痛恨の立ち回り
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※パチンコ必勝本DREAMS2009年12月号に掲載されたものを加筆・修正しています


この世界へ飛び込んでから、あっという間に10年以上経ってしまったが、年を経るごとにますます状況が厳しくなってきている。

当初はまめに店回りをすれば日当3万円どころか5万円オーバーの台も結構な頻度で見つけることができたので、本気で年収8桁を目指して頑張った年もあった。

そのように恵まれた状況であれば他県へ遠征しても十分に経費をカバーできたし、実際、年に2~3ヵ月ほどは地元の宮城県を離れて打っていた。


今では考えられないことだが、3.3円の店にて1000円で100回転以上も回るオバケ台を見つけて1週間ほど打ち続けたこともある。

ちなみにその時は、ゴトではないが攻略打ちだったので、釘を温存するために大抵半日以内で切り上げていた。

それでも当時は大変な仕事だと思っていたのだが、今にして思えば、まるで天国のような時代だったのだ。


その後、世の中の景気の落ち込みと歩調を合わせるかのようにパチンコ店の方も大変になり、不況の時はパチンコ店が儲かるという神話が崩れてしまった。

その結果、前述のような甘い台は滅多に打てなくなったのはもちろんのこと、日々の立ち回りも大変になっていくことになる。


以前は日当3万円の台でも物足りなさを感じていたものだが、今は2万円以上あると確信できれば、たとえMAXタイプだろうが基本的に終日打つように心掛けている。

そうなると日々の収支は荒れまくりだが、長いスパンでの仕事量の結果を信じて黙々と稼働しているのだ。

たぶん他の多くの優秀な同業たちも、私と同じような感じで打っているのではないだろうか。


思い起こせば今から8年前、同じエリアで稼いでいた優秀な同業S君が、持ち玉にも関わらず日当2万5000円の台を放棄したことがある。

その時、私は彼になぜヤメるのかを問いただしたところ、

「僕は1日の期待値が2万円くらいの台なら、たとえ持ち玉であっても打たないことに決めています。まめに店を回れば3万円以上の台はあるし、実際打てますから。ただ、今後状況が厳しくなったら2万円台でも我慢して打つことを覚悟していますが…」

という答えが返ってきたものだ。


そして今、実際にそのような状況になってしまった。パチプロにとっては冬の時代到来である。

S君とは3年ほど会っていないが、まだパチプロをやっているとすれば、以前は頑なに拒んでいた日当2万円の台も我慢して打っているに違いない。それとも実家に帰って家業の農業を継いでいるのだろうか…。

状況が厳しくなった昨今、もし私の家が農家なら喜んで農業に勤しんでいると思うが、今後の身の振り方をいろいろ考えている今日この頃である。


9月中旬某日(雨)
この日は本業をオフにして蔵王方面で釣りと昆虫採集、キノコ狩りとアウトドアライフを楽しむつもりだった。

ところが早朝からあいにくの雨。急遽予定を変更し、今日仙台市郊外にグランドオープンするX店へ行ってみることにした。


実はこの系列の店は私のテリトリー内に数件あるのだが、ある事情があって5年以上前から打つのはおろか、店回りさえもためらっていた。

しかし最近になって劇的に状況が変わったことを知ったので興味津々になり、しかも並び順ではなく抽選入場ということだったので行くことを決めた。

12時開店で長時間並ぶのなら絶対に来ないが、昔と違って入場抽選のおかげで20~30分で自由になるので、以前よりは非常に楽になった。


さて抽選には100人くらいの人が集まっていたが、朝早いのと大々的に宣伝したわけではないので、予想よりだいぶ少ない人数だ。

しかしその顔ぶれを見て思わず笑ってしまった。その半分以上が同業と思しき連中だったのだ。

その中には何年も会っていなかった輩もおり、逆に「阿川さん、グランドオープンに来るなんて珍しいですね」などと言われてしまった(笑)。


抽選の結果、私の番号は78番。恐らく甘釘のサービス台は全部で100台くらいあるので、機種を選ばなければあぶれることはない。

できれば安定感のある羽根デジを打ちたいが、これは他の同業も同じことを考えているはずで、多分取れないだろう。

とりあえず集合時間まであと3時間くらいあるので車中で機種の勉強をしたり、データ整理や計算をして過ごした。


11時20分過ぎに入場。一応ダメ元で羽根デジの方へ行くと、予想通り先客が多かったが、運良くモンスターパーティに1台空きがあったので、急いで台取り券を置いた。

それから釘をザッと見たが、換金率の割にはヘソ、スルー、アタッカーとも、日頃よく打っている換金率3円前後の店でも試したくなるほどの良さ気な調整である。

さて、問題はワープだが、ガン閉めのA店と比べるとかなり良心的だが、若干マイナス方向に釘が振ってあったので、あとは実際に打ってみないと分からない。


その後、店内をくまなく見回したが、確率の分母数が大きい機種ほど調整が良く、もし10時間以上営業時間が確約されるなら、キン肉マンやガメラのMAXタイプを迷わず選んだだろう(この時点で閉店時間は告知なしで、20時か21時頃だろうと勝手に思い込んでいた)。

一応それらの機種はオープニング直前まで空き台があったので後ろ髪を引かれたが、迷った挙句モンスターパーティを打つことに決めた。


12時ちょうど、この台のデキが良いことを願って打ち始める。しかし2000円を打ち込んでの回転数は42と期待したほど回ってくれない。

その後も回転数は上がらず、5000円を使い切った時点でも108。この店は高換金なので現金投資で割を喰う心配はあまりないが、これでは計算上20時まで打って1万円くらいしか儲からない。

もし5年以上前なら迷わず撤退していただろうが、今は状況が違う。せっかく仕事に出てきた以上、昼過ぎからでも1万円以上の仕事量になるなら我慢して打たざるを得ないのだ。


とその時、何気なしに台の右側に貼ってあった小さい紙を見て驚いた。なんと今日の閉店時間が22時30分と書いてあった。

この系列の店は以前、足繁く通っていて、その際12時オープンの時は遅くても21時半には閉店しており、まして今日はグランドオープンでもあるので、早ければ20時頃には閉店してしまうだろうと自分で決めつけていたのだ。

いつもならこういうケースでは必ず前もって店員に閉店時間を確認するのだが、まったくもって初歩的なミスを犯してしまった。

しかしながら時すでに遅し、マックスタイプの機種に空き台はなくなっていた。


その後、投資8000円、165回転で5R確変が当たって5連チャンしたが、当たっては玉がノマれて再投資を繰り返すという展開に。

そして21時ちょっと前、トイレのついでにガメラのシマを通りかかったら、ちょうどヤメる人を発見したので、すかさず台をキープ。

ヤメた人はいかにも一般の好々爺といった感じに見受けられたが、表示器を見て驚いてしまった。大当たり後の回転数が67回だったのだ。

たしかこの機種の時短は77回転。これは明らかに2R確変か通常で当たってからの回転数だ。もし私のような輩が打っていたのなら潜確を取りこぼすはずはない。

ただ、今ヤメた人はどう見てもこの機種のシステムを知っているようには思えなかった。とすれば5割とはいかないまでも、そこそこは確変を期待できるはず。

もともと明日以降のことを考えての試し打ちのためのキープだったので、これは思わぬ拾い物だった。


とりあえず閉店まで2時間半しかないので、急いで打ち出したが、最初の1000円で27回転。やはり見た目通り羽根デジよりは2~3回転以上は上をいきそうだった。

もし最初からこの機種を打っていれば多分仕事量的には1万円くらい上乗せできたに違いない。返す返すも基本的な確認を怠ったことを悔やんだ。

せめてこの台が確変であることを願いつつ打ち続けたが、すぐに100回転を突破してしまった。ただこの機種、確変中といえども大当たり確率が1/40なので、100回転を超えても不思議ではない。


とその時、この台の投資2000円、108回転目でリーチがかかり、演出を見守ると下のアタッカーがパカパカと開いた。すかさず台の左下を見ると、2Rランプが点灯している。

念のため、携帯で7セグを確認すると間違いなく2R確変だった。打ち始めた時の状態が確変だったか通常だったかは分からないが、確変を引いたことは確かである。


そして直後の2回転目、今度は待望の16R確変を引いた。今日は初っぱな重大なミスを犯し、当たりにもあまり縁がなかったが、ここにきてやっとツキが巡ってきたのかもしれない。


もう時間も時間なので、たとえ大当たり2連チャンで終わってもそれで十分だと思った。

ところがパチンコは不思議なもので、こういうことを考えると逆に大当たりの女神に好かれる場合がある。

なんとこの確変が11連チャンし、確変状態のまま閉店を迎えてしまったのだ。


最後に大連チャンをしたのは嬉しかったが、高換金の店でのMAXタイプの確変取りこぼしは非常に痛い。その欠損額は優に1万5000円を超えてしまうだろう。

長いことパチンコを打っていると、ちょっとした慢心から時としてこういう展開になってしまうことがある。

明日からはまた気を引き締めて立ち回らねば、と反省しながら帰路についたのであった。


投資…2000円
回収…13261個
初当たり…1/43
大当たり…12回



潜確台はなくなった方がいいと思っている

潜確機種が多くなり、それに対応すべく携帯や判別表の持参が必須となった。仮にそれらを忘れてしまうと、ハイエナどころか自分の確変を取りこぼしてしまう可能性が出てくる。

そしてパチンコ店の従業員も大変になった。私のテリトリー内ではたいていの店で潜確のチェックを義務づけられており、もしラムクリアしてない台を上司に見つけられると怒られるらしい。ある店では朝から潜確台が噴こうものなら、シマ担当者が自腹を切らされるなどのペナルティがあるらしいのだ。そんなことならいっそのこと潜確台を禁止すればいいのではなかろうか。