やっと私の冬も終わった
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やっと私の冬も終わった
※パチンコ必勝本2008年5月号に掲載されたものを加筆・修正しています
3月下旬某日(雪)
昨夜趣味の虫の世話をしていて寝るのが遅かったのと、今日行く店が近場だったこともあり、いつもより遅い7時半の起床となったが、部屋のカーテンを開けて驚いた。なんと雪が降っており、ベランダには5センチ近く雪が積もっている。間の悪いことに昨夜愛車のタイヤを冬用からレギュラーに履き替えたばかりである。
すでに月のノルマは達成しているので無理をおしてまで打ちに行く必要はないのだが、明日以降しばらく地元を離れるので、できれば今日は打っておきたいのだ。幸いにも外の気温は高いようで、道路にそれほど雪が積もっていないことを確認した上、7時50分に家を出た。
8時過ぎB店到着、今日はこの店において比較的信頼度の高いイベントなのだが、雪のせいか思いのほか人は少なく、集まったのはたったの10人で拍子抜けしてしまった。その後すぐ入場抽選が始まり、5番目のクジを引いた。今日はコレといった狙い台はないので、私にとってほとんどこの抽選は無意味なものである。
8時45分入場開始。もしもということを考え、一応人気機種から見て回ったが案の定大したことはなく、どれも食指が動くほどのものではなかった。ただ新台で入って間もない春のワルツがサービスコーナーになっており、全体的にわずかながらヘソをアケた印象だったので、ちょっと気になっていた1台を打ってみることにした。
と、隣を見たら3番の台取り券が置いてある。それはすぐに常連の女性のものだとわかったが、実は一昨日の夜もB店を見に来た時、この女性は同じ台を打っていた。彼女が取った台は私も新装2日目に打ったことがあるが、その時は打ち切れるかどうか微妙な台で、その後またマイナス調整されたので、少なくとも私が打てる台ではないことは確信できた。
データを見ると過去2日間で2R確変を含め28回しか当たっておらず、もしこの女性がずっと打っていて総回転数が6000を超えているとすれば、かなりのボロ負けであろう。
昔と違い、最近は他人のことをあまり気にしないのだが、この女性の立ち回りが昔の私のボロ負け時代によく似ていたので、この店に来るたび気になって仕方がなかった。私もパチンコの知識がほとんどなかった頃は、回転率とはまったく関係なく、とにかく座った台に閉店間際まで金を使っていたものだ。
しかし今はそんなことよりも自分の心配をしなければいけない。いつもより多少ヘソ幅が広いとはいえ、若干寄りクギがマイナス調整されているので、見た感じはそれほど期待できそうなものではない。
9時打ち出し開始。ステージからの入賞率が高く、かなりデキは良さそうだ。と言っても3000円使って69回転なので、今日のデッドライン1000円あたり22回転をほんの少し上回っている程度である。しかも隣では気になる女性が終日打つはずなので、できることならドロップアウトの方が精神衛生上良さそうだ。よって5000円使った時点でデッドラインを1回転でも下回ったら即ヤメすることに決めた。
それにしても隣の女性の台は回らない。たまたま下ムラなのかもしれないが、私と同じ3000円を打ち切った時点での回転数はわずか44回転。もし終日この程度の台を打ち続けようものなら、打ち込むほどマイナスになるのは明らかである。
と、珍しく他人のことを気にしながら打っていたら、隣の女性が2R確変を当てた。最近は他人が勝とうが負けようがほとんど無関心なのだが、自分が当たったわけでもないのになぜか嬉しくなってしまい、心の中で心からの拍手をおくっていた。残念ながら大当たりは2回しか引けなかったが、これで当分は安心だろう。
私の方は5000円を使った時点でなんとかデッドラインをクリアしたものの、7000円目からまた失速し、9000円を使って192回転だったのであと1000円で220回転に届かなかったらヤメようと決めた。
ところが最後の投資になると思われた1万円ちょうど、一発告知の音が鳴る。まだ50個ほど玉が上皿に残っているが、ここまでの回転数は保留玉を足しても209回転しかなく、確変確定ではあるが正直あまり嬉しい当たりではなかった。
それにしても今月は当たりが早い。特にこの3日間は絶好調で、いずれも確率の分母が300を超える台を打っているにも関わらず、3日トータルで7500円しか使っていない。
と、この時、隣の女性が私を見つめ、にっこりとうなずいてくれた。これまで私はこの店で何度も彼女を見掛け、彼女の方もまた私を知っているはずである。まして私は彼女に対して好印象を持っており、本当は笑顔で挨拶を返して話し掛けたかった。しかし私はあえてそれを無視した。多分彼女は私を嫌なヤツだと思ったに違いないし、今後話し掛けてくることもないだろう。でもこれで良いのだ。もしここで話し掛けてしまったら面倒なしがらみが発生し、下手をすると彼女に対して情が移ってしまいかねない。
自慢できることではないが、この仕事を始めてから数回、負け組の人を指導したことがあるのだが、何回か店内で号泣されたことがある。自分のことだけでも大変なのに、まして他人に勝たせようと思ったらもっと大変なのだ。ちょっと後ろ髪を引かれたが、これで余計な心配をせず仕事に集中できる。そして私の方も1セットの出玉を獲得し、しばらく持ち玉で様子を見ることにした。
11時2分、最近の私には珍しく朝イチの出玉を切らしてしまった。しかし当初の懸念とは裏腹にデジタルはよく回り、回転数は411。ここのところの回りは上ムラだろうが、もしかしたらこの台はかなりデキが良いのかもしれない。いずれにせよこれでリタイアの心配はなくなり、安心して現金投資を続けられる。
この間、隣の女性も2回分の出玉がなくなる寸前で確変をゲットしたが、304回転で当たったのにドル箱には1000個も玉が残っていなかったので、やはり仕事量的に勝てない台だということがわかった。しかしそんなことは私には関係ないし、ここはあくまでも金を稼ぐ仕事場なので、余計な雑念は不要だ。
11時46分、再投資1万9000円、619回転で菜の花ロングリーチになった。どうせ当たらないと思っていたので何気なく見ていたが、当たり図柄の4を通過した後、最後に3人が写っているオールマイティー図柄で停止した。一瞬わからなかったが、すぐに2R確変であることに気付いた。まあ結局はまた回転数が失速して大した台とは言えなくなったのだが、打ち始めた時の状況から比べれば御の字で、この調子なら仕事量2万円を切ることはないだろう。とりあえずまた持ち玉になってくれたことで一安心だ。
16時過ぎ、やっと長い仕事の半分以上の時間を消化した。それにしても時間効率が悪い。ここで回転表示器のボタンを押してみると、これまでの総回転数が1845と表示され、がっかりしてしまった。もし海系の機種なら、時間効率が劣るハイパー海ですら2200は回せているはずだ。
これでは下手すると仕事量的には、初当たりを10回取るのがやっとかもしれない。しかしそんな不満とは反対に、当たりの方は順調に引き続け、持ち玉は1万5000個以上ある。勝ちはまだ確定しないものの楽な展開となっている。
ただここでまた隣の女性が気になり始めた。彼女は昼過ぎに持ち玉を切らしてから一向に当たりを引けないのである。そして私が当たりを引く度に頻繁に席を立ち、精神的に相当参っている様子が見て取れた。
この店の常連同士の話では、何でもここ数日ずっと今日の台を開店から閉店間際まで打ち続けているらしく、ここ1週間ほどで15万くらいは負けているとのことだった。もし私が他の多くの同業のように最初から勝ち組だったならさほど気にしないのかもしれないが、負けがかさみ、カード破産寸前まで追い詰められた苦い経験もあるので、彼女の苦悩が痛いほどよくわかる。出来ることなら玉を回してやりたいが、今後もこの店に通うことを考えるとどうしてもナイトにはなれなかった。
その後も順調にドル箱を増やし、19時半過ぎには持ち玉が3万5000個を突破して仕事量以上の勝ちが確定した。しかしこの後パタリと当たりが止まり、閉店45分前の22時45分、最後の当たりから993回転でヤメにした。
ちなみに隣の女性も私とほぼ同時にヤメたが、2R確変を除いて14回しか当たらず、持ち玉は2000個ちょっとしかなかった。多分今日も大敗したのだろう。
好調だった3月の最後の日、終日仕事ができて、しかも期待値以上勝てたのに、最後まで隣で打っていた女性のことが頭から離れず、憂いに満ちた心境で帰路についた。できることなら当分彼女の姿は見たくないものだ。
それにしても今月は絶好調だった。大体いつも今日のように楽勝だったのだ。1、2月、ボロ負けが続いても真面目に働いてきたことが今月の良い結果に繋がったのだと思っているが、来月も同じように絶好調モードが続くように願いたい。
ところで冒頭でも触れたが、4月は宮城県を長期間離れ、約4年ぶりに西日本方面へ行くことに決めた。なので、次号は久し振りにタイトル通りの放浪記になるかもしれない。
投資…1万9000円
回収…23938個
初当たり(時短含む)…8回(2857回転)
大当たり…33回
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