久し振りでテリトリーに戻ったが…
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※パチンコ必勝本DREAMS2010年1月号に掲載されたものを加筆・修正しています


今から5年以上前まではたびたび他県に遠征していた。どちらかというと田舎の中規模店に行くことが多かったが、それらの店のほとんどは地元の常連さんたちで占められており、地域の社交場のようだった。

そして常連客同士の権利付けが暗黙の了解で決まっており、例えば前日負けた人の台を他の人が朝イチから打つことは御法度である。


後に親しくなった常連の話によると、各自の打つ台は予め前日に話し合いで決まっていて、開店前の並び順に関係なく自分が打つと宣言した台を他の人が取ることはないとのことだった。

そして店へ入ると各自迷わず指定の台をキープしにいっていた。

ちなみに他に釘を開けた台があったとしても、常連たちが朝イチから打つことは滅多になく、私も初めのうちこそ開店の3分前に店へ来ていたが、前述のような状況を知ってからは開店時間ギリギリに行くようになり、常連が見向きもしない釘を開けた台を悠々とゲットしていたのだ。


今はそのような店もなくなってしまったが、当時はまめに探せば見つけることができた。今年はこの仕事を始めてから12年目になるが、今のところまだ一度も本格的な旅打ちには行っていない。

あとどれくらいこの仕事を続けられるか分からないが、今後も以前のように長期宿泊しながら旅打ちをすることはないだろう。それにしても昔は恵まれた良い時代だった。


10月下旬某日(晴)
最近は宮城県中北部の某地域に1週間ほど通っていたが、普段のテリトリーではないので知り合いがおらず、店にいる間は店内販売のお嬢さんに「ホットコーヒーブラック」が2~3回と、食堂で「ごちそうさま」、そして帰る時に景品力ウンターで「全部両替」くらいしか言葉を発することがなかった(笑)。

そして今日から久し振りでテリトリー内に復帰し、これから行くS店はその中でも好きな店の1つで、知り合いが多い店でもある。


8時前S店到着。すぐに入場抽選に並んだが、今日はメジャーなイベントの日なので100人近く並んでいる。すぐに抽選が始まり、私は47番目だった。

今日の一番の狙いは某機種のサービス台なのだが、まだ入って間もない人気機種ゆえ、これをゲットするのが困難なのはもちろんのこと、サービス台自体確保できるかどうか微妙な番号である。

いろいろ考えた結果、最近比較的人気薄の大海SPのシマへ真っ先に向かうことに決めた。


8時20分入場開始。列の前の人たちはさまざまな機種のシマへ散っていったが、私はまっすぐに大海SPのシマへ向かう。しかし順番が遅いせいか、各サービス台にはすでに台取り券が置いてあった。

やはりダメだったかと諦めたその時、最後のサービス台の空き台を発見。一見、台の前に立っている常連の女性が確保していたかに思えたが、台取り券は見当たらない。

ところがその女性は持っていた上着とバッグをイスに置こうとしていたので、「またかっ」と思わず心の中で叫んでしまった。


実は最近この店において、朝イチの台確保の際にこの手のことが起こる頻度が多くなり、しかもそれをやらかすのはだいたい常連なのだ。

他の店ならまだしも、この店は私のお気に入りの店なので、このようなことが常態化するのを憂えていた。


その女性とは今まで一度も話したことはなかったが、他の常連たちとのやり取りを見ている限りでは、気さくで優しく好感を持っていた1人だった。

なのでひと言「台取り券は?」と聞いたが、返ってきた言葉は期待していた「すみません」ではなく「私の台だっ!」というキツい口調の言葉だったのだ。

もし素直に自分の非を認めてくれたのなら、今回は彼女に台を譲ってもいいと思っていたが、日頃から好感を持っていただけにこのひと言には幻滅したと同時に怒りが込み上げてきた。


次の瞬間「うるせーっ」と叫び、台上の呼び出しランプを押し店員を呼んだ。

そして店員に彼女が台取り券で確保している台の他にもこの台を押さえようとしたことを説明し、今後こういうことがないよう厳重に注意する旨を申し入れた。


おそらく読者の皆さんも朝イチで似たようなケースに遭遇したことがあると思うが、たいていの人は台に私物が置いてあれば、例え台取り券が置いてなくても面倒を回避するためにその台をパスしてしまうのではなかろうか。

しかしこのようなことを放置しておくと今までの経験上、1人で何台も確保するような輩が必ず何人も出てくるのは必至である。

その結果、おとなしくルールを守っている人たちが割を食い、嫌気がさして店から離れていってしまう。

そして店内の雰囲気も悪くなり、店の営業面にとってもマイナスになってしまうのだ。


まあこの辺の事情は最近店側もよく心得ており、以前に比べればだいぶ監視の目も行き届くようになったが、それでも今日のようなことはたびたび起こる。

できることなら私も環境の良い所で気分良く打ちたいので、そういう意味でもよく通う店においては前述のようなことを絶対見逃す訳にはいかないのだ。


どう考えても私の方に分があるので、結局店員が注意する前に彼女はその場を立ち去ってしまった。初っぱなからケチがついてしまったが、サービス台をゲットできたので、まずは第一門をクリア。

あとは確保した台がデッドラインを上回ってくれれば決めた時間までひたすら打てばいいのだ。とりあえず気持ちを新たに打ち始めようとコーヒーを買いに行った。


しかしここで間が悪いというか、席に戻る途中見てはいけない物を見てしまった。今トラブった女性が他の常連客に、さも私が悪いように自分の正当性をまくし立てていたのだ。

しかも話しかけられていたのは私と時々挨拶を交わしている常連だったので余計に腹が立ち、思わず「ふざけんなコノヤローっ」とあられもない言葉を叫んでしまった。


その後も猛烈な剣幕で女性に罵詈雑言を浴びせたが、かなり大声だったせいか、他の常連客や店員が集まってきた。

さすがにこれはやりすぎたと気付いたので、店員や他の客に謝り、トラブった女性にも「今日のことはもう忘れてくれ」と言ってその場を立ち去った。


それにしても今日は目立ちすぎだ。これから先12時間以上も打ち続けなければいけないと思うとかなり苦痛である。

正直すぐにでもこの店を立ち去りたい気持ちになった。だが、せっかく苦労してゲットした台を打たずに放棄する訳にはいかないので覚悟を決めて打ち始める。


さてこの台、長らくこの店で大海SPを打っているが打つのは初めてである。一応私の携帯データフォルダを見たが、情報は何も記録されていない。

ということは特別デキが悪い訳でないが、たいした台でもない可能性が高かった。

打つ前に釘をくまなくチェックしたが、左側風車上の鎧が少しマイナス調整、他はほぼ無調整という感じだ。

もちろんサービス台なのでヘソは他の台よりもひと回り幅が広いが、いつものイベント時よりも少しショボい。


これまでの経験上、この台のデキが普通なら1000円あたり良くて21~22回転がいいところではないかと思ったが、ただ1ヶ所だけよく見ないと分からないが他の台と明らかに違う調整に気づいた。

これは店側が回転率をある程度把握しているのか、それとも試験的にやったのか定かではないが、意識してやったと考えてよいだろう。


8時半、この台のデキが良いことを願って打ち出したが、最初の1000円では23回転と不安なスタートを切った。

今日はこの店において打つ前からケチがついているので、どうせならもっと大幅に回転率が下回って、潔く退店したいというのが本音である。

ところが打ち込むほどに回転率は上昇し、1万円で264回転まで跳ね上がる。その後も回転率は落ちず、なんの憂いもなく終日打ち込める優秀台だということが分かった。


ただ今日も大当たりの女神はなかなか訪れず、11時30分過ぎに昨日と同じ2日連続で朝イチから現金で1000回オーバーのハマリを喰らってしまった。

しかし相変わらず回転率は落ちず、1000円あたり26回転前後をコンスタントにキープ。

やはりこれは例の謎の調整の影響なのだろう。現金投資でハマるのは不本意だが、理由はどうあれ、久し振りにこの店の海で1000円あたり25回転以上の台が打てることを感謝した。


そしてその直後の投資4万円、1040回転目にサンゴ礁リーチが+1コマでハズれたと思いきや止まらず、2R確変ではあるが大当たりをゲット。

その後は一度も持ち玉を切らすことはなかったが、初当たり、確変突入率ともに恵まれず、23時3分、18回目の大当たり(2R確変は含まず)から792回転目、残り1箱になったところで打ち終えることにした。

昨日同様、今日も期待値を大幅に下回る大敗だったが、救いは久し振りに3万5000円オーバーの仕事量をこなしたことだった。


それにしても今朝はどうかしていた。たかがパチンコであそこまで怒鳴らなくてもいいものを…。私自身も後味が悪いが、彼女はもっと気分を害しただろう(後日彼女には言いすぎたことを謝った)。

いくら心身ともに疲れ気味とはいえ、今後はもっと冷静に対処しようと反省しながら帰路についた。



投資…40000円
回収…1833個
初当たり…7/4542
大当たり…19回



昔と今ではパチンコに対する考え方が180度違う

この連載を始め、あっという間に10年が経ったが、その間パチンコに対する考え方はだいぶ変わった。当初は例えパチンコでも仕事として選んだ以上は命を賭すくらいの気持ちでなければいけないと思い、気合いを入れて必死で打っており、最初の3年間は年間3500時間くらい打ち込んでいた。

しかし何度か無理してぶっ倒れてからは、パチンコごときで倒れてたまるかと考えを改め、現在では稼働日数を大幅に減らし、体調に異変を感じたらどんな優秀台を打っていようが迷わずヤメてしまう。いくら稼いだとしても体を壊してしまっては元も子もないのだ。