またやってしまった
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またやってしまった
※パチンコ必勝本DREAMS2006年11月号に掲載されたものを加筆・修正しています
9月上旬某日(晴)
今月は虫の世話で多忙だった先月までと違い、ほぼ毎日朝からパチンコ店へ行けている。ただ空振りが多く、終日打ったのはまだ3日だ。しかもその内の2日はボロ負けだったため、現時点で10万円以上の負債を抱えている。
今月から本腰を入れてパチンコに専念しようと思った矢先でのこの状況、しかもやっと見つけた台で大敗しているのでさすがに滅入ってしまった。しかしパチプロである以上こういう事に遭遇するのは宿命だし、それを乗り切れなければ喰ってはいけないのだ。
本日も例によって朝7時過ぎに家を出たものの、相変わらず100%仕事量を確保出来るような店はない。それでも数軒の店をピックアップし、一路南へ車を走らせ7時半前にS店へ到着した。この店は以前からずっと私的にはAクラスの優良店だったが、昨年後半からイベント台のクオリティが落ち、使える頻度が大分低くなった。
しかも、抽選に集まる人がピーク時よりは減ったものの、相変わらず入場抽選の壁が厚く、打てる可能性のある札台を取れる確率は約3分の1といったところだ。
今日は少し早めに家を出たが、ホールへ行く途中で事故による渋滞があり、危うく遅刻するところだったが、滑り込みセーフで何とか入場抽選には間に合った。渋滞の影響でかなりの人数が減ったと思われ、いつもなら100人は並ぶはずが今日は50人ほどしかいなかった。その中にはパチスロ狙いの人もいるので今日に限ってはいつもよりハードルはかなり低くなった。
7時半過ぎに抽選が始まり、私は久しぶりの1桁で3番だった。去年の今頃なら仕事量3万円以上確定の番号だったが、今年は札台が使えない状況が頻発しているため安心は出来ない。
8時20分過ぎ、大勢のギャラリーから羨望の眼差しを浴びながら3番目の入場となった。私の狙いはこの店でまだ1度も打った事がないスーパー海物語M55W。
予想通り前の年配男性2人もスーパー海の札台へ向かったが、私も余裕で札台をゲットした。が、次の瞬間とんでもない事に気が付いた。前回見た時より確実に一回り以上ヘソが狭いのだ。少し迷ったが、急いで台取り券を手に持ち、2番目の候補である大海のシマへ向かった。
ここもスーパー海同様人気機種なので既に10人近く入っていたが、まだ札台には数台空き台が残っていた。その内の1台に台取り券を置いてクギを見ると、スーパー海ほどではないがいつもよりクギは良くなかった。
しかしすぐ傍にも2台札台があったので急いで移動してクギを見たら、前の台より少しはヘソが広く、これならいけるかもと思い台取り券を置いてから身体を反転させた。
その時思わぬ事態が発生した。私の隣の札台を取ろうと、後ろから走ってきた常連の女性と衝突してしまったのだ。私はなんともなかったが、女性は運悪く私の肩に顔面を強打して眼鏡を床に落としてしまった。なのですぐに「すみません、大丈夫ですか」と声を掛けた。
すると軽い脳震盪を起こしたらしく、しばらくの間うずくまっていたので少し心配したが、幸い眼鏡も壊れず顔も無傷で、「大丈夫。こっちも急いでだがらお互い様だっちゃ」と言ってきたのでやっと安心した。
ただこの間に、彼女が取るはずだった台を別の人が取ってしまった。私が機転を利かせて彼女の券を台に置いていれば何事もなかったのだが…。これまで彼女と言葉を交わした事はなかったが、台を叩いたりしない普段の慎ましやかな立居振舞いに好印象を持っていた私は、次の瞬間とっさに「この台やらい、大海スギナンダスぺ、俺特別ヤリデワゲデネンダガラ(この台やりなさい、大海好きなんでしょ、俺はこの台特別やりたいわけじゃないから)」と、あらぬ言葉を口走っていた。
そして彼女の手から台取り券を奪い取り、私の台に置いてにこっと笑い「気にシネデ頑張らいね、ンデッ(気にしないで頑張ってね、じゃあ)」と言い残し、大海のシマを急いで立ち去った。彼女は何か言いたそうだったが、「ナイト」に成りきった私は恰好をつけた手前、後戻りするわけにはいかなかった。
そんなやりとりのうちに店内は瞬く間に人が増え、他の札台もあっという間に後続の人に取られた。「あぁ、せっかくやれそうな台を取ったのに何てことだ」と思っても後の祭りだった。
私は昔、義侠心の強さゆえよくトラブルを起こしていたが、最近は年のせいか計算高くなり、得にならない事にはなるべく首を突っ込まないよう心掛けている。が、時々ではあるが、このような事になってしまう。この時点でもうこの店に自分が打てる台はないと確信し、次の目的地T店へと車を走らせた。
このT店もなかなかの人気店だが、換金率が高いので私にとっては先程の店よりもさらに台の見極めが難しい。しかしS店と違いピンポイントで狙うような台はないので、開店後に訪れても吟味して台を取る事ができる。メールによれば今日は京楽の機種が全体的に甘クギらしかった。
8時40分、T店到着。開店後まだ10分程だが、入口に近いところはすでに満車だった。この様子だと一番狙いのジョーズに空き台はないだろう。シマへ行ってみると案の定満席で、次の候補の冬ソナのシマへ移動したがここもほぼ満席だった。なのでとりあえず一番近い空き台に私物を置き、他3台の空き台を見に行った。しかし見た目にはほとんど変わらず、結局初めに取った台を試す事にした。
8時45分、打ち出し開始。最初の千円で21回転。その後も千円あたり21~22回転を行ったり来たりして1万円を打ち切った所で216回なので、なんとかギリギリ打てそうだ。
10時過ぎ、投資2万円、432回転で赤文字で「初恋」という文字が現れた後、この日2度目のミニョン群が画面を横切った。その後メガポラリスが燦々と輝き、湖畔リーチへ。結構派手な演出なので両隣で打っていた女性も私以上に熱心に見守っていたが、気を持たせた挙げ句当たり図柄の7は遂に揃わなかった。
と、少し間をおいて「ユジン!」という声と共に当たり図柄が復活。直後に両隣の女性がうなずいてくれたので、私も思わず笑みを浮かべてうなずいた。
この確変は2R確変を2回含む6連チャンとなったが、さすがに高換金率だけあって出玉が渋く、1回分で1600個ほどしかなかった。しかも、止め打ちを駆使しても100回転で50個位は減ってしまう。それでも計算上なんとか仕事量25000円以上は確保できるので、終日打つことに決めた。
その後は大きなハマリはなく初当たりは普通に引けているが、いかんせん確変が少なく、2000個も入らない上げ底のドル箱が1~3箱位の間を行ったり来たりする状態が続いた。
18時過ぎ、両隣の女性は順調にドル箱を重ね2人とも3万発以上の爆裂をさせた後に引き上げていった。それに比べて私の台は先程より少し玉が増えたものの、5箱前後を行ったり来たりの状況である。
22時28分、最後の当たりからの224回転目。この日通常時では3回目の冬ソナチャンスから久し振りに確変を引き、しょぼいながらも勝ちが確定した。
まあ今日の流れから見てどうせ連チャンも期待出来ないし、時短が終わって即ヤメなら時間的にも理想的だろうと思っていた。すると予想通り16回転で単発を引き、遅くても23時前には店を出られるだろうと考えていた。
ところが、ここで大当たりの女神が目を覚ましてしまい、時短56回転目でまた確変を引き戻してしまった。当たったのは嬉しいが閉店時間まで残り45分もない。ここは3連チャンくらいで終わって欲しいところだが、いかんせん次の当たりがなかなか来ない。
そして216回転目にしてやっと単発を当てたと思いきや、あろうことかここで今日3度目の確変昇格となった。時計を見ると23時10分を過ぎており、確変取りこぼしの可能性が現実味を帯びてきた(実は3か月程前にも同店同機種で確変取りこぼしがあった)。
その後次の当たりはすぐに来たものの、2R確変。次こそ単発を引けば閉店までになんとか時短は取りきれると望みをかけたのだが、23回転目でまた2R確変。時計を見れば閉店10分前、これで万事休すと覚悟した。
本当に大当たりの女神は意地が悪い。その後はもうどうでも良かったが、保留玉で運よく(?)2回も確変で当たり、この日30回目の大当たり終了直後に閉店アナウンスが流れた。
ただ店が忙しいのか店員が来ず、ダメ元で打ち続けること10回転目、ユジンの問いかけにチュンサンが登場した。これは勉強不足の私でもたまたま覚えていた、初めて見る鉄板パターンだった。リーチ絵柄は6で、相変わらず長いスーパーリーチが殊更長く感じられる。ここで店員がやってきたらストップをかけられるので一刻も早く当たって欲しいところだ。
そして待つ事1分余り、店員がやって来る前に何とか単発絵柄をゲット、と思いきやまたメガポラリスが光って確変格上げになった。今年この店においての勝利は2度目だが、両方とも確変取りこぼし。しかも出玉補償もない。それでもダメ元で選んで打った台で、何とか稼働できる事になったのだから有難いと思わなければならないだろう。
これも多分、今朝S店で女性に台を譲ったから運よく打てる台に巡りあえたのだろう。そう考える事にして、帰路の車中で大好きな井上揚水の曲をフルボリュームで聞いていると、いつしか気持ちは吹っ切れていた。
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