ラストスパート
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※パチンコ必勝本DREAMS2009年2月号に掲載されたものを加筆・修正しています


ある著名な経営者が「人はその気になれば大概のことができる」と言っていた。私はこの言葉に共感を持ち、この仕事を始めるにあたって「山奥に宿泊施設を建て、そこで自然環境観察員をして暮らしたい」という自分なりに目標を決めて頑張ってきた。

ところが最近、その将来の目標を断念せざるを得ない事態が発生してしまった(金銭的なことが原因ではない)。それがあってから2週間ほどはかなり落ち込んで自暴自棄になってしまい、仕事などほとんど手につかない状態だった。


しかし冷静に考えてみれば、私は若くはないけれども一応五体満足であり、まだローンが残っているにせよ住む家もあって、なんとか食い扶持も確保できている。現在の不況の中にあって、この年末に大量の人達が勤め先から解雇されて路頭に迷っているという報道をたびたび目にすしたが、それに比べれば私はまだずっと恵まれている。そう思い直して徐々にショックから立ち直り、いつもの仕事に戻っている今日この頃である。

今後どうなるかは予断を許さないが、とりあえず新たな目標が定まるまでモチベーションを切らさないよう頑張っていきたい。まあ一番手っ取り早いのは、パチンコを心から好きになれれば何も問題ないのだが…。



11月下旬某日(晴)
いつも通り6時過ぎに起床。といっても今日は2時間も寝てないので(久し振りに趣味で飼っているクワガタの世話に熱中していたら あっという間に朝方になってしまった)、これから仕事へ行かねばならないと思うと正直ちょっとツラいものがある。

しかし今は正念場、今年はこれまでで最低の収支ペースだというのに残りあと1ヵ月くらいしかなく、仕事にあてがあるならばサボるわけにはいかないのだ。

今日もし終日打てれば4日連続13時間以上の稼働になってしまうが、明日は午後から用事のため休みを取っているので、なんとしてでも出勤せねばならなかった。今朝はかなり寒かったが気合いを入れて布団から飛び出し、例によって虫部屋に行き、まだ元気で生きている秋の鳴く虫たちへ餌を与えてやった。

それにしても相変わらずこの部屋は暖かい。実はこの部屋の一角は真冬でも20度以上に保たれており、人の部屋よりも快適な温度なのだ。それで時々家族から「人よりも虫の方が優遇されているんだね」と皮肉を言われている(笑)。


6時40分、今日は7日ぶりに県南方向へと車を走らせた。7時20分過ぎ、本日の目的地A店に到着。今日はこの店で月に数回あるメインイベントの日であり、今までの実績から言っても5割以上は使えているので久し振りにやってきた次第である。

パチプロを始めた当時は年の半分以上がジグマ状態だったので楽だったが、今は打つ台を確保することすらかなり難しくなってきた。ジグマ時代は打つ台に困ることはあまりなく、仕事量よりもその日の勝ち負けに一喜一憂できた恵まれた時代だったのだ。ちなみに現在は私のテリトリー内において、鉄板で毎日打てる店は一軒もない。もし11年前に今のような状況だったなら、間違いなく他の仕事を選択していただろう。


ところで今日は予想外に人が少なく40人くらいしか来ていない。多い時は200人以上来ていたのと比べると猛烈な減りようだ。たまたま居合わせた同業のT君に聞いてみたところ、最近この店のメインイベントのクオリティーがかなり下がり、それに比例して朝イチに来る人数も減ったらしい。

それを聞き、たぶんダメだろうと思いながらもクジを引いたら、こんな時に限って一桁の良い番号だった。これが半年前ならほぼ鉄板で日当4~5万円くらいの台をキープできたのだが、今日は間違ってもそんな台はないだろうと予想した。


8時15分過ぎに入店。札台とかサービス台を丹念に見て回ったが、やはりT君の言っていた通り、サービス台でも「これは!」というような甘クギ調整の台は皆無だった。ならばこの店でまだ一度も弾いていない牙狼を打ってみようという気になった。

今日は前回見た時よりも明らかにシマ全体でヘソ幅が広いのである。そこへ店に詳しいT君が通りかかったので聞いてみると、確かにヘソは広いがそれでも1000円あたり20回転くらいがやっとということだった。この店は昨日打ったB店よりも換金率が高いとはいえ、確率の分母数が約400でボーダーちょい超えの台を打つのは私にとってギャンブル以外の何物でもない。元々ギャンブルは好きな性格だが、仕事量が最優先なので優秀な同業である彼の言葉を信じてパス。急いで他のサービス台を探し、まだ空き台だった仕事人桜の甘クギ台を確保した。


それにしても今日はショボイ。他のシマのサービス台もそうだが、約1ヵ月前に打った時の甘クギ台の時と比べて確実に1ミリほどヘソ幅が狭いのだ。これまでこの店で打った経験からして、よほどデキが良い台でない限り話にならない感じだった。こんなことなら近くのライバル店のC店へ行けば良かった、と思ってももう後の祭り。たとえC店の状況が良かったとしても、すでにハイレベルの同業たちが優秀台を押さえているはずだ。

この後、どの地域の店回りをしようか…などと考えながら、とりあえずダメ元で打ち始めた。ところが最初の1000円で28回転もまわったのだ。とにかく面白いように玉がヘソに吸い込まれていく。これは明らかに上ムラだと感じたが、デキの良い台である可能性は高い。この後確実に回転率は落ちるだろうが、ひょっとしたら今日の勝負ライン1000円あたり22回転を余裕でクリアしてくれるかもしれない。

1万円を打ち込んだ時点で予想通り229回転まで落ち込んだが、2万円でまた480回転とアップしてくれたので安心して現金投資を続けていた。


ところで今日は最近では珍しく投資がかさんでいる。実は今月は盆と正月が一緒に来たようなツキ具合で、昨日まで終日打ち切った日の成績は15勝3敗でホームラン(=6桁の大勝ち)3回。しかも5万円以上の大負けがまだ一度もなく、今年最高の天国モード状態が続いている。

特に直近は絶好調で投資額も極端に少なく、3日前は沖海で2500円、2日前は大海SPで1000円、昨日が暴れん坊将軍3で5500円とミドルスペックを3日間打ち切っての総投資額がたったの9000円なのだ(ちなみに収支は3日トータルで差玉8万発オーバー)。

とにかく何を打っても面白いように当たってくれてまったく負ける気がしない。こんなことは年に数回しかないだろう。だから今日のように初回から確率の分母数を超えるなどということは珍事である(笑)。ただそんなことは大当たりの女神に任せておけばよく、要はこの台の回転率が勝負ラインを超えている限り、決めた時間までデジタルを回さなければならないのだ。


話を戻そう。投資2万円での回転率が1000円あたり24回転と安心したのも束の間、次の5000円でわずか106回転…また失速してしまった。しかしそれでもトータルではまだ1000円あたり23回転を余裕で上回っており、今後いくらハマろうが終日打ち切ることを決意した。

その時、同じ仕事入桜を打っていたT君が声をかけてきた。話によると打ち始めてすぐ当たったのだが、2回分の出玉で230回転くらいしか回らず、撤退を決めたのだという。彼の台も見た目は私の台とほぼ同じような感じに見受けられたが、たぶん他のどの甘クギ台もT君の台と似たような回り方なのかもしれない。まだ当たってはいないものの回転率の不安がまったくなく、現金投資を続けられる私の台は特別デキが良いのであろう。

それにしても最近の私はヒキの強さもさることながら、やることなすことすべてうまくいっていて、今日などはまさにその典型だ。ほとんどの台が使えないと思われる中でハマっていられるということは、仕事ができているからこそ言えることで、むしろありがたいと感謝しなければいけない。


そう考えていた投資2万5500円、586回転目に本日初の夜背景になり、3連続真剣フラッシュ。と、ここで「キュインキュインキュイン」とけたたましい音が強烈に鳴り響き、ハンドルがこれ見よがしに激しく光っていた。

当然のごとく確変で当たりワンセットで終わったが、時短中の93回転目にまた月が出て、スベリ4回から頼み人に老人が出現し鉄SPに。これだけ強演出が重なることは滅多にないのでかなり激アツだ。しばし固睡を飲んで見守っていると、またしても確変で大当たり。そしてこれは2R確変2回を含む8連チャン、いきなりプラス収支になった。


その後も大ハマリを一度も喰らわず順調に持ち玉を増やし、最後は10連チャンして確変取りこぼしの心配をするほど当たりまくり、終わってみれば大当たり44回の大爆裂。昨日に引き続いて連続ホームランとなった。

今日こそは大敗を喫すると思っていたのにこの結果。まったくパチンコは先が読みにくい。今月は10万オーバーの負けを2回も喰らった1月と比べると実に対照的な月である。ただ今年の記録を見ると、まだこんなものでは確率が収束したとは言えない。現在やっとのことで時給2000円ラインに到達したばかりなのだ。

これから残りあと1ヵ月、この調子をずっと維持し続けて年間最低収支のピンチを回避したいと願っている。


投資…25500円
回収…44321個
初当たり(時短含)…11回(2838回転)
大当たり…44回



昔のパチンコ店にも良いところはあった

つい最近、隣の人がやっと確変で持ち玉になった直後、店員が来て「この確変が終わったら台を移動してください」と説明を始めた。よく見ると盤面左側のクギが一本折れていた。ただ、回転率や出玉への影響がほとんどない部分で遊技続行に支障がないように思える。

当然ながらストップをかけられたその人は不機嫌な顔をしていた。これが10年前なら、たぶんどの店でもすぐにクギを打ち直してくれただろう。

現在はパチンコ店内も進歩して快適になってきたが、この手のことに関してはもっと柔軟に対応して欲しい。余談だが、昔は新台の客付きが悪かったりすると営業中にヘソクギなどをアケてくれる店も結構あったのだ。