苦戦の日々
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苦戦の日々
※パチンコ必勝本DREAMS2008年10月号に掲載されたものを加筆・修正しています
職業上仕方のないことだが、1年を通してみると好調時と不調時のギャップが非常に大きく、しかもそれがひと月以上続くことも珍しくない。ちなみにこの仕事を始めてから好調時の一週間単位での記録では、一週間でプラス70万オーバー、逆に不調時においてはマイナス28万ということがあった(両方とも期待日当3万以上の台を終日打ち切っての成績である)。
長いことやっていてもこれだけのギャップはそうあるわけではないが、一日単位で見ると、実際に期待値通りの収支に収まることはほとんどなく、よって1日単位で仕事量と理論値が一致するなどとはハナから思っていない。しかし私も普通の人間であり、負けが込んでしまえば、長時間で確率が収束すると分かっていてもどうしても気持ちが萎えてしまう。しかも冒頭にも書いたように今回のスランプは長期に及び、しかもバ力ンスを予定していた時期が間近に迫っているので余計に苛立ちが募ってしまう。
ついていない時は何をやっても裏目に出るものだ。先日久し振りに入場抽選で一ケタの番号を引き、余裕で狙いの台を打つはずだった。ところがこの日に限っていつもの力ド台の他にもう一台、列の真ん中付近に同じ機種のサービス台があったのだ。
こういう場合、普段であれば迷わず手前の力ド台を選ぶのだが、この日は柄にもなく縁起を担ぎ、末尾7番の真ん中付近の台を選んでしまった。その結果、両隣に座る人のほとんどがヘビースモーカーで終日煙害に悩まされた上に(カド台ならば少なくとも2方向から煙がくることはない)7万円オーバーのボロ負け。片やカド台はどうだったかというと5万発オーバーの爆裂。最近はこんな感じで腹立たしくなるほどの不運と確率の偏りを喰らっている。
本当はこんな時こそパチンコから離れリフレッシュするべきなのかもしれないが、ノルマを達成できていない以上休むわけにはいかない。でもとりあえずバ力ンスをキャンセルしたので、その部分に関しては気楽になった。とにかくこの稼業を続ける以上、これまで通り仕事量を確保できる台を見つけて打ち込む以外に選択肢はないのだ。
7月下旬某日(小雨)
8月も間近になり、私の地元・陸奥仙台はいよいよ夏本番を迎え、全国的に有名な七夕祭りも間もなく始まって一年で最も多く観光客が集まってくる。例年ならこの時期、人の多い地元を離れて長期休暇をとるのだが、今夏は前述したように尻に火がついた状態でそれどころではなく、バカンスを諦めて連日真面目に仕事をしている。
6時過ぎ、いつも通りトイレと洗面を済ませ、虫部屋でクワガタと鳴く虫達に餌をやってからリビングルームで「ギーッチョン」というキリギリスの声を聞きながらの朝食(この虫だけは虫嫌いの家族から唯一リビングで飼っていいと許可をもらっている)。ほんの少しの時間だが、最近の貧乏暇なしの私にとって唯一趣味で癒される時間である。
余談だが、ここひと月ほど休み以外の日は夜11時過ぎに帰宅し、入浴後にコップ一杯の日本酒と少量のつまみだけを口に入れ、それ以外は果物とお茶以外とらないようにしている。始めた頃は食欲を抑えるのが大変だったが、慣れてくると苦痛ではなくなった。そして翌朝は前日いくら遅く寝ても必ず6時過ぎに起きて食事をとっている。おかげで胃もたれすることがなくなって体調が良くなり、いくらか腹も引っ込んできて良いことづくめである。
が、パチンコの不調は相変わらず継続中で、3日前に久し振りの4万発オーバーでひと息ついたと思いきや、また連敗を喫してしまった。ということで今日も休むわけにはいかず、仕事へ出かける由。気分転換を兼ねて久し振りに仙台市郊外のA店へ向かった。
いつも思うのだが、平日の朝の仙台市内に向かう道路の渋滞は相当なものである。しかし私の場合は家が仙台市の街中にあり、行き先の多くは郊外なので、大渋滞に巻き込まれることは滅多にない。今日も市内中心部に向かって渋滞している車を尻目にスイスイと仕事先へと向かうと、わずか30分ほどで目的地に着いてしまった。A店に朝イチで来たのは約1ヶ月振りだが、本日はこの店において人気のあるイベント日でもあり、入場抽選には50名以上の人が集まっていた。そして抽選の結果は34番目だったが、今日の狙い機種であるイベントコーナーの仕事人IIIは取れそうだ。
8時15分過ぎに入店。私の前の人達は導入間もない大海スペシャルやパチスロの方へ分散して行ったので、目当ての仕事人IIIは余裕で台を選ぶことができた。といってもほぼ一律にヘソを若干アケただけの調整である。しかも通い慣れた店ではないので、台ごとの良し悪しなど分からない。よって詳細なクギ読みはせずカド台に座ろうとしたが、すべての力ド台に確保券は置かれていた。なので、適当に真ん中付近の台を打つことにした。
8時半打ち出し開始。この機種は最近桜バージョンに席巻されているが、スペック的には時間効率も含めて明らかにこちらの方が上であり、ここ数年の間に登場した機種の中ではトップクラスの秀作だと思っている。打ち出してみると、風車付近のクギがノーマルのせいかこぼれ玉が少なく、ワープもマイナス調整の割には玉がよく抜け、デジタルもよく回った。なんと5000円で151回転。でもこれは明らかに上ムラで、徐々に回転数は落ち、ちょうど1万円分を打ち込んだところでデータ表示器を見たら235だった。
やはりお宝台レベルではなかったが、それでもこの回転率をキープできれば換金率と稼働時間から計算すると、アバウトではあるが日当3万円をクリアできることが分かった。今年この店では期待値3万以上の台を打ったことは一度もなく、良くて2万5000円くらいの台があれば御の字だと思っていたので、これは嬉しい誤算だった。
しかしその後は自分の思い通りにはいかず、昨日に引き続きあっさりと確率の分母数を過ぎてしまった。10時10分過ぎ、投資2万2000円、511回転でこの日2回目の夜背景変化で秀SPへ発展。海の魚群に匹敵するアツい演出だが、先程は同じ夜背景変化でこれより信頼度が高い鉄SPを八ズしている。多分これも八ズれるだろうな…と見ていると案の定ハズレ。
ところが数秒後、画面が派手に光りX斬りが炸裂し、見事復活大当たりとなった。しかし図柄は四で昇格もなく、昨日打った桜バージョンと似た展開になってきた。ちなみに昨日も500回転を超えたところで単発を引き、その後初当たり、確変突入率共にハマり、マイナス3万4500円となった。ただ今日は1回転ほどベースが高く、換金率も少し高い。しかも桜バージョンよりスペックが上の旧バージョンでもあり、この時点で終日この台を打ち切る決心をした。
10時40分、1回目の大当たり後の183回転目、城下町から長屋へ画面が切り替わり、何気なく見ていたら画面左上を大きなツバメがナナメに横切った。これまで仕事人において数多くのプレミアを見てきたが、通常時で見るのは初めてだ。これは驚いたと同時に確変確定なので非常に嬉しい演出だった。
この確変は3連で終わったが、時短終了後間もなくの175回転で単発を引いた。さすがにこの後は当たりが遠くなるだろうと思われたが、予想外のことが起こる。時短に入って4回転目、この日初の刺客モードに突入し、固唾をのんで見守っていると擬似2連目で「キュインキュインキュイン」という音と共に八ンドルが派手に光ったのだ。
そしてこの確変は余計な2Rを一度も引かず、今度は6連チャン。これは明らかに昨日とは展開が違う。この調子だと日当3万どころかホームランも望めるような勢いだ。もうこの時点で爆勝ちをイメージしてしまった。ところがパチンコは人の意思などまったく通じない。その後は大八マリこそないものの、なかなか確変が引けず、じわりじわりと持ち玉を減らしていった。
21時52分、データ表示器を見ると618回転、本日2度目の2倍八マリのラインを超えた。ここまで初当たりは10回引いているのだが、昼頃の6連以降この時間までたったの2回しか確変図柄で当たっていないのだ。今日打ってる台は最近では上の部類に入るが、13時間以上打った場合、少なくとも10回以上は確変図柄を引けないと、よほどのオバケ台でない限り勝てないと思っている(ここまで確変図柄は計8回)。
一時はホームランを予感させる勢いだったのに、閉店1時間半前で持ち玉は1万発を切ってしまった。私の決めた打ち込み終了時間までもう30分しかないので、負けないにしても期待値以上の勝ちはほぼ絶望的となった。
そして22時28分、最後の打ち込みとなる玉を上皿にあげた785回転目、この日初めて最強の頼み人のお爺さんが出現。豪剣フラッシュから主水SPへ発展し、久し振りに大当たりとなった。当たり図柄は一だったが、最後の確変大当たりから2Rを除いて5回連続で単発を引いており、今度こそ確変に昇格するものと思っていた。
しかし無情にも昇格はなく、7セグを見ても明らかに通常図柄のものだった。結局今日も収支が期待値を下回ってしまったが、わずかながらもプラス収支で終わることができた。仕事量もきっちりこなしているので、これまでの経験に照らし合わせてみても、そのうち必ず苦労が報われると信じている。
それにしても6日連続での13時間稼働はさすがに疲れた。明日は久し振りに休んでリフレッシュし、また気持ちを新たに頑張ろうと思いながら帰路についた。
投資…22000円
回収…8031個
初当たり(時短含)…11/3806
大当たり…21回(16R確変8回、2R確変2回、16R通常11回)
阿川の虫コラム
普段は寝室に入るとすぐに眠るのだが、最近枕元で密かに楽しんでいることがある。それは「キンヒバリ」という体長1センチにも満たない黄金色をした小さいコオロギの鳴き声を聞くこと。その声は「リーリーリー」とシンプルで控えめなのだが、聞くほどに引き込まれる不思議な魅力を持った虫なのだ。
実は近年、この虫の鳴き声が人間の耳に最も心地よく聞こえる周波数だということが分かったらしい。この他にも謎だらけの虫なのだが、今春西日本へ旅行した時に偶然多産地を見つけたので(残念ながら東北地方にはいない)、早かったら10月にでも採集へ行こうと思っている。
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