久しぶりのノリ打ちの結果は…
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久しぶりのノリ打ちの結果は…
※パチンコ必勝本DREAMS2006年6月号に掲載されたものを加筆・修正しています
今年自宅近くにグランドオープンしたパチンコ店が突然営業をやめた。聞けば他県の同系列店で不正が摘発され、会社自体がなくなったらしい。恐らくかなり悪質なことをやらかしたのではないだろうか。
どういう経緯で発覚したか定かではないが、内情に詳しい人によれば、摘発されたのは氷山の一角で、徹底的に調査すれば相当数の不正が明るみに出るであろうとのことだ。まあ今のお上のやり方では、残念ながら今後も悪さをする店はなくならないだろう。私のテリトリー内においても、時々「やらかしてるな」と感じられる店があるが、そういうところにはなるべく近付かないようにしている。
4月上旬某日(晴)
10年位前、「ミサイル」や「大入り」等の台を新台入れ替え時に打つ場合、見た目はほとんど同じでも台のクセ(ネカセ等)で期待収支が10万以上違うことがザラにあり、当時の良い台は15万以上稼ぐことができた。その時のノリ打ちは非常に有効で、実際そのような時だけ打っている開店プロ軍団がおり、私も仲間に入れてもらったことがある。
だが、私は昔からノリ打ちが好きではない。理由は一緒に打っている相手に色々と気を遣うからである。元々仕事に関して協調性がある方だとは思っているし、理にかなっていれば違うやり方でも素直に受け入れてきた。しかし金が絡むので、ちょっとしたことですぐに人間関係にヒビが入る可能性があるところがどうも苦手と感じるのだ。
それを考えると面倒だし、この仕事で人間関係に気を遣ったのでは会社員時代と同じではないか。自由だということぐらいしかメリットのないパチプロが、これでは旨みが損なわれると思うのだ。
それでも以前のように大儲けできる台があれば割り切ってノリ打ちもするのだが、最近はそういう機会も少なくなってしまった。
実は今日、久しぶりにノリ打ちをすることになった。相棒は私の数少ない幼なじみの友人Tである。Tとは小学校から大学までずっと一緒で、その後お互いの仕事の都合で離れ離れになっていたが、つい最近Tが生まれ育った仙台に帰ってきた。
しかしそれは栄転ではなく、会社の規模縮小によるリストラという厳しいものだった。ただ彼は私と違ってかなりの楽天家で、失業のショックからすぐに立ち直り、逆にパチプロ生活に嫌気がさしている私を励ます余裕すら見せている。
そして先日、彼が「俺もパチプロになるから教えてくれないか」と本気で言ってきたのだ。さすがにこの言葉に私はムッとして、「こんなくだらない事はいつでも出来る。さっさと他の仕事を探せ!」と怒ったが、彼もさるもので、「お前に出来てなぜ俺にできない。やってもいないのに勝手に決めつけるな!」と返してきた。そこで、本日から彼が音を上げるまで、一緒に行動を共にすることにしたのである。
今日朝イチにやって来たのは宮城県南部のA店で、約半年振りの来店だ。割と信頼度の高いイベントなので、車で1時間近くかかるにも関わらず早朝7時半の入場抽選へわざわざやって来た。なぜならもし早い順番で入場できればクギをアケた台が札で表示してあるので、優秀台をゲットできる可能性がプロ・アマ問わず高くなるからだ。
私がA店に着いたのは7時20分頃だったが、Tの車は既に駐車場にあった。初日で相当気合いが入っているのだろう。聞けば朝食も既に済ませたとのことだった。
この地域でA店は人気抜群で、既に50人以上が並んでいた。後からもっと人が集まると思っていたが、最終的には前回の半分100人程度の並びだった。ということは、最近は回収モードだった可能性もあるが…。二人が引いた番号は8と15で約30台程ある札台にあぶれことはなく、しかもある程度見て選ぶ事が可能だ。
8時20分過ぎ、8番目に入場したが前の4人はパチスロへ行き、私は狙いの大海のシマへ余裕で向かい、期待しつつ札台のクギを見た。だが、良い時と比べると明らかに見劣りしている。なので急いで他のシマへ移動した。しかし他のシマも期待出来そうな調整はなく、「今日はこの店では打てない。B店に行くぞ」とTに告げ、オープニングを待たずしてA店を後にした。
それから40分後、高速道路を使って宮城県中部のB店へ到着。この店も先程のA店と同様8時30分開店だが、割と客足が遅く多少遅れても余裕で台が選べる。しかし今日は機種ごとに数台あるはずの札台がなく、代わりに大海全台がサービスコーナーになっていた。台数が多いのは有り難いが、それだけクオリティが落ちるのが普通なので少しがっかりしながらシマに入る。
ところがイベントコースの大海は全台予想外にヘソ幅が広く、この店においてはかなり良い調整に思えた。ただ台ごとのメリハリがあまり見受けられず、空き台も多すぎて逆に台選びに苦労した。それでも何とか私なりの基準で2台を選んだ。時間はまだ9時10分、これなら13時間は打ち込むことができる。この店の換金率からデッドラインを千円あたり25回転と決め、Tと一緒に打ち出した。
私の台は最初の千円で26回転、ステージのクセは良さそうだがまだ正体は不明である。ちなみにTは私とは違うシマで打っており逐一状況を把握することはできないが、ボーダーを下回ったら私へ知らせることになっているので、20分しても連絡が来ないところを見ると大丈夫なのであろう。
投資5千円で126回転、デッドラインギリギリだ。このまま回転率が約束されるなら問題ないが、そう上手くいかないのがパチンコである。とにかく回転数が落ちないことだけを願い打ち続けることにした。Tの方はと言えば、私と同じ5千円の投資で153回転も回っていた。上ムラにしてもかなり優秀台の可能性が高い。
投資1万円、頭上のデジタルは267回転を表示し、どうやら終日打ち切れる台ではあるらしい。一方Tの方は1万円で287回にペースダウンしたが、相変わらず私の台より回っているので心配はなさそうだ。何台か他の台も観察したが、千円あたり20~22回転といったところで、私達の台が優秀台だということもわかった。
10時14分、投資1万4千円、364回転でこの日初めて魚群が発生し、4と5のマリンちゃんリーチになった。これは4を通りすぎたので、5も通り過ぎてハズれるものと思ったが、一瞬間を置いて当たり絵柄のサメが画面の真ん中へ戻ってきた。残念ながら再始動にはならなかったが、とりあえず持ち玉にはなったので少しほっとした。
この出玉は299回転で消滅し、再投資が始まったが、回転率は持ち玉になっても落ちることはなく、終日打ち切れる台だと確信した。
12時10分過ぎ、再投資9千円、521回転でかかったノーマルリーチを何気なく見ていたら画面右縦にアンコウが揃っていた。これも再始動はなく出玉は292回転でなくなった。それから間もなく、再々投資2千円の330回転でこの日5回目の魚群が走り、5と6のマリンちゃんリーチになった。初当たりから3回続けて魚群をハズしているので今度こそはという想いが通じたのか、今回はあっさりと大当たりをゲット。が、またしても画面中央に揃ったのはアンコウだった。
それにしてもTからは定期的に投資額と回転数のメールが来るだけで、一向に当たったという知らせはない。ただ回転率は下がってはいるが、デッドラインを余裕でクリアしているので全く心配はない。
それから数分後の13時過ぎ、Tから投資5万500円、1351回転でやっと単発が当たったと連絡が入った。パチプロに初めてトライしてこのハマリは少々気の毒だが、最初から楽に勝たれるよりは良いだろう。しかしこの時点で二人の合計投資額は7万5500円になっていた。ひょっとすると、打つ前に彼を戒めるために言った「10万円投資の可能性」が現実になってしまうかもしれない…。
13時47分、312回転で持ち玉がなくなり3回目の再投資となった。その直後Tから290回転で持ち玉なしというメールが来た。私とは逆に持ち玉になってから回転数が落ちたようだが、デッドラインは切っていないので気にせず現金投資を続けるように返信した。
15時ちょっと前、3度目の再投資を始めてからちょうど1万円。707回転でリーチがハズれた直後、真ん中の絵柄が例の派手な音を伴って走り出し、本日初の確変当たりが確定した。そしてこの確変は運良く7連チャン、一気にマイナス分を取り戻して、これを境に早い当たりが連発。
17時過ぎには持ち玉が3万発を突破、フロア中央に別積みとなった。しかし相変わらずTの台は不調で、初回大ハマリ後もなかなか早い当たりが引けず、総投資額は7万8500円になっていた。
そして20時30分過ぎ、少し怒ったような顔で私のところへやってくると「この店やばいんじゃないのか? また玉がなくなったぞ」と言った。これまで彼はパチンコで一日に5万以上使ったことは一度もないらしく、かなり動揺しているのが見て取れた。
普通なら初めて一緒に打つTを本来なら解放してやりたいところだが、本意は彼にこの仕事を嫌いになって欲しいので「いや、だめだ。いくら使ってもいいから最後まで打て」と心を鬼にして言い放った。さすがに彼もあからさまに不機嫌な顔をしながら席へ戻っていった。
22時30分過ぎ、閉店まであと1時間近くになり、私の方は4万発近い持ち玉で大勝ち確定だったが、Tの方は最後の大当たり後この日2回目の1000回オーバーを記録。総投資額も10万円を超えていた。私は去年大ヤマト2で10万負けを喫したことがあるが、それよりも確率の良い新規則機ではまだ一度もない。それが初めてパチプロに挑戦したTは、その初日に私のワースト記録を破ってしまったのだ。これにはさすがの私も驚いた。ただパチンコは下駄を履くまでわからない。まだ私が決めた打ち込み終了時間まで10分はある。それまでに単発1回でも当てれば10万負けの大台だけは避けられるのだが…。
その時Tからメールが来た。この日4回目の再投資2万2500円、総投資10万1000円、1074回転で単発が当たったとのことだった。これで10万負けの心配はなくなった。すかさず「お疲れ様! 時短消化したら終わってくれ」と返信した。
しかしその後、Tは時短3回転でこの日2回目の確変絵柄を引き、合計9連チャンで閉店直前に時短を終了した。そして実はこの時私も確変を9連チャンして、彼とほぼ同時刻に終わったのである。
結果、本日の成績(ノリ打ちなので2人のトータル)は大当たり53回(私は36回)、投資13万6000円、回収17万1000円。途中10万以上の負けを覚悟したが、終わってみれば期待収支には遠く及ばないものの、何とかプラスで終わることができた。
ただTにとっては大変な苦痛だったらしく、最後にぽつりと「おどげでねぇ…」(編注/宮城弁ですごく大変だった等の意)と言って帰って行った。そしてこの日以降、二度と私に「パチンコを一緒に打とう」とは言ってこなくなった(笑)。彼のためには絶対この方が良かったのだと思っている。
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