仕事以外で忘れられない日になった
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仕事以外で忘れられない日になった
※パチンコ必勝本DREAMS2008年9月号に掲載されたものを加筆・修正しています
◯年前(年齢がバレるので詳細は触れない)、私は仙台の学校を卒業して東京の会社へ就職した。その入社式当日、無事大勢の前で標準語で挨拶を終えたのだが、次に登場した同郷のA君が緊張のあまり「ワタシハ」と始まるはずが、「ワダスハ」と言ってしまい、次の瞬間会場は大爆笑に包まれた。
これでA君の緊張がほぐれたかな、と思いきや、顔を真っ赤にして今にも泣き出しそうな感じで、次の言葉が出るまでしばらくかかってしまった。それでもやっとのことで自己紹介を済ませたが、彼にとっては散々な入社式となってしまった。
後で聞いたところ、A君は前夜、東北訛りは恥ずかしいので絶対に出すまいと思い、何度も標準語で練習をしていたのだという。それが本番であがってしまい、思わずズーズー弁が出てしまったというのだ。今の若い人達には理解し難い話かもしれないが、以前は東北人が上京する際には言葉の問題で大変な苦労をしたものである。
最近はパチンコ店においても若者達からズーズー弁がほとんど聞かれなくなってしまった。言葉に対する劣等感がなくなったのはいいことだが、根っからの東北人の私としてはちょっと寂しい気もする。なのでたまに私より若い人が東北弁で話しているのを聞くと妙に親しみを感じてしまう。ちなみに我が家は5人家族だが、家内が関西人ということもあり、仙台弁を使っているのは私一人だけだ。
7月初旬某日(晴時々曇)
6月はツキに見放されながらも、それを稼働時間で補い(今年初めて200時間以上打ち込んだ)、収支的にはなんとか自分のノルマを達成できた。しかしツキのなさは月をまたいでからも継続中で、7月の稼働初日と2日目に沖海で合計8万円のプラスで幸先良いスタートが切れたと喜んだのも束の間、3日目の一昨日、花の慶次で9万2000円の大敗を喫してしまった。
それもあってさすがに昨日は5日連続稼働の疲れがどっと出て休んでしまい(ここのところ遠方に通っており、朝6時半出発、23時過ぎ帰宅という生活だった)、午後から気分転換で久し振りに仙台市中心部で買い物や食事を楽しんでいた。
その時思わぬ人物から声をかけられた。それは高校時代、暇さえあれば一緒に昆虫採集で野山を駆け回った虫友のK君だった。彼は蝶の収集に熱心だったが(当時私はカミキリムシやコガネムシ等の甲虫類の標本集めに熱中していた)、今でも時々蝶を追いかけてフィールドを駆け回っているとのことだった。
彼の実家は県北の自然環境が抜群に良い所にあり、学生時代、夏休みになると私は長期間泊めてもらい、楽しい日々を過ごさせてもらっていたのだ。その後お互い宮城県を離れてから音信が途絶えてしまったが、実に久しぶりの嬉しい再会となった。聞けばその後、大学時代を過ごした東京で就職し、転勤で主に西日本方面で長らく暮らしていたらしい。しかし4年前、家業の食料品店を継ぐために会社を辞め、郷里に戻ってきたということだった。
当初は畑違いで慣れないせいもあり相当苦労したらしいが、最近は大変ながらもやっと仕事に慣れたと言っていた。私も心を許している友なので、他人には滅多に明かさない自分の職業のことを話したが、さすがに彼は驚いていた。
そして別れ際、「明後日は休みだがら、明日仕事終わったら遅くてもいいがら泊りさこい。ゼフ(ゼフィルスの略。ラテン語で"美しい"という意味の小さなシジミチョウの仲間。主に梅雨時期が旬で羽根が宝石のように美しく輝いている)見っさ行ぐべ」とありがたい誘いを受けた。
それにしても彼の訛りは凄い。かなり長い間標準語を使っていたはずなのに、地元に帰って4年で私も顔負けの強烈なズーズー弁の使い手になっていた(笑)。
というわけで今日は、最近仕事では滅多に行かないK君のお膝元、県北のC店へ向かうべく6時過ぎに車で家を出た。こんなに早い出勤は5年以上記憶になく、さすがに起きるのはつらかったが、出発した途端もう心はウキウキである。もちろん仕事のせいではなく、明日K君と一緒に行くゼフィルスの森へ下見に行くことに対してのものではあるのだが。その近くにC店があるので、もし打てる台があれば仕事という考えなのである。
7時過ぎ、ゆっくり来たのだが、早朝の田舎のせいか道路が空いていて予定よりだいぶ早く店へ着いてしまった。入場抽選まで30分ほど時間があったのでほとんど車はなかったが、抽選が始まる8時5分前には平日にもかかわらず50人以上の人達が集まっていた。
8時過ぎに抽選が始まり、私は32番だった。8時15分過ぎ入場。今日は冬ソナ2と仕事人IIIがイベントコースになっているが、メインイベントの日ではないのであまり期待できそうにはない。そこで狙いを潜確台に定め、それらの可能性が高い機種から見ることにした。
すると明らかに同じ狙いらしき若者2人を発見。結局潜確は1台もなかったが、情報網の発達によりそれを調べることはどこでもできるので、いくら田舎町といえどもそれらを利用する人はちゃんといるのだなということを実感した。
その後すぐに冬ソナと仕事人を見に行ったが、両機種ともほぼ一律調整。ただ私が通っている店の同機種イベントと比べ若干ヘソが広く、風車から上も変にいじられておらず、台のデキが良ければひょっとすると日当3万円クラスの台があるかもしれないと思えた。お宝調整とまでは言えないが、少なくとも打たないで退散するわけには行かなくなり、私なりの基準で台を選び、仕事人IIIの1台に確保券を置く。
仕事人IIIと言えば、つい最近桜バージョンで1000円あたり25回転オーバーの優秀台を打ったが、その台より若干ヘソ幅が狭く、他はほぼ似たような調整に見受けられた。もし1000円あたり22回転くらいあったら儲け物かなという感じである。
ところが打ち始めてびっくり、最初の1000円で34回転も回ってしまったのだ。これは明らかに回りムラがプラス方向に出たものだと思ったが、驚いたことに3000円、4000円と投資を重ねてもほとんど回転率は変わらず、5000円分を打ち切った時点で139回転と一度回転数が落ちたが、6000円でまた1000円あたり30回転オーバーへ復帰した。
これまでの経験からいずれ回転率が落ちるのは明白で、問題はどの辺で止まるか。そう考えていたら画面で予期せぬことが起こっていた。何とおとつが主水の隣で元気なくしゃがみ込んでいたのだ。
回転数は235回転、投資額は8000円、打ち始めてから40分も経っておらず、スピードは海並み。この後、確実に回りは落ちるだろうが、デキの良い優秀台であることは間違いなさそうだ。これで今日のゼフィルスの森行きは断念し、早々とK君に遅く訪問する旨をメールした。
これで悩むことなく打ち込める。上ムラであろうが、一昨日の慶次の負けを取り戻すべく久し振りに気合いが入った。しかし突確に入ってわずか2回転であっけなく通常図柄を引き確変終了。
そして10時2分、1600個近くあった持ち玉が259回転で底をつく。回転率は落ちたが、それでも250個あたり24.5回以上回っており、この店の換金率から計算して12時間打ち込めば余裕で日当3万円はいける優秀台には違いなかった。
再投資となり、期待を持たせる強演出はそこそこ出現するもののハズレが続き、次の当たりを引いたのは12時53分、3倍以上ハマった1106回転目だった。だが嬉しいことに回転率は25回転付近をキープし、予想以上の優秀台だということが改めて分かった。これでまた気合いが入り、小用以外で席を外さずに打ち続けることを決心した。
その後223回転で初めて確変を引き、3連チャンでひと息ついたと思いきや、15時33分597回転でこの日2回目の持ち玉消滅。そして再々投資1000円で確変。65回転、単発で終わったかに思えたが、時短17回転目で単発を引き戻し、さらにまた時短中69回転目で待望のP-フラッシュがきた。結局この確変は2R確変を除いて6連チャンし、ようやく勝ちを確信した。
大ハマリこそないものの、なかなか確変が引けず、22時1分、最後の当たりから390回転で打ち終えた。今日は仕事量的には今月に入って最高の台だったが、確変大当たりが少なかったのと、現金投資比率が大きかったのが苦戦の原因だった。
それにしても今日打った台は凄かった。他の仕事人の台と同じような釘調整なのに、1000円あたりの回転数で4~5回は上をいっていただろう。長いこと打っているとたまにすこぶるデキの良い台と出くわすことがあるが、最近は店がしっかり調整してくるので、翌日以降釘が残ることは皆無と言っていい。仮にこの台が据え置きになったとしても、明日はK君と山へ行ってしまうので、一期一会だったのかもしれない。優秀台を打たせてもらったことに感謝してC店をあとにした。
その後すぐにK君の家へ向かったが、途中自動販売機の灯りの前で70ミリを超えるミヤマクワガタの超大物をゲット。これはツキ指数で言うと、パチンコに置き換えれば6万発オーバーの勝ちに匹敵する。仮にひと夏毎日採集したとしても、これだけ大きなのは1~2匹がやっとなのだ。
今日は仕事ではツキがなかったが、久し振りに親友の家へ泊まる記念すべき日に、金には代えられない宝物をゲットできたのは大きな収獲だった。このクワガタ(まだK君の家で元気に生きている)は、のちに思い出深い標本になるだろう。
余談だが、この日K君とは明け方近くまで飲み明かし、ほとんど寝ずに山へ行った。午前中は二日酔いで頭痛がひどく大変だったが、高校時代以来の彼との蝶の採集は実に楽しかった。
投資…43500円
回収…15685個
初当たり(時短含む)…9回(3869回転)
大当たり…28回
まだまだ改善の余地はある
台間にエアーカーテンのような送風装置を取り付けている店がある。今まではその店であまり打つ機会がなかったが、先日試し打ちで確変を引き、1時間ほど打つことに。
その時、隣の人がくわえ煙草を始め、煙がくると思いきや、台間にある送風口からの風で遮断。その後も煙草を吸われたが、ほとんど煙はこなかった。おかげで確変が終わるまで気分良く打てた。
台周辺の環境は光る、うるさい、煙いと三重苦が当たり前だと思っていたが、その日少なくとも「煙い」については画期的な解消法に救われた。今後とも快適な空間作りに積極的に取り組んでいって欲しいものである。
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