思いもよらぬドンデン返し
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思いもよらぬドンデン返し
※パチンコ必勝本CLIMAX2011年12月号に掲載されたものを加筆・修正しています
今年も2/3が終わり、相変わらず打つ台を探すのに苦労する毎日を送っている。ちなみに、好調だった昨年の今頃と比べると稼働時間は約2/3。しかも仕事量のクオリティも平均時給で2000円を切ってしまっているのだ。
おかげでこの夏に予定していた沖縄への長旅も中止せざるを得なくなった。まったく今年は忌わしい大震災のおかげで、旅行どころか日々の生活にも汲々とした日々を送っている。
しかし私も普通の人間。生活費を稼ぐためだけにパチンコを悶々と打っていたのでは、精神衛生上非常にマズい。
8月の後半は失速してわずかながらノルマを割り込んでしまったのだが、遂にストレスに耐え切れなくなって、頑なに守ってきた決めごとを久しぶりに破ってしまった。それはノルマを達成できなかった翌月は、1泊以上の旅行は御法度というものだ。
結局、5日前に千葉の南房総へ趣味の昆虫採集へ旅立って2日前に戻ってきた。決め事を破るのは気が引けたが、リフレッシュできたのは確かである。そのおかげで気分良く仕事を再開できたのだ。
ところがその初日、久々に時給4000円オーバーの優良台を打つも、逆に8万円オーバーの大敗を喫してしまった。そして昨日も同じ台を打てたのだが、またしても6万円オーバーの負け…。
結局2日で15万もやられてしまったのだ。旅行前の1週間でプラスだった収支が、あっという間にマイナスに転じてしまった。
そして今日も自宅から50キロのG店へ。2日打った台の釘が残っていることを願ってやって来た次第である。
ところでこのG店、今日でリニューアルオープン5日目だが、予想に反してなかなか良い状態が続いている。4日目の昨日は釘が少し閉まったものの、等価にも関わらず1000円あたり24回転強の北斗剛掌を打てた。
今日は私が店に着いて列に並んだのは開店前の7時半。並び順は30番前後というところ。昨日まで100番以降で入っても例の剛掌は取れたので、この時点では安心していた。
7時50分過ぎに入場し、真っ直ぐ剛掌へ向かう。予想通り先にシマへ入っていた人は少なく、まだ2人しかいない。しかしここで想定外の事態が発生。あろうことか、私よりちょっと前に入った人が狙い台に台取り券を置いてしまった。
一瞬何故だろうと考えたが、実はその台、昨日まで3日間連続で出ていなかったのだ(その内の2日間は私)。見たところその人は年配の普通の女性に思えたので、そろそろ爆発するだろうという思いからこのような台選びをするのだろう。
一応このシマには他に候補の台はあるが、意中の台より確実に1回転は下回っており、初めから大きなハンディを背負ってしまった。
この機種以外にも打てる台はあるかもしれないが、やみくもに選んでも失敗の可能性が高いと思い、仕方なく2番目の候補の台に台取り券を置いて釘をチェック。
案の定ヘソ幅は昨日より確実に狭くなっていた。ただ幸いなことにスルーと寄りは据え置きのようだ。打ってみなければわからないが、おそらくギリギリの台だろう。
9時、この台のデッドラインを1000円あたり20.5回と決め、憂鬱な気持ちを払拭すべく、いつものように無の境地を心がけて打ち出した。
ところで今日は嬉しいお助けグッズがある。身内からウォークマンを借りて来たのだ。それも私の好きな曲がぎっしり詰まっている。
これは以前から若い同業の子に「音楽を聴きながら打つといいですよ」と聞いており、実際イヤホンをしてみると同時に騒音も遮断され、心地良い気分になれた。これで台のクオリティが高かったら言うことないのだが…。
13時前、頭上の表示器を見ると、この機種においては不思議でも何でもない1000という数字が表示されていた。ちなみにボロ負けした昨日と一昨日も、確率の3倍以上ハマっており、しかもあろうことか今朝取れなかった台がすでに3万発近く出ている。
この店に来てから仕事はできているが、まったくツキに見放されているようだ。しかし回転率は5万円使って1053回転なので、自分の決めごとに従うなら打ち続けなければいけない。
とは言え私は人間が出来ていなので、このような状態は苦痛だ。しかしパチンコを専業としている者にとっては避けようのないことなのだ。
ただ幸いなことに、いつもなら無心モードへ入ろうと精神コントロールしなければいけないが、今日はそのような気遣いは無用。
理由は例のプレイヤーから聞こえる音楽。とにかく私が大好きなビートルズ、井上陽水、クラッシックなどの曲が次々に流れ、意識はすっかりパチンコから離れていた。
15時前、心地良いサウンドに酔いしれながら、ただ黙々と機械のようにデジタルを回していたのだが、ここで晴天の霹靂が訪れた。
実は1000回転を過ぎた辺りから回らなくなり、7万円を使い切って表示器を見ると1422回転。今日初めてデットラインの1000円20.5回を切ってしまったのだ。自分の決めごとに厳格に従うなら、ここはドロップアウトだろう。
とその時、朝に取り損ねた台を打っていた女性が席を立って呼び出しランプを押したのが見えた。大連チャンが終わったようで、4万発くらいあるだろう。この場合冷静に考えるなら、当然私の台より回ると思われる女性がヤメた台に移るべきである。
だがここでちょっと迷いが生じた。理由は、まず自分の台がそろそろ当たるのではないか、また、半日で4万発も出た台はもう出ないのではないかと考えてしまったからだ。このような考えは普段は心の奥底にしまっているのだが、精神的にゆとりがなくなると顔をのぞかせてくる。
ちなみに私が今まで知り合った超一流と思う同業は、前述のような考えを一切持ち合わせていない。この時すぐにアクションを起こせば何ということはなかったが、ためらっている最中に通路で空き待ちをしていた男性に台を押さえられて万事休す。
こういうツイていない時もあるのさ、と言い聞かせて席を立った。それから店内をチェックしたがほぼ満席状態で、他の打ちたい候補の台に空きもなかったのでトイレに行ってから退店することにした。
そして出口に近いシマを抜けて外に出ようと思ったが、たまたま混んでいたので再び剛掌のシマを通ると、ここでまた予想外のことが…。さきほど取り損ねた台がもう空いていたのだ。なので今度こそ迷わずゲット。
どうしてすぐに空き台になったのか表示器を見ると、最後の当たりからわずか6回転で止まっている。要するに小当たり直後にヤメたのだろう(この店は小当たりでも回転数がクリアされる)。
この時、背中側から小声で「あの人ハマった台捨ててもったいないな」という声が聞こえてきた。そして次の瞬間、その言葉の意味がすぐに理解できた。先ほどヤメた台が大当たりしていて、すでにドル箱が1つ足元に置いてあったのだ。
それを見て、この後私が打っていた台が噴きまくることと、またこれからハマって大負けするかもしれないという思いを抱いてしまった。しかしこの台が勝負ラインをクリアするのであれば、ずっと打ち続けなければ自分の決めごとに背いてしまう。
本心は少しヤケ気味だったが、この店で打ち続ける以上、それを引きずったのではストレスが溜まって仕方がない。そう考えて気持ちをリセットし、15時過ぎ、やっと今日最初から打つ予定だった台を打ち始めた。その直後、ちょっと信じ難いことが起こった。
それは投資500円、2回転目で起こった。なんと一発告知の音が聞こえたのだ。つい先程まで大連チャンした後なので、どうせ確変はすぐ終わるだろうと思っていたのだが、それがなかなか終わらず、いきなり11連チャンして15000発以上出てしまった。
その後の初当たりは、455回転と489回転と分母数は超えたが、一番重要な回りが勝負ライン以上をキープしてくれたので粘ることができ、それぞれ15連チャン、24連チャンと大爆発。
そして終わってみればこの台での差玉が47000発オーバーで、最初の台の投資7万円を引いても余裕のホームラン。一時は3日連続のボロ負けを覚悟したが、今日は思いもよらぬドンデン返しの結末である。
まあこれでもG店での3日間の収支はマイナスだが、とりあえず9月の収支はプラスに戻ったのでホッとした。
今月はあと半月以上あるが、今日のように出る出ないを意識して打っていたのでは必要以上に疲れてしまう。まったく私は何年打っているんだ…と反省しながら帰路についたのであった。
投資…70500円
回収…47554個
大当たり…50回
以前はジグマ的な立ち回りが多かった
この仕事を始めた頃も、朝イチはどこの店へ行こうかと迷うことが多かったが、現在とはかなり事情が違っていた。それは、いつ行っても確実に使える店が、通勤圏30分以内に少なくとも5軒以上はあったからだった。しかもそれらの店は、並ばなくても日当3万円クラスの台は余裕で取れた。
なので、今日はどの店でどの台を打とうかよく悩んでいた。ところが今は、どの店に行ったら打てる台があるのだろうと悩んでいるのだ(笑)。今思えば贅沢な話だが、当時は店選びが面倒で、できるだけ楽をするためにジグマ的な立ち回りが多かったのだ。
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