怪我の功名?
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※パチンコ必勝本2009年12月号に掲載されたものを加筆・修正しています


先日、寝ていると枕元で携帯が鳴った。時間を見ると朝の9時。今日は休みで普通なら寝る前に電源を切っているのだが、どうもそのまま眠ってしまったらしい。

そのまま出ずに放っておこうとも思ったが、長い間鳴っていたので携帯の画面を見ると、「公衆電話」と表示してあった。

今どき公衆電話から電話がかかってくることは珍しく、これまでの経験上こういうケースは相手がなにか困っていることが多い。


ついこの前も身内から「バスに忘れ物をしたので取りに行って欲しい」という連絡が公衆電話からあったばかりなのだ。

恐らくまたそのようなことなのだろうと電話に出たが、相手は身内ではなく、しばらく連絡が途絶えていた元同業の友人S君だった。


実は8月のお盆過ぎにもS君から連絡があり、その時は派遣先の某県で財布・携帯・免許証などが入ったバッグをなくしてしまい、地元の交番に駆け込んで電話を借り、いの一番に私へ連絡してきたのだ。

本来なら真っ先に身内へ声をかけるのが筋だが、彼は久しく実家と音信不通であり、両親に余計な心配をかけたくないので、考えた末に私に助けを求めてきたらしい。

私は原則として、パチンコ関連の知り合いとは金の貸し借りはしないと決めており、普通ならキッパリ断っていただろう。

だがその時、自分にも過去に似たような出来事があったことを思い出した。


思い起こせば今から約20年前の派遣社員だった頃、出向先で会社が危ないと知らされ、そのあと給料は振り込まれず、その日の食事にも事欠くほど困った時があった。

当時はS君と同じように身内に助けを請うことができず、もう時効だから話すが、あまりの空腹から盗み食いをしてしまったことがある。追いつめられていたとはいえ、恥ずかしい限りで弁解の余地もない。

結局私が在籍していた会社は倒産してしまったのだが、その時に派遣先の会社の人から「よかったらうちで働きなさい。寮も用意するから」と言われ、当面の生活費も貸してもらったのだ。その時の感謝は決して忘れることはないだろう。


話を戻そう。S君は交番からタダで借りた電話だったので長話ができず、詳細は聞けなかったが非常に困っていることだけは十分察した。

彼が前述の私の時と同じような状況ならば、その苦しみは痛いほどよく分かる。そこで私は、ある程度の金額ならば送金することを決意したのだ。


ちなみにS君はパチプロ時代から他人に頼み事をするようなことはなく、かつ非常に優しい男だった。そんな彼なので放っておけず、いくら欲しいか聞くと、申し出た金額はわずか3万円。

とりあえず会社の寮で寝泊まりしているので、次の給料日までの食費さえあればなんとかなるらしい。


さてそのS君から久し振りにきた公衆電話からの内容は、やっと給料が出たので借りていたお金を返したいから振込先を教えて欲しいとのことだった。

そして「あの時は本当に困っていたので大変助かりました。この恩は忘れません」と礼を言われた。

私は金を返してもらったことよりも、彼が無事元気で働いていたことの方がずっと嬉しく、思わず涙ぐんでしまった。

私がS君に金を貸せたのは前述のような経験をしていたからであり、そう考えると若い頃の苦労が少しは役に立ったのではないかと思っている。


ただ最後に一つ断っておくが、他人に金を貸す場合、私は最悪戻ってこないかもしれないということを常に覚悟している。

だからこの人だったら悔いはないという人にしか絶対に貸さない。特にパチンコ店においてはなおさらである。


9月下旬某日(晴)
昨日のオフ、久し振りに仙台の夜の繁華街、国分町へ繰り出した。そこで学生時代からの気心の知れた友人とばったり会い、かなり盛り上がって朝方まで飲んでしまった。

そして朝6時過ぎ、目覚まし時計が鳴ったので飛び起きたが、時計を見てがっかり…1時間遅れの7時過ぎだった。うっかりセット時間を間違えたようだ。


実は今日、県北のB店で鉄板に近いイベントがあり、6時半過ぎに出発する予定だったが、これでは間に合わないので、予定を変更して近場(といっても自宅から10キロ以上あるが)のC店へ行くことにした。

それにしても最近、クオリティが高そうなイベントの日に限ってこういうチョンボをやらかしてしまう。


つい半月ほど前も某店の海の優良イベントで抽選時間を間違えて打つことができなかったが、あとで知り合いの同業に聞いたところ、イベント台は軒並み日当4万円くらいあったらしいのだ。

今日のB店のイベントもおそらく大魚なのだろうが、もう済んだことなので気持ちを切り換えてC店へと向かった。


7時50分、C店の駐車場到着。この店はパチンコ激戦地区にある中規模店なのだが、非常にがんばっており、いくら苦しかろうが決して近くの某店のような不可思議な現象が見られることはなく、私的には安心して打てる好感度の高い店である。

ただ、平常営業ではいかんせん釘が渋く、なかなか終日打てるレベルの台を作ってくれない。

仮に今時そのような台を頻繁に設置したのでは、私のような輩を大勢呼び寄せるだけであり、店としては儲からないから当然のことではあるが…。もし私がパチンコ店の経営者なら、やはりそうするだろう。

それでもこの店、以前より頻度は落ちたものの、時々は打てる台が出現する。今日は一応ダメ元だが、それを目当てにやってきたのだ。


駐車場を見渡すと、いつも通りというかやはり10台くらいしか車はなく、とても期待できそうな感じではなかった。

8時過ぎに入場抽選が始まり、私は約20人中14番。最近は打ち手のレベルが高くなり、客の人数とその日の台のクオリティが比例する傾向が強くなってきた。

よって100人以上並ぶB店ならほぼ鉄板で地中海の優秀台を取れただろうが、それに比べてこの店は20人ほどしかいないので、当然過度な期待はせず、ほとんど間違い探しのような感じで店へ入った。

もうこの時点ではその後に行く店のことを考えており、店内を流し見していた。


ところが見てビックリ。全機種ではないが4パチ、1パチコーナーともに所々にこの店にしては大きくへソを開けた台があったのだ。

これはラッキー、今日はどうやら近隣の店の大々的なイベントに対抗して大盤振舞をしてくれたらしい。

それらの台はさすがに日当4万円クラスのお宝台はないと思われるが、少なくとも2万円を切ることはないと見受けられたので嬉しい誤算である。

当然の如く、4パチコーナーの方を吟味したが、人の数よりもサービス台の方が多くて選び放題だったので、逆に台を決めるのに思いのほか時間がかかってしまった。


本当は時間効率の良い海系を取りたかったが、寄りとスルーの釘調整に不満があったのでパス。

その後も各サービス台を吟味したが、ほとんど調整の差がなく、結局押さえたのはその中でもスルー調整が一番マシなKODAKUMI2のSF-Tだった。

このシリーズは人気機種なので、テリトリー内ではほとんどの店に設置してあるが、これまでデキのいい台に当たったことがなく、終日打ったことはまだ一度もない。

しかし今日ほどへソが広い台は初めてであり、加えてC店の換金率に魅力を感じて選んだのだ。

この機種は同業の友人曰く、ステージからの入賞率に台ごとの差が結構あり、見た目と実際打ってのギャップが大きい場合があるとのことだった。


8時半、この台のデキがいいことを願って打ち始めた。最初の1000円で21回転。まだこの台のクオリティを決めつけるには早いが、ワープのマイナス調整の影響で、なかなかステージに玉が行かず、道釘からの通常ルートからの入りも良くなかった。

この感じだと終日打ち切れるかどうかは別として、おそらく日当3万円はないのではないかと落胆した。

でも元々打つ台がなくて当たり前だと考えていたので、仮に2万円クラスの台だとしても状況が厳しい現在においては有難いと思って打たなくてはいけないだろう。そう気を取り直して投資を続けた。


そして、予想通り回転数は伸びてくれず1000円あたり22回転前後で落ち着いていた。やはり日当2万円ちょいの台だと納得した投資4500円、92回転目でどこかで見覚えがある3・2・1・0という演出が発生。

これはすぐにSANKYO系列独特のカウントダウン予告だと分かり、固睡を飲んで見守る。

するとこれが見事に大当たり。単発だったが、時短中に確変を引き戻し、いきなり8連チャンして早くから楽な展開になった。


その後2回目の初当たりこそ870回転の中ハマリを喰らったが、それ以降は早い初当たりと連チャンで持ち玉が増えた。

そして21時32分、29回目(2R確変は除く)の大当たり後の時短を終了し、いつもより1時間ほど早かったが、私にしては最近珍しく頂点切りで仕事を終えることにした。


後日、最初に行く予定だったB店の様子を知り合いの同業に聞くと、なんと日当3万円どころが2万円の台もなかったらしい。

まさに怪我の功名ともいうべきツキのある一日だった。まあたまにはこんな日があってもいいだろう。



投資…4500円
回収…25105個
初当たり…6/2498
大当たり…31回



店内の健全性は最低限保ちたい

先日朝イチで台取り券を置いてフダが付いてあるサービス台を確保した直後のこと。まだ近くにも1台サービス台が残っていて、誰が取るのか見ていたら、男性がタバコを上皿に置いて、立ち去っていった。その直後に若い男性がやってきたが、私物があるので戸惑っていので私は「俺が言ってやるから台取り券を置け」と彼に言った。

その後タバコを置いた男性が戻ってきて自分の台だと主張したが、すぐに私は店員を呼んで事情を話してその男性を退散させた。ただでさえ風紀が乱れがちな店内なので最低限のことは守るべきである。