疑心暗鬼の結末
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疑心暗鬼の結末
※パチンコ必勝本CLIMAX2011年9月号に掲載されたものを加筆・修正しています
6月中旬某日(曇)
大震災後、あらゆる場所で節電運動が広まっているが、パチンコ店も例外ではなく、エアコンの設定温度を上げるのは勿論のこと、照明を半分くらいにしてトイレのエアータオルの電源すら切っている店がほとんどである。
業界ぐるみでここまで徹底してやっているのは感心だし、世間から賞賛されて然るべきなのだが、不思議なことにそのような話は一切聞かない。
震災後パチンコ店の営業がネットでかなり叩かれ、それに呼応して店休まで設けて自粛して頑張っているのにマスコミはまるで知らん顔。まあ普段から歯牙にもかけられていない、どうでもいい別世界ゆえ仕方がないのかもしれないが、これではパチンコ店も立つ瀬がない。
ちなみに宮城県内ではほとんどのパチンコ店が何らかの被害を受けており、海沿いにおいては津波にやられて再起不能に陥った所もある。
内陸部の私のテリトリー内においても被害は最大で、建物本体こそ無事だったものの、柱の少ない広い空間が災いし、天井に張り付けてあった板やパーツ類が大量に落下して散乱して、1ヶ月以上営業できなかった店も多くあったのだ。
ここのところはただでさえ経営が苦しかったはずなのに、これではますます大変であろう。せめて「パチンコを打って元気になろう」みたいな風潮が少しでもあれば救われるのだろうが、野球やサッカー観戦とは違って「こんな時になぜパチンコ店を営業するんだ? 節電なんて当たり前だ」というのが世論であり、本当に大変な業種である。
まるで他人事のように書いてしまったが、私のような輩にとっても前述のことは由々しき問題で、店が儲からないと今の仕事が成り立たないのだ。
それにしても震災後のパチンコは実に渋い。近年は日当3万円オーバーの台は店側の調整ミス以外あり得ないと思っているので過度な期待はしてないが、2万円クラスの台を探すのさえもままならなくなってきている。
そんな中、一昨日店回りをしていてC店で不思議な台を発見。リニューアルオープンして間もなく、新台ということもあるのだろうが、佐武と市のシマに唯一ワープがプラス調整の台があったのだ。
昨日から釘が据え置きだったので早速打ったのだが、結果は2Rも含めて9回しか当たらず10万オーバーの大敗。しかし等価で1000円24回転以上あったので仕事量は3万円どころか5万円クラスのお宝台だった。
ただ、いくら出なかったとはいえ、これほどの台だと昔と違って翌日は釘が閉まるのが常である。だが今日は他の店にアテもないのでダメ元でやってきた次第だ。
7時半、入場抽選に並んだが集まったのは9人。これはここ数日が全体的に渋かったことの証であろう。とはいえリニューアルして1週間も経っていないのに、これではC店の先行きがちょっと心配だ。
一見の店ならともかく、この店は以前からたびたび通っている好きな店でもあるので、もっと頑張って欲しいのだが…。
7時45分過ぎ、私は6番目で入場。前の5人はパチスロ狙いの若者なので、ピンポイントで狙ってる台は取れそうだ。
目的の佐武と市のシマに着いて最初の台を見たが、昨日より若干へソが閉まっており、他の台も右にならえの調整になっている。これでは1000円あたり17~18回転くらいしか回らないだろう。
しかし昨日打った台のワープ入口の釘が据置きなら話は別だ。とにかく玉がワープをくぐりさえすれば高性能なステージがへソまで導いてくれるので、間違っても1000円20回転を下回ることはないだろう。
普通なら絶対にワープは閉まっているはずだが…そう思って例の台に台取り券を置いてワープの釘を見ると、なんと昨日と同様にプラス調整になっている。
近年はステージ依存度の高い台が多く、よってその入口となるワープは導入初日からマイナス調整するのが当たり前の傾向で、もし無調整ならもうけものなのだ。
とにかくこの台のような調整は減多にあるものではなく、昨日よりへソは少し狭いものの、玉が頻繁にステージへ乗ってくれるので今日も仕事量は確保できそうだ。
8時に打ち出し開始。最初の1000円で23回転。相変わらずワープの通りは良いようで、昨日の1000円25回転よりは落ちるだろうが十分打ち切れそうだ。
そしてその後も安定して1000円23回転以上をキープし、初当たりは9時14分、投資1万6000円、368回転で居合いフラッシュから15R確変をゲット。
昨日から通算で1098回転目の大当たりだった。これは15R確変3回、出玉7R分の15R確変2回の5連チャンで、約1700個のドル箱で3箱ちょっとと爆裂とはいかなかったが、昨日の展開と比べれば天と地ほどの違いだ。
ちなみに、大敗した昨日はいきなり2186回転、7倍オーバーの大ハマリから始まって、最後も現金投資で終わっている。冷静に考えれば、等価だから換金ギャップがなく、最後に大当たり回数の帳尻さえ合えば、始めにいくらハマろうが関係ないのだが、やはり早く持ち玉になったほうが気分的には楽だ。
まあ昨日は結果的に大敗したが、確率の分母が300を超える機種においては仕事量がすぐに反映されないのは承知の上である。なので結果のことは考えず、時間まで無心で打ち続けるだけのこと。とにかくあと12時間は打ち込まなければいけないので、余計なことは一切考えず無我の境地を心がけた。
しかし次の初当たりも確率の分母数を突破し、415回転で出玉7R分の15R確変を引いたが、2R確変、2R通常としょぼい出玉で終わり、12時過ぎに257回転で持ち玉がなくなってしまう。昨日もこんなことの繰り返しだったので「またか」と思わずつぶやいてしまったが、気を取り直して無心モードへ戻った。
その後、再投資4000円、342回転で出玉7R分の15R確変で当たり、これが15R確変6連と続いて持ち玉が昨日から通算して最高の9000個ちょっとになった。回転率も相変わらず好調で正直気分は良かったが、再度気を引き締めて無心モードへ突入。
それからは昨日のような大ハマリもなく、確率以内の初当たりも2回引いたが、15R確変がなかなか引けず一進一退を繰り返していた。
しかし21時20分過ぎ、最後の当たりから644回転で持ち玉がなくなってしまう。この店は閉店が23時30分なので、換金ギャップがあるならちょうど良いヤメ時かもしれないが、最初に決めた22時の打ち込み終了時間までは迷わず投資を続けることにした。
とその時、古くからの知り合いで両刀使い(パチスロもやるという意味)のT君から声をかけられた。そして開口一番「この台まだ出ないんですかー」と言った。
話によると、彼はこの台を導入初日から3日間打って3連敗し、4日目も打ちにきたが一向にワープの釘が閉まらないのに疑問を感じて手を出さなかったというのだ。
ちなみにT君がパスした4日目は客側が勝ったものの、理論値以下の差玉だったらしい。そして5日目に私が10万円負け、今日また2万円負けている。
要するにこの台はこれまで一度も確率通りに出たことがなく(といってもまだ6日間だが)、しかもこれが肝心なのだが、スタート調整をマメにやっていた店なのに未だに釘が据置きで高回転率を維持しているのだ。
T君の話を聞いた後、私は即座に店じまいをしたが、もし彼が来なかったらもっとこの台を追っていたに違いない。そしてこの台は翌日も釘が同じで客側が19000発のマイナスとなる。
10年くらい前はこの手のことがたびたびあったが、ここにきてまたか…と落胆してしまった。そしてもっとショックだったのは、これまで信頼していたC店でこんな目に遭ってしまったということだった。
まあ台の中身を調べられないし、はっきり黒と断定はできないが、結果がすべてのこの稼業、今後はより一層「君子危うきに近寄らず」ということを徹底せねばなるまい。ちなみに震災以降、県内の親しい同業の中で仕事量以上勝っているのはたった1人だけで、あとは全員理論値以下の成績だ。
昔に比べ、2割以上も仕事量が落ちているのに今後も前述のようなことに気を付けなければならないとなると、この稼業も終焉が近いのでは…と思っている今日この頃である。
投資…20000円
回収…0個
大当たり…34回
震災後、仙台の人口は増えている
私の自宅は仙台駅近くの商店街にあるが、人通りが震災前以上に多くなった。原因は復興関係者だけでなく、海沿いの被災した所から仕事や住居を求めて大勢の人たちがやってきているからだ。また最近分かったのだが、近所のアパートやマンションがすべて埋まり、長い間売れなかった某社の住宅も完売した。
おかげで商店街は売り上げが増えて活気が出てきたようだ。そしてパチンコ店も然り。仙台市中心部においては確実に人が増えている。一部治安が悪くなったという声も聞くが、仕事があって街も潤うのであれば喜ばしいことだと思っている。
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