思わぬ拾い物
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※パチンコ必勝本2009年6月号に掲載されたものを加筆・修正しています


今から10年以上前、現在のようにきっちりと割数管理をしていない店が多かったからなのか、日当3万円を超える台が1週間以上も据え置きされているということも珍しくなかった。

そしてそれを打つ人はだいたい常連かパチプロと決まっており、他の人は暗黙の了解というか、たとえ店へ早く入っても、「あの台は毎日○○さんが打ってるから」とか、「昨日あの人がハマったから」というような理由(通称「権利付け」)で、そのような台を取らなかった。というより取りづらかった。

仮にもしその不文律を知っていて破ろうものなら、文句を言われたり仲間はずれみたいな目に遭うなんてこともあったのだ。

ただ自分の打った台が優秀台であればあるほど「権利付け」をするために休みづらくなり、今では考えられないが、日当4万円近い台をひと月近く休まずに打ったこともあった。

おかげで収支はかなり上がったが、連続稼働の疲れで心身ともにガタガタになり、その台のクギがシマった時はやっと休めると思い、大喜びしたものである(笑)。

現在は入場抽選が当たり前になり、早い順番で入った人から好きな台を取れようになったので、「権利付け」の意味もなくなってしまった。今はこの言葉の意味を知らない人も多いのではなかろうか。



3月下旬某日(雨)
今年も例によって1月はツキに見放され、150時間以上打っても収支が6桁を割り込んでいる。しかも打っていたのは慶次や北斗のような波の荒い機種ではなく、時間効率が良く確率が収束しやすい海系だったので、そのショックも大きかった。

しかし2月はその反動なのか、逆に期待値を大幅に上回る収支で、1月の不調分を余裕でカバーできるほどの成績だった。そしてその好調さは3月に入っても続き、もう今月の収支のノルマを大幅に超えているので気楽である。


8時40分、自宅を出発。毎回このコラムを見ている読者の方は、随分遅い出発だと思われるだろう。実はここ1週間ほど、年に1回出るかどうかの技術介入によって、お祭り台に化ける某機種を追いかけている(オリンピックの体操に例えると、E難度の高いレベルの技術を習得しないとお祭りどころか10万以上の大敗も珍しくない機種)。

誰にでも打てるわけではないので台取りも簡単だから、開店後に重役出勤して打っていたのだ。

これから行くA店は今日で3日連続だが、昨日までの某機種の状態が据え置きなら、技術を駆使すれば今日も軽く仕事量5万円は堅いと踏んでいる。


9時10分過ぎA店到着。すぐ店へ入ったが、さすがにこの地域で人気のあるA店は、平日にも関わらずイベント機種の海は羽根デジも大海SPもすでに半分近くの席が埋まっていた。本来A店へこの時間に来たら大遅刻であり、海の甘釘台などは絶対に確保できるはずもなく、行くだけ無駄である。

しかし私は余裕しゃくしゃく、はなから海の甘釘台など眼中になく、今日もまだガラガラであろうと思われる不人気な某機種の方へと向かった。

昨日と同じ状態であってくれ、と願いながらシマへ辿り着いたのだが…そこには「青天の霹靂」とも言うべき光景があった。なんとこの店において、初めて見るシマ閉鎖となっていたのだ。

この機種が早くなくなるのはある程度予想していたとはいえ、あまりにも早い反応である。昨日、一昨日と私を含め、3人くらいが差玉2万発を超えてはいたが、シマ全体ではむしろ店側が儲かっているように感じていたので、余計に不思議に思った。

推測だが、この店は他にもチェーン店があり、そのうちのどこかの店で出過ぎてしまったか、またはネットなどの情報に過剰反応してそうなったかのいずれかだろう。


数年前、某社から似たような機種が出た時も同じような光景を目にしたが、やはり人間が作る物なので、時にはこんなことが起こってしまう。他の設置店も同様の状況になっているかもしれない。そう思うと、やるせなさと同時に少し腹が立ってきた。

実はこの機種、攻略法を習得するのにだいぶ苦労したのだ。最初はその難しさとツキのなさから2日間で16万も負けてしまい、その後やっと慣れて必死で負債を取り戻し、さあこれからというところだったのだ。

気を取り直し、ネットで他の設置店を探してみると、まだテリトリー内には10軒以上残っているようだったので、トイレを済ませた後、ここから割と近いS店へ移動することにした。


トイレに向かうため、キン肉マンのシマを通っていると、たまたま近くの1台が肉ギミックから肉をゲットしていた。ランプを見ると下の方に3個固まって点灯しているではないか。

この機種はヘソ入賞の確変潜伏パターンが結構あり、その中でも覚えやすいこのパターンは、はっきりと確変だと記憶していた。念のためトイレで携帯で調べてみたが、やはり間違いなく確変である。

そして10分ほど頑張り(笑)、店の外へ出ようとまたキン肉マンのシマを通ったら、今しがた潜確を確認した台が空席になっていた。

表示器を見ると113。先ほど見た時は70回転台であり、小当たりカウンターの表示もまだ38だった。その時は、打っていた人が小休止のために席を離れたものと思われたのだが、よく見ると台の皿やドル箱には何も置いていない。

ちょっと狐につままれたような感じだったが、当然の如く台をキープ。ひょっとして私の勘違いかなと思い、もう一度携帯を見直したが、やはり間違いなくそれは潜確だった。

今月はこれまでに2回も朝イチでこの機種の潜確を見つけたことがあったが、あいにく2回とも日当3万円オーバーの優秀台をキープした後だったので、後ろ髪を引かれる思いで断念していた(時給よりも1日の収支が多い方を優先させるのでこうなることが多い)。


打ってみると1000円で23回転。A店の換金率は自分が打っている店の中では割と高い方なので、この回転率が持続すれば1日の期待値は3万円近くある。もしそうなら、当初予定していた某機種には劣るものの、潜確を別にしても十分打つに値する台である。

そして打ち込んでも回転数は落ちず、4000円での回転数は96回転と予想以上に回っている。これはひょっとしてこのシマの中でもデキが良い優秀台に遭遇したのかもしれない。それは喜ばしいが、まだ当たらないのがちょっと気にかかる。

果たして本当に確変なのかまた少し不安になったが、投資5000円の111回転目にやっと電サポ状態に入り、ひと息ついた。


さて、もう一つ気になるのは玉の増減だが、高換金率の割にスルーの通りも良く、きっちり止め打ちをするとわずかながら玉も増え、追い金の心配はなさそうである。

その後、129回転でやっと大当たりを引いた。そしてここから大間違いが起こったのである。なんとこの後引き戻しを挟んで28連チャンし、一撃3万発近くも出てしまったのだ。さすがにその後、爆裂は止まってしまったが、回転率が落ちることもなく、17時過ぎには1日の目標収支であるプラス3万円以上を確定させてしまった。

ただ初回の爆裂以降、ダラダラとハマって、わずかながら持ち玉も減らしていたので退屈になり、いつもながら睡魔と戦いながら打っていた。


そして17時20分過ぎ、眠気を覚まそうとトイレに行こうとした時、右隣の男性が潜確を引いたのがたまたま目に入る。ところがトイレから戻ってきたら、呼び出しランプを点けてヤメようとしていたのだ。この男性もそこそこ当たっていたのでプラス収支ではあるが、確変取りこぼしは実にもったいない。

もしこれがこの仕事を始めた頃ならば、迷わずその男性に「まだ確変残ってますよ」と声をかけたに違いない。過去に少なくとも3回は見知らぬ人に確変を教えたことがあった。

しかし今は違う。金が絡むパチンコ店において、友達を作ろうなどという考えに無理があると悟ってからは、用がない限り、自分から見知らぬ人に声をかけるということはない。

まあ「知らぬが仏」ということわざもあるので、その男性には少し気の毒だがやり過ごした。そんなことを考えていたら、シマの端の方から小当たりカウンター狙いのヘビースモーカーの常連が急いでこちらへやって来るのが見えた。確変だったのは確認してないはずだが、この台を取りに来たのは明らかだ。

もし私の風上で、ひっきりなしにくわえ煙草をやられたらたまったものではない。時間も17時半になったし、1回分の確変の期待収支が優に1万円を超えると分かっている以上、移らない手はないので、すぐに車のキーを置いてキープ。飾り玉があったため、呼び出しランプを押して店員を呼び、台を移動した。


そして移動してわずか16回転で確変大当たりを引いたが、これは2連チャンで終了。本当はまた元の台に戻りたかったが、すでにヘビースモーカーの常連が打っていて断念。例え持ち玉があっても、1000円あたり20回を切るこの台を打ち続けるわけにはいかないので、いつもよりだいぶ早い店じまいとなった。

今日はとんだハプニングで本命の機種を打てなかったが、その代わり2台も潜確台をゲットすることができ、しかも期待値を大幅に上回る爆勝ちだった。

こんな勝ち方(素人さんから2回もハイエナしたこと)は、前の自分であればきっと自己嫌悪に陥っていただろうが、今は金儲けの手段だと割り切っているので罪悪感はない。しかしこの仕事、やはり一生を賭してやるべき物ではないことだけは確かである。

それにしても今月は勝ち過ぎだ。また来月以降、反動で地獄モードへ落ちなければいいのだが…。



投資…5000円
回収…36606個
初当たり…5回(1143回転)
大当たり…49回



最近のパチンコ台は不公平な機種が多い

今回の日記にも書いたが、先日キン肉マンで潜確台を2台も拾って大勝ちした。実はその時打っていた人は2人とも私よりずっと年配であり、70歳を優に超えた感じだった。

仮にこのような人に携帯で潜確の調べ方を教えたとしても、たぶん10人中9人までは理解できないだろう。しかし、年配の方々も私たちと同じように金を使っているわけである。

なので今後はそのような人たちが不利になるような複雑な機種は認可すべきではないと思うし、メーカー側はもっと真剣に打ち手の立場に立って開発して欲しい。ちなみに私のテリトリーで1番人気は潜確がないシンプルな大海SPである。