしたらすぐに破綻してしまう世知辛いご時世になってしまった。