今年2番目の大間違い
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※パチンコ必勝本2009年11月号に掲載されたものを加筆・修正しています


8月下旬から9月にかけて非常にショッキングな出来事があった。それは親しい同業が相次いで3人もパンクしてしまったのだ。

3人ともなかなかいい腕を持っており、私も一目置いていただけに、これには相当ショックを受けている。


ただよくよく原因を考えてみると、思い当たる節はあった。

それは3人とも天才肌で腕はいいのだが、どちらかというと宵越しの金を持たないタイプであり、勝った時の金を貯蓄などせずにあらかた遣っていたのだ。


多くの読者もご承知の通り、最近のパチンコは以前よりも波が荒く、短期間で仕事量の結果が出にくくなった。

例えば月50万円の仕事量をこなした場合、収支が6桁を割ってしまうときもあり、逆に7桁にもなってしまうことがあるのだ。

長年この仕事をやっていると、そういうことはよく理解しているが、大勝ちした翌月に散財してしまったり、仕事をサボったりする同業が少なからずいる。

ちなみにどちらかというと私もその気がある方だと自覚している。


それでもひと昔前までなら今よりは状況が良かったので、ある程度腕のたつ同業ならば尻に火が付いたとしても、その後必死に働けば帳尻を合わすことはできただろう。

しかし現在はその気になっても空回りになってしまう可能性が高くなってしまった。


話を戻そう。3人とも元々楽天的な性格で稼ぎもよかったのだが、金の遣い方も楽天的だった。

以前はよく仕事が終わった後、頻繁に飲みに行ったりして散財していたようだが、それでも彼らはパチプロとしては優秀だったのでケツを割るなどまったく他人事だった。

ところが今年の春からかつてないほどの大スランプに陥り、最近遂に軍資金が底をついてしまったのだ。


今思うと、状況が良かった時に散財をしないで少しでも貯金をしていれば現在の逆境を乗り越えられたはずなのだが、宵越しの金を持たないスタイルが仇となってしまったようだ。

ただ彼らは私よりずっと若いので、働き口も少しは選べるだろう。そして長い目で見れば、世の中のために殆ど役に立たないパチプロを続けるよりは遥かにいいはずだ。

とにかく一日も早く彼らにはまともな仕事に就いて欲しいと願っている。


9月上旬某日(曇)
先月の出だしは順調だったが中盤に大敗が続き、一時はマイナス収支を覚悟するほどのピンチだった。

しかし最後の1週間でホームラン2回を含む爆勝モードへ移行し、なんとか月のノルマを達成することができた。


それにしても最近は本当に厳しい。以前と違い、台のクオリティが下がっているのにも関わらず波の荒い台を打っているので、収支の荒れはますますひどくなってきた。

ただ最近危険な匂いがする店では一切打っていないので、ボロ負けしても仕事量を疑うようなことがなくなったのが唯一の救いである。


今朝もいつも通り6時に起きた。ただ今日行く予定の所は宮城県中央部の割と近場にあり、7時に自宅を出ても十分間に合う。

よって趣味の虫の世話をするべく自室にこもり、1時間ほど充実した時間を過ごした後、自宅から車で約25分のパチンコ激戦地区にあるA店へ向かった。


この店は比較的新しく、グランドオープン以来換金率を変更したことは一度もなく、ハード面、サービス面ともに充実していて、全国に誇れる模範的な店だと思っている。

私もこの店を気に入っており、できればずっと通いたいのが本音だ。

ただ店側も商売なので、毎日甘い調整ができる訳もなく、それに人気イベントの日などはかなりの人たちが押し寄せるので、数年前から比べるとだいぶ足が遠のいてしまった。

しかしテリトリー内にあるので、ことあるごとに日頃から店内のチェックは欠かさないでいた。その結果、時々思わぬ良い状況に出くわすことがあった。


実は昨夜も用事のついでに近くを通りかかったので店に立ち寄ってみると、海系のシマが全台一律に釘が開いていたのだ。

たぶんその内の何台かは使えるはずであり、時間が遅かったせいもあるかもしれないが、客付きもまばらだった。

それでもしやと思い、今日久し振りに朝イチからやってきた訳である。問題は釘が据え置きかどうかなのだが…。


8時15分過ぎに入店。期待しながら真っ先に地中海のシマへ直行したが、入口のカド台の釘を見てガッカリしてしまった。

昨夜より確実に1ミリほどへソが閉まっていたのだ。これは一律調整が基本のこの店において、地中海は使えないということを意味する。

念のためシマ全体をざっと見てみたが、やはり思った通りどの台も完璧にヘソ釘が叩かれていた。ということは大海SPも…!?

案の定、地中海同様に見事にヘソ幅が狭くなっていた。


次に昨夜のメールに書いてあったサービスコースの慶次~斬などのMAXタイプの機種も見て回ったが、通常時よりはいくらかへソを開けてあるものの、打てるレベルではなかった。

この後、もちろん店全体も見たのだが、使えそうな台は皆無であったため、約5分でA店を後にした。


次に向かったのはここから10分くらいのC店だが、その途中にA店同様お気に入りのB店があるので、ダメ元で立ち寄ってみた。

店に着いたのは8時半ちょっと前だったが、ここも8時半開店なので入場が始まっていた。しかし入場抽選に来た人はA店の半分以下と思われるので台選びは楽である。

といっても8割方打てる台がないと思っているので、ほとんど間違い探しだ。


ところが入ってみてビックリ。いつもながら寄りやアタッカー周辺の釘は渋いものの、機種によっては、ヘソ幅が以前この店が大盤振舞をしていた頃を彷彿させるような、ガバ開きのサービス調整台が所々にあったのだ。

さすがに海系やその他の人気機種の台には、先に入った人の台取り券が置いてあったが、まだその手の台は多数あったので、その中でもこれでもかというほどにヘソを開けた月影の1台をキープ。


この台、まだ打ったことはないが、同業の友人から聞いた話では大当たり1回分の出玉が1300個くらいしかなく、加えて確変中の確率も通常時の約1/9と悪いらしい。

かといってゲージが良い訳でもないので、MAXタイプの中でもかなりキツめとのことだった。

それでも時間あたり350回転くらい回せるなら救いはあるのだが、それもないとのこと。おそらくほとんどの同業がパスしたくなる台であろう。

もちろん私も同じ考えだが、いくらスペックが悪いといってもこれほどのへソ幅を見たのは今年初めてであり、ここはぜひ打ってみなければと思った。


8時35分打ち出し開始。最初の1000円でわずか11回転。たぶん強烈な下ムラを喰らっているのだろうが、もしも少しヘソが狭かったら間違いなくこの台を捨てていただろう。

その後徐々に回転率は上がってきたが、一向に私が決めたデッドライン1000円あたり26回転にはるかに届かない。


3000円を打ち込んだ時点で僅か66回転。依然として下ムラが解消されていないのだ。

これがスペックの優秀な京楽の仕事人IIIやおぼっちゃまくんあたりなら耐えられる数字なのだが、この状態が続くのであればヤメざるをえないと思い、次の1000円で90回転に届かないなら見切ろうと決意した。


その後少しベースアップしたが、それでも91回転とデッドラインにはほど遠い。

まあギリギリの台を打つのは近年日常茶飯事なので慣れてはいるが、今打っているのは平均投資額が3万円クラスの荒波の台であり、この先精神的に疲れる展開が予想された。

とりあえず、勝負を続行するか否かだけは早く決めなければいけないと思いながら、次の1000円札を投入した。

と次の瞬間「ピピピピピーン」というどこかで聞いたことがある効果音が聞こえてきた。

ちょっと考えたが、同じメーカーの牙狼と同じ音だと気付いた。この機種を打つのは今日が初めてであり、予備知識もほとんどなく、この演出が当たりかハズレかまったく分からないので固睡を飲んで見守る。


そして待つこと1分あまり、これが見事に大当たりとなった。回転表示器を見ると97。

この数字…思い起こせば9年前、初めて新潟へ遠征し、それいけ浜ちゃんで20万近く爆勝した時に初めて当たった時の回転数と同じだった。

普段は縁起を担がないが、この時はなぜか大勝ちを予想してしまった。まあ大抵こんなことを考えると途端に勝利の女神から嫌われるのがオチだが、この日は珍しくその後も調子良く当たり、初当たりで2R通常を引いたのはたった3回。

しかも分母数以上ハマったのは411回転の1回だけで、他の初当たりは245回転が1回、それ以外はすべて200回転未満だった。。


とにかくこの日は台上のランプがひっきりなしに光りまくり、終わってみればもう少しで2ランという今年最高の出玉だった。

私にとって一番重要な回転率は、やはり広いヘソ幅の恩恵で1000円あたり約27回転まで上がってくれたが、元々出玉が少ない上にスルーがイマイチで少し玉が減り、かなりストレスが溜まった。

とはいえ、12時間での期待値が2万5000円ほどあれば今どき御の字だろう。

勝って贅沢は言えないが、1日で7日分の仕事量の収支になるなんて、やはりこの稼業、尋常ではない。



投資…4500円
回収…65578個
初当たり…10/1688
大当たり…74回



凄腕の同業は虫採りも上手だった

4ヵ月前、このコラムにおいて蒼穹のファフナーで月400万円以上稼いだ凄腕の男を紹介したが、そのT君が実は私と同じく熱烈な鳴く虫マニアだったのだ。そこで私は彼の類稀な眼力と器用さを利用しようと、以前説明した幻の虫(僅か8ミリほどの金色のコオロギで見づらい上に非常に素早い)の採集に連れて行った。

そしたら思った通り彼はその素晴らしい能力を発揮し、目から50センチ以内の距離においては私の約1.5倍の精度でその虫をとらえたのだ。一芸に秀でている人は、やはり他の分野でも才能がある可能性が高いことを再確認した次第である。