本当に長いトンネルだった
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※パチンコ必勝本DREAMS2006年5月号に掲載されたものを加筆・修正しています


この仕事を始めてから、アッという間に10年近くの歳月が経ってしまい、いつの間にか私もベテラン(?)の域に入ってしまった。

これまで色々なことがあったが、自分なりに一生懸命頑張ってきた。その結果、なんとかやってこられたわけだが、この稼業、感動とは無縁の世界で決して良い仕事だとは思っていない。とはいえ他の職能を持たない私にとっては生活のため、嫌でもやらざるを得ない状況なのだ。

まあ、世の中どんな仕事でも楽して稼げない事は承知しているので、大概の苦労はいとわないのだが、好きでもない事を一生懸命やった挙句、それがほとんど世の中の役に立たず、逆に他人に嫌われるなんて本当に辟易してしまう。

そのせいだというわけではないが、最近はパチプロ駆け出し時代のバイタリティーは失せてしまい、稼働時間でいうと半分位にまで落ちてしまった。それでも何とかなってはいるのだが、逆にそれが慢心に繋がり、長い目で見れば自分にとってマイナスなのは間違いない。とにかくこのままズルズルと行ってはいけないという思いがますます強くなってきた今日この頃である。


3月初旬某日(みぞれ)

2月は最近では珍しく200時間近く打ち込んだが、結果は惨憺たるものに終わった。その最大の原因は、前回のコラムでも書いたが、おかしいと思いながらも一週間以上にわたって"疑惑のシマ"で打ち続けたからだと考えている。それに加えて、パチプロになって以来最大のスランプに見舞われ、長期間にわたって期待値を大幅に下回ってしまったのだ。ただ、仕事量的には満足出来るものだったので、後できっとその見返りはあると確信している(忘れた頃にやって来るのだろうが…)。


今日やって来たのは大型店のBである。目当てだったA店は誇大広告のガセイベントで使えなかったためだ。県内中部のこの店は比較的新しく、店内は広々として清潔感に溢れ、打てる台さえあれば非常に居心地の良い環境だ。ところがいざ打つとなると、私にとっては非常に手強く、テリトリー内において一番難しい店なのだ。

どこが難しいのかというと、この店の全体的な割数は他店より高いので一般の客には優しいが、私のような人間が打つには今イチ分かりにくい調整なのだ。間違ってもヘソがガバ開きなんて台は作らないし、ヘソ以外の部分は他店ほどいじらない。しかしヘソのアケシメはシマ単位で頻繁に行なっており、イベント時に店に顔を出していると、時々私の勝負ラインをクリアする台が存在しているため、非常に混乱するのだ。

しかし今日はイベントコーナーがあり、たまたま一発目でスカされたA店の近くで、他にこれといったあてもなかったのでB店へ寄ってみたのだ。


店の駐車場に着いたのは10時を少し回っていたが、予想通り他に車は少なく、おそらく半数以上はパチスロの客と思われるので、余裕を持って台を見る事が出来るはずだ。

中に入ってみると、やはりパチンコのフロアはまだほとんど人が見受けられない。もし初めて訪れた店でこのような状況を見たら、ちょっと不安になるのだが、これがこの店の特徴なのだ。午後になれば、特に夕方以降は仕事帰りの人たちが大勢やってくるので健全な店だと認識できる。

今日は大海M56と水戸黄門がイベントコースになっており、その全台が一律調整ながら確実にヘソをアケてある。しかし、先ほどのA店のようにピンポイントで狙うような、大きくヘソが開いた札台は皆無。よって日当3万円を超える台を探すのは至難の業である。だから他の同業はあまり訪れないのだろう。

ただ今日のヘソのアケ幅は、この店からすれば大盤振る舞いで、ひょっとしたら勝負ラインをクリアしている台があるかも知れない。もし数年前にこのような光景に出くわしていたなら迷わず店を出ていたであろうが、今は違う。とにかく以前より明らかに状況が厳しいので、少しでも可能性があればトライせざるを得ない。

さて、トライする事に決めたものの、ここからがこの店の難しいところである。一応ターゲットを大海に絞ったが、一見するとどれも同じように見えてしまうし、かといって適当に台を選んでも、ほとんど勝負ラインに達する事はない。それでも私なりの基準で何とか数台に目星を付け、その中の一台に玉を流し打ち始めた。

最初の千円で27回転。まだ台のデキを断定できないが、出だしは好調。ステージもよい感触だ。ひょっとしたら一台目にして今日の勝負台に出会ったのかもしれない。

その後、いつ回転率が落ちるのだろうと思いながら打ち続けたが、5千円、1万円と投資しても、千円あたりの回転数は25回前後を安定してキープしている。残り時間とこの店の換金率から計算すると、余裕の回転率だ。どうやら運良く終日打ち切れる台をゲット出来たようだ。

しかし、依然として大当たりは来ない。実は先月の連勝は2回しかなく、パチプロになって以来、最悪の成績で終わっている。こういう事は得てして続くものなので、相変わらず不調が継続しているのかもしれない。


12時15分過ぎ、投資28500円。745回転でこの日2回目の魚群が走った。絵柄は4と5のマリンちゃんリーチ。久しぶりのアツい演出だが、当たりハズレよりも眠気覚ましにちょうど良いタイミングでありがたかった。どうせ当たると思わなかったが、それでも確変絵柄のエビが真ん中に接近した時は『当たってくれ』と願っていた。

しかし数秒後には次の回転が始まっており、『また当分の間は瞑想モードに入らねばならないかな』とぼんやり考えながら2のノーマルリーチになった画面を見つめていた。その時、あの「ギュンギュンギュンギュン」という派手で大きな音とともに真ん中の絵柄が走り出した。残念ながら再変動はなかったが、前回打った日から通算すると優に2000回転以上打ち込んでの当たりだ。ノーマル絵柄ではあるが正直嬉しかった。

ところがこの出玉は282回転でなくなってしまう。ただ、一番気になる回転率だけはなんとかデッドラインの上をいっているのでヤメるわけにはいかない。またいつ終わるともしれない現金投資が始まった。

しかし、この系列の店は先月の黒いシマ疑惑があった某店とは違い、過去一度もおかしな挙動があった記憶はなく、テリトリー内では最も安心できる店の一つなので、現金投資に対する不安はほとんどなかった。


14時52分。再投資19500円、738回転で右縦ラインのサメのノーマルリーチが気付かないうちに当たっていた。これも確変昇格はなく、依然としてダメモードから脱出できない。そしてこれも案の定持ち玉がなくなった。

だが、今回は310回転も持ち玉で回ってくれた。時間もまだ15時を過たばかりなので、いくらダメモードに突入中とはいえ、今時のCR機でこの時間に勝ち負けを考えるのは早計である。また当然のごとく現金投資を再開した。


それから約15分後、再々投資3500円、ちょうど400回転でこの日何回もハズしまくってる魚群がまた横切った。この時はさすがに「どうせハズれるなら最初から出るな」と少し腹立たしげに画面を見つめていた。

しかしよく見ると、その魚群は色が普通の魚群より赤っぽい…何とプレミアの赤魚群だったのだ。直後にサムが現れ、画面左側に発生したサンゴを持ち上げていた。その時、両隣に人はいなかったが、出来るだけ多くの人に見てもらいたかったので、少しオーバーに、「オー」という声を出した。すがさず数人の視線が私の方に向いた。


実は普通の店ではあり得ないのだが、何回かサムが出てハズれたという話を聞いているので、万が一という事を考え、プレミアリーチが出たら、近くに人がいる場合はオーバーアクションをする事にしている。リーチの絵柄はハリセンボンだが、本当に久しぶりの確変大当たりだ。そして周りの目もはばからず、思わず笑ってしまった。

この確変は2連止まりだったが、その後はこれまでの展開が嘘のように早い初当たりが続き、確率の分母を超えたのは2度だけで、大爆発とまではいかなかったが、23時30分、26回目の大当たり後の時短を消化し終えたところで閉店のアナウンスが入った。

本日の成績。初当たり12/3992→約1/333、大当たり26回。通常絵柄が12回しか出なかったので3万以上勝つ事ができた。しかも最後に確変を取りきれない事もなかったので、幸運な一日だった。

余談だが、この日を境に2月までの長い絶不調が嘘のように解消し、信じられないくらいほど好調で、この原稿を書くまで大海においてはまだ一度も負けがなく、7連勝と記録更新中である。



【阿川プロへの質問コーナー】
Q.
阿川さん、いつも日記を拝見しております。基本的な質問ですが、最近羽根モノ機種について、クギの見分け方などを教えて下さい。最近、あまり雑誌でも取り上げていないので、宜しくお願いします。


A.
重要なポイントに絞って簡単に述べておこう。まず1チャッカーについてだが、風車は上げ調整がベストで、反対に下げは×。また、風車下のハカマの入り口も上げで幅は広いほど良い。チャッカーの命クギも同じように幅広く上げ調整が理想的だ。

しかしハカマのクギは幅は狭い方が良い。出来ればヘソに近い下の部分が絞ってあり、なおかつヘソに対して左右のズレが修正されていれば申し分ないだろう。真ん中より上のクギは、玉に勢いをつけさせるため、下げ調整が良い。そして中央に玉が寄りやすいようにクギがプラス方向に振ってあればベストだ。

それから「寄り」と「鳴き」のどちらが重要か? という質問をよく受けるが、これは絶対に寄りを重視すべきである。理由はもし寄りが悪い台を打っていて当たった時、出玉が少なくなるのはもちろんの事、消化に余計な時間はかかるし、パンクの危険性も大きくなる。これではせっかく当たってもストレスが溜まって仕方がない。