後味の悪い1日
  1. TOP
  2. 後味の悪い1日


※パチンコ必勝本DREAMS2010年6月号に掲載されたものを加筆・修正しています


今年は昨年末からの爆裂モードがそのまま継続してくれて、今までのところ収支的には珍しく楽な展開である。

おそらく5年以上前なら間違いなく1週間くらい休んでスキー旅行にでも行っていたところだろう。

だが今は以前ほど状況が良くなく、3日連続で打つ台がないなどということも珍しくはない。

加えて波も荒くなっているので、ツキに見放された場合は数日で20~30万負けるなどということもあり得るので、相変わらずストイックに打ち続けている。


ところで私の地元では近年4パチの高換金化が進み、貯玉再プレイを導入した店も多くなってきた。

当然のことながら、日々打っている私は貯玉再プレーを利用しているわけで、気が付いてみたら貯玉している店の数はあっという間に10軒を超えてしまい、金額に換算すると7桁に達してしまった。

浪費家の私にとって、その気になればそれくらいの金は1週間どころか数日でなくなってしまう。

しかし、それだけの金額を稼ぐには昔の何倍もの苦労を強いられることは分かっているし、1日で10万以上負けてもおかしくはないような波の荒い機種を頻繁に打っているので、恐ろしくて金を使えない…というのが本音なのだ。

しかし、近年になく調子が良いはずなのに、懐具合が厳しいのは不思議である(笑)。


それにしても私は変わった。以前なら3ヵ月続けてノルマを達成したら、自分に対する褒美として長期間の旅行へ出たり、10万以上もするクワガタを買ったりしたものだ。

しかし最近は歳のせいなのか、慎重というか臆病になり、だいぶ金の使い方が大人しくなった。

まあこの世知辛い現状においては、パチプロも険約家でないとやっていけなくなったのは確かである。


3月下旬某日(みぞれ)
さて、今回は前週の続きということで、珍しく2回続きの後編になる。

前回はD店でピンポイントで狙っていた牙狼の1台を若い同業の男性(A君)に取られてしまったが、幸いにも他に打てる台があったので、それを終日打ってなんとか仕事量以上の収支になった。

その後もD店においては牙狼のイベントが3~4回あったが、同じ日に最近ベースにしているB店のイベント日と重なってしばらく来ることができず、約1ヵ月振りに朝イチからD店へ顔を出した。


8時半に抽選が始まったが、今日は平日でしかも悪天候なので、いつもよりは若干人が少なく、30人ちょっとの並びだった。

ところで例の男性(前回私の狙い台を打っていた同業)はやはり来ていたようで、すでに私より前の方に並んで入場抽選を待っていた。

あれから店の状況が変わっていなければ、おそらく狙いは私と同じ台のはずである。

問題は彼より早い順番で店に入れるかどうかだが、私が引いたのは予想外の3番だった。

前の2人はどう見てもパチスロの方へ行くと思えたので、狙いの台の釘が開いていれば、ほぼ鉄板で目標の仕事量をこなせるだろう。

これまでD店においては極めてクジ運が悪く、滅多に1桁の番号を引けなかったが、ライバルがいる時にこういう番号を引けたのは幸運である。


その後すぐに入場となり、前の2人は予想通りパチスロの方へ行ったので、私は牙狼のシマへいの一番で辿り着くことができた。

そして狙いの台へ向かい、まずヘソを見たが、嬉しいことにばっちり開いている。ところが次の瞬間、ワープの入口を見てガッカリしてしまった。明らかに釘がマイナス方向に叩かれていたのだ。

この台、これまで良い時は1000円あたり25回転もあったのだが、見た限りでは確実に2~3回転は下回るだろう。

ちなみに他の台もやはりワープは一律にマイナス調整になっていた。せっかく早い番号で入って狙い台も取れたのに、これでは嬉しさも半減である。


とりあえず狙いの台に台取り券を置いたが、一応念のため店内の他の台もザッと目を通した。

だがやはりこれといった台はなく、あまり期待はできないがとりあえず最初に選んだ牙狼を打つことに。


オープニングまでまだ時間があったのでトイレに行き、コーヒーを買って自分の台に戻ったが、ここで例のA君が熱心に何台も牙狼の釘をチェックしていたのが目に入る。

手に台取り券を持っていないので、とっくに彼が打つ台を確保しているはずなのだが、彼の行為は自分が選んだ台に自信がないということの証に思えた。

そう考えると、前に私が打つ台を彼が取った時、今日のような行動を取らなかった理由が分かった。要するに、私が選んだ台のクオリティを事前に把握しており、前回はたまたまではなくピンポイントで狙って取ったということなのだ。

たぶん彼は狙いの台が取れなかったので、残念がっているに違いないが、それは前回の私も同じ思いをしているし、公平な入場抽選の結果なので致し方ないことである。


9時過ぎ、トイレから戻ってくると、驚いたことにA君は偶然だと思うが私の近くの台で打っていた。

そして私が席に着いた時、仰天したような表情でこちらを見ていた(たぶん前回来た時に私が彼の台を何回も見ていたことを知っていたはずなので)。

それが一瞬ならどうということはなかったが、しばらくの間じっとこちらを見ていた。今までひと言も言葉を交わしてない若いお兄ちゃんに、このような行動を取られたら気分が良いはずはない。

5年以上前なら「俺に何か用か? ちょっと表に出ろ」などと言っていたかもしれない。まあ力マを掘られたと思い込んでいるA君の心情は理解できるので、しばし無視してやり過ごしていた。


ところが依然として視線は私の方を向いたままである。これにはさすがにムッとしてしまった。

本心は「コノヤロー」という気持ちだったが、努めて冷静に怒りを抑え、無表情でたしなめるべくおもむろに彼の方を向いた。

しかし次にA君が取った行動は予想外だった。私から目線をズラすどころか真っ赤な顔でじっとこちらを見据えたままで、おまけに「人が打った台…(以下は聞き取れなかったが)」などとつぶやいていたのだ。

他の人ならいざ知らず、普段は品行方正で優しそうな彼からは想像もつかないものだったので、たじろいでしまった。


それにしてもこれはとんだお門違いだし、明らかにマナー違反である。いくらひと昔前より温厚になったとはいえ、さすがに私も堪忍袋の緒が切れそうだ。

仮にもうひと言発していたら、有無を言わさず彼を店外へ連れ出していただろうが、寸でのところでA君は目線をそらして自分の台を打ち始めたので、私もようやく打つことへ専念することにした。


いずれにしろ地元でこの仕事を続ける以上、今後も彼とは何度も顔を合わせるはずなので、今日彼が帰るまでに今回のようなことが二度とないように注意しようと決意した。

その結果、彼がどう思おうと自由だが、少なくともA君の力マを掘ったのではないことだけは私の名誉のためにも弁明しておきたかった。

それにしても日当10万くらいならいざ知らず、たかが2万ちょっとの台でエキサイトするとは世知辛い話だ。


さて今日はのっけからハプニングがあったが、いつも通りまずは選んだ台が終日打てるのかどうか見極めなければならない。

ヘソ幅はいつもの打てるレベルなのだが、前回打った時よりワープがマイナス調整なので、その分回転率がいくら落ちるかが問題だ。

今まではこの台を終日打って仕事量3万を切ったことは一度もなかったが、今日は間違いなく良くて2万円台といったところだろう。

以前はこの程度の台ならば歯牙にもかけなかったが、状況が厳しい今はこういう台でも打つようになったのだ。とりあえずは今日のデッドラインを1000円あたり22回転と決めて打ち始める。


最初の1000円で23回転。デキの良さは相変わらずのようで、ワープの玉抜けも心配したほどではなさそうだ。

この時点ではまだなんとも言えないが、少なくとも日当2万円は切らないだろうと思えた。


そして投資5000円、117回転目でレインボーエフェクトが出現し、これは残念ながら単発だったが今日も早い初当たりをゲット。

しかしこの出玉は144回転で消滅。当たる前に上皿に残っていた玉と保留玉を差し引くと140回転を切っていたので、予想通り今日は苦労しそうである。

その間A君はすでに4台目の台へ移動していた。やはりワープのマイナス調整のせいでなかなか打ち切れる台を探せないようだ。

この調子だと彼は早めにドロップアウトしそうに思えたので、それから後は彼の動向を注視しながら打っていた。


そして11時過ぎ、全部で10台くらい打ったA君は遂に牙狼を諦めたらしく、私の台の後ろを通ってシマを後にした。

なので彼に話しかけるチャンスだと思い、後を追おうとしたが、こんな時に限ってまたレインボーエフェクトが出現してしまった。これではいくらなんでも席を離れるわけにはいかない…。


その後、私はこの台を打ち切ってほぼ期待値通りの収支で終わったが、気分の晴れない1日だった。この日以降、彼にはまだ一度も会っていないが、今度会ったら必ず声をかけようと思っている。

もちろん喧嘩を売るつもりはないが、素直に話を聞いてもらえたら幸いである。



投資…24500円
回収…18333個
大当たり…26回



パチンコは日本ならではのものである

寿司・柔道・アニメなど、メイドインジャパンで世界的に流行っているものは数多いが、不思議なことにパチンコはそのような話をほとんど聞いたことがない。詳しくは分からないが、おそらくやる側が危険だと判断して二の足を踏んでいるのだろう。

よくよく考えてみると、世界中で日本人ほど真面目でおとなしい人種は他にないのではなかろうか。だからこそ色々な問題が発生してもパチンコが存続してこられたのだと思っている。ならばもうかれこれ半世紀を越えたことだし、もっと社会的に認知しても良いと思うのだが、いかがなものだろうか。