目先のことに囚われた末のミス
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目先のことに囚われた末のミス
※パチンコ必勝本DREAMS2008年1月号に掲載されたものを加筆・修正しています
当初の予定では、9月まで目一杯働き、10月から11月にかけて西日本方面へ長期旅行しようと思っていたのだが、夏以降大幅に収支が下がってしまったために計画を断念せざるをえなくなった。成績不振の一番の原因はツキから見放されたことなのだが、その間少なくとも2回は「グレーゾーンの店」で打っていたと認識しており、その欠損額は優に20万を超える。
最近はヤバそうな店にはなるべく行かないようにしているが、たまに行くと、そういう時に限って打てそうな台があったりする(笑)。数年前に比べれば、私のテリトリー内から半数以上の極悪店が消えたが、まだ一部だが過去に前歴のある店が営業を続けており、時として牙を剥くので今後も警戒を怠れない。
最近、食品業界では相次いで賞味期限の改ざんが発覚して大きな社会問題となっているが、不思議なことにパチンコ業界ではほとんど不正が摘発されていない。これはマイナー分野だという理由の他に、不透明な部分が多過ぎる内部構造が原因なのだろう。
11月初旬(晴)
実は今日、久し振りに必勝本スタッフが来仙するというので、待ち合わせて一緒に食事でも、という話になっていた。彼らが仙台にくる機会はなかなかないので、仙台周辺の観光案内でもしようと考えていたのだが、到着が夕方頃になるとのことなのでそれまで仕事をすることにした。
しかも都合が良いことに、もし打ち切れる台を見つけたとしても午後から代打ちをしてくれる人も確保できている。しかしテリトリー内で特別これといったアテもないので、なるべく家から近いところが良いと思い、仙台市内のA店へ向かった。
到着した時にはすでに入場が始まっていたのだが、予想通り人は少なく8番目の入場だった。一応今日もイベントはあるが、この店において大したものではないことを常連達はわかっているのだ。
ただ私がパチプロになって間もない頃は権利モノ狙いでよくこの店に来ており、平日でも開店前に20人以上は並んでいたので、パチンコ人口が大きく減っていることも影響しているのかもしれない。
多分今日は札台はないと思い、この店のメイン機種である沖海のコーナーへとゆっくり向かっていったのだが、その途中で羽根デジのシマに札台を数台確認した。これは予想外のことだったのですぐに見に行ったが、確かに他の台よりは少しヘソ幅は広いものの、寄りが悪い調整で打てる代物ではなかった。
しかし羽根デジに札台があるのなら沖海にも札台があるかもしれないと期待して足を向けると、嬉しいことにこちらにも札台があった。どうやら今日はゲリライベント的な日のようだ。
とりあえず一番近くにあった台に台取り券を置いて細部を観察した。しかし次の瞬間喜びは半減してしまった。ヘソ幅がショボいのだ。
念のため他の札台も見たが似たような感じで、よほどデキの良い台でない限り打ち切るのは難しいように思われた。今から他の店を回ろうにも、この後の予定があるから代打ち可能な店に限定されるし、他に大したアテもないので、今掴んだ台がダメなら仕事はやめ、家に帰って夕方まで趣味のクワガタ虫の越冬準備をしようと考えた。
9時、打ち出し開始。最初の1000円で26回転。玉の軌道を見るとなかなかデキは良さそうだ。しかし投資を重ねるごとにヘソ幅がイマイチのせいか徐々に回転率は落ち、1万円を使った時点で232回転と微妙な状況になってきた。
もしこれ以上回りが落ちるならヤメなければならない。ダラダラ打つのはイヤなので1万5000円までに続行かヤメるかを決断することにした。そう考えた矢先の265回転目、「キュイーン」という例の派手な音がして我に返った。しかしこれは、あっさり単発で終了してしまった。
さて問題はこの後だ。とにかく疲れる台である可能性が高く、自分一人で打つならまだしも、とても代打ちを頼める代物ではない。そこでこの持ち玉を使い切って回転表示が240を切るならヤメることにした。
10時40分過ぎに玉がなくなったが、持ち玉になってから急に回転率がアップして頭上の回転数表示は288を示していた。しかしそれから1時間以上経ち、やはり先ほどの現象は一時の気まぐれに過ぎないことが判明した。再投資を始めてから1万円までは順調だったがそれ以降失速し、1万5000円を使った時点で330回転しか回らなかったのだ。
これでは本当に疲れる。もうすでにこの台に2万7000円投資しているが、これだけ金を使って迷うような台は経験上良くないことは明らかだ。しかも次の1000円では20回転しか回らず、ここにきてまたデッドラインを切ってしまった。この後、回りが上がる可能性もあるが、自分の決めごとに従い、見切りをつけてヤメることにした。
時計を見るとすでに11時半を過ぎており、最後に店内をチェックして帰ろうとしていたら、ふと1台のエヴァの空き台に目が留まった。
それは今まで打っていた沖海と同じ札台で、私より前に店に入った常連が朝イチから打っていた台である。頭上の回転数表示は785を指している。
この台は以前一度打ったことがあり、その時は1000円あたり27回転以上回ってくれた素性の良い優秀台であった。今日のこの店における他の札台と同様、見てくれは大したことはないが試す価値はありそうだ。
しかしこれがその後の厄介な出来事を誘発しようとは夢にも思わなかった。
11時45分、打ち出し開始。確かこの台は2ヶ月以上前に打ったが、その時とヘソ幅は同じくらいに見受けられ、アタッカー・スルー共にマイナス調整ではないようだ。
最初の1000円で24回転。前回打った時と台のデキが同じなら下ムラと言えるが、玉の軌道を見るとどうもクセが悪くなっている気がする。まだ台のクオリティを決めつけるのは早計だが、とりあえずデッドラインはクリアしているので打ち続けることにした。
12時34分、1万円を打ち込んで回転数表示を見ると1032と表示されている。やはり前回打った時より台のデキは悪いようだが、先ほどの沖海よりスペック的に有利なので勝負続行を決めた。
13時20分過ぎ、同業の友人Y君が声を掛けてきた。彼も某機種の札台を打っていたのだが、なんでもデジタルが回らないのでヤメようと思ったら当たってしまい、今やっと連チャンが終了して持ち玉が2万個以上あるとのことだった。
ただ肝心の回りの方は1000円あたり20回あるかないからしく、ヤメて店回りをすることにしたので、良かったらその玉を使ってくれと言いにきたのだ。
この時点で今日5万近く使っていた私には非常にありがたい申し出だったが、店内に人がまばらな状態でいきなりドル箱山積みではあまりに目立ってしまう。
今までこの店で代打ちを注意されたことは一度もないが、店内の注意書きにははっきりと持ち玉の共有・代打ち禁止と表示してある。冷静に考えればこの時の状況からして申し出を断るべきだったが、溺れる者は藁をも掴む心境でその玉を全部私の台に移動してもらった。
13時50分、Y君が立ち去ってからちょっと間を置き打ち出しを再開。念のため10分ほど彼に店内に留まってもらったが、その間に注意されることもなく安心した。
それにしてもこれは非常に助かった。これからいくらハマろうが、少なくとも20時過ぎまで現金投資の心配はない。
14時過ぎ、また警報が鳴り当たらない5分ミッションへ突入した。今日はこの先どれくらいハマるのだろうなどと考えながら何気なく画面を見上げると、ミッション追加の文字が目に入った。それにしても皮肉なものだ。せっかく大量の玉を譲ってもらったのに、一箱も使わない内に大当たりを引いてしまった。ただ単発だったのでちょっと複雑な心境だが。
14時10分過ぎの時短終了後、玉切れの心配もほとんどなくなったので、そろそろ友人に代打ちのお願いメールをしようと携帯を取り出したら、ここで予期せぬ事態が発生した。店員が声をかけてきたのだ。一瞬まさかと思ったがそのまさかだった。
店員は私に「先ほどこの玉を持って移動してきたお客様とは違う方ですよね」と聞き、私が素直に認めると、持ち玉共有や代打ち禁止を説明し始めた。一応、「代打ちがダメだとは知らず代わってしまいスミマセンでした」と謝ったが、これで万事休すと観念した。
ところが店員は「今日は知らなかったということで打ってもらって結構です。ただし次回からは気を付けて下さい」という嬉しい答えを返してくれた。これは恐らく私が素直に非を認めて謝ったから許してもらえたのだろう。しかし今後この店で代打ちを頼むことはできなくなってしまった。
しかし済んでしまったことは仕方がない。気を取り直し、18時過ぎまで黙々と打つことに決めた。それが大当たりの女神に好感を持たれたのか初当たりがだんだん早くなり、17時過ぎには友人から譲り受けた分を差し引いてもプラス収支になった。
そして18時頃、確変中に必勝本スタッフから仙台に到着したとの連絡が入った。来仙メンバーには、私が上京した際わざわざ観光案内をしてくれた宮竹サンジ氏もいたし、その他にも一期一会になるかもしれない人もいたので、ここは仕事を犠牲にしてでも会わねばならないと思い、後ろ髪を引かれながら、いつもより3時間以上早く仕事を切り上げたのだった。
投資…21000円と約2000個
回収玉数…約26500個
初当たり回数(エヴァ)…7/2188
大当たり回数…23回
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