パチンコの新たな楽しみ方
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※パチンコ必勝本DREAMS2004年1月号に掲載されたものを加筆・修正しています


私は中学生の時、生き物が好きなので生物部に入っていた。地味なサークルだったが、年に1回だけ"文化祭"での発表の場があり、その時には徹夜で展示するための生き物を採集したりして、かなり大変な準備作業を行った。しかし発表当日は、そんな苦労もどこへやら、朝からテンションは上がりっぱなしで、見学に来る人達への説明対応に一生懸命だった。そして終わった後も、「また頑張ろう」と気持ちを新たにできた事を今でも鮮明に憶えている。

要するに、自分がやった事を大勢の人に認めてもらい、それがまたやる気に拍車をかけるのである。世の中いろんな仕事があるけれど、それに対して何か重要感を持てればやる気になれるものなのだ。

さて、自分の今の仕事はどうかというと、頑張れば頑張るほど確実に収入は増えた。しかしそれに反比例して、仕事に対する情熱はますます失せてきた。確かに腕を上げれば周りは自分を認めてくれる。しかし、それは賞賛のそれではなく、妬み嫉みの類が多い。どんなことであれ、それなりに社会に貢献していると思えばやる気も出るのだろうが、経済効果に多少貢献している以外はほとんど役に立ってはいない。

ちなみに私の前職はとあるサービス業で、仕事はパチプロよりずっとキツく、その割に収入も大した事はなかったけれど、ひとつの仕事を成し遂げた時、大概お客さんに心から感謝をされていたので、時には涙を流すほど嬉しい思いをしたものだ。

だいぶ愚痴ってしまったが、今更会社員に戻るつもりはないので(今後パチプロを辞めても人に使われる仕事には就かないと決めている)、この仕事をXデー(パチプロを辞める日)が来るまで、ただひたすら頑張るしか私に選択肢はない。ただ100%やる気をなくしたのではメシの食い上げになるので、将来の目標を常に頭の中に置き、そして一番好きな趣味に没頭する時間をなるべく多く取るように心がけている。そうする事により、最近は仕事に対する情熱が少し上向いてきた。

しかしながら、近頃は年齢的な体力の衰えに悩まされている。特に目の疲れは相変わらずで、2~3日打たなければ楽になるのだが、仕事を再開するとまたすぐに元に戻ってしまうのだ。私はパチプロになって以来、常に1日13時間の稼働という事を意識し、実践してきた。しかし今にして思えば、目にとってはこれが一番悪かった。

そして、これに追い討ちをかけるように、時々胸が痛むようになってきた。原因はタバコなのだが、1日の喫煙本数が1箱くらいでも、最近は翌朝に胸に頻繁に痛みを感じるようになったのだが、その頻度がどんどん高くなっているようなのだ。5~6年前に比べれば本数は約半分(しかも仕事中以外はほとんど吸わない)に減らし、しかもロングピースからマイルドセブンのスーパーライトに変えたのだが、長年の喫煙のせいか、1日に2箱も吸おうものならその時点で胸が痛くなってくる。

これではいけないと思い、やっと本腰を入れて禁煙ならびに身体のケアに取り組み始めた。それで先日、13年振りに人間ドッグの予約をしてきたが、新たな悪い所が見つかるのではないかと今から不安で仕方がない。もう人生の折り返し地点を過ぎてしまったが、未だに目標は近付いてくれない。しかしここでドロップアウトする訳にはいかないので、これからは今まで以上に健康に気を使って頑張ろうと思っている。



10月中旬某日(晴れ)
この12月で、パチプロになって丸6年になる。それにしてもここまでよくやってこれたものだと我ながら感心している次第である。ただ残念ながら未だに本心からパチンコが好きになれない。しかしこの仕事を続けている以上、嫌でも毎日パチンコ台と対峙しなければいけないので、少しでも仕事上の楽しみを探そうと努力している。そして最近、新たな楽しみ方を見つけた。それは大当たり中のサウンドをじっくり聴く事である。

私は人一倍店内の騒音が嫌いだが、何故か大当たり中のサウンドに関しては煩わしいと感じないのだ。ちなみに去年から今年にかけての大当たり中BGMマイベスト3は、

1位…大ヤマト
2位…デビルマン

そして3位は、今から打とうとしている夏祭りなのである。

実は今日、本来ならこの店での狙い台はフルスペックでしかも確率が甘い「笑ゥせぇるすまんJA」だったのだが、イベント台にもかかわらず釘調整がイマイチだったので、急遽同じサービス台でハーフ時短の「夏祭りMX」に照準を変更したのだ。

この店の換金率は3円弱の無制限で、台を見た感じでは千円あたり25回は切らないと思えたので早速トライした。すると最初の千円で28回。もしこの回転数がキープできたなら終日仕事になるのだが…。

9時25分、投資5千円、138回転目でアチャオの顔と激熱の文字が出現し、三と四の図柄で夏祭りリーチになった。例によって事前にリーチの信頼度等をほとんど調べていないので、当たる確率が何%なのかは分からないが、高信頼度のリーチだということだけは認識できた。

それにしてもこの演出はなかなか良くできている。ジッタリンジンの歌がスローになるにつれて当たり図柄がだんだん近付いてくるのだ。この時点では私にとって当たりかハズレかということよりも、目をつぶって曲をじっくり聴いている方が重要だった(目を保護するため、最近はこのような時は目を閉じるようにしている)。

曲が終了し、おもむろに顔を上げると、見事に三の図柄が揃っていた。しかしその後、確変が確定しているにもかかわらずお決まりの再抽選が始まり、結局また同じ三で停止した。時間を切り売りするプロである自分の立場から言うと、こういう演出はただ単に時間の無駄なのでやめて欲しい。

それにしても大当たり中のサウンドはなかなか秀逸だ。まるで少年時代にタイムスリップしたような郷愁を感じさせてくれるメロディ。特にギターの音色は絶品で、周りがうるさいにもかかわらす、久々に鳥肌が立つほど曲に夢中になってしまった。そして嬉しい事に、これがずっと連チャンして、1時間半ほどで9回も曲が流れたのである。

その間、私は多少人目を気にしながらも、しっかりと画面の歌詞を見ながら大声で歌っていた。今日は久し振りにパチンコが楽しい。パチンコを打っていてこんな気分になれたのは会社員時代以来かもしれない。

13時45分、朝の9連チャンから3時間近く経過したが、その後は当たりが来ず、遂に千回転を超えてしまった。しかし一番気掛かりだった回転数は250発あたり28回くらいあり、終日打ち切る事は決心していた。

私の場合、仕事と割り切っているので、まともな店・まともな台であれば、回転数が勝負ラインを上回っている限り、いくらハマろうとほとんど意に介さない(実際は当たらなければやはりストレスはある。笑)。

今までの経験からしてパチンコを1日単位で見ると、一部の羽根物などを除いて、理論値に近い数字は出ても、ピタリと確率通りに収まった事は一度もない。そしてどちらかというと、勝つにしても負けるにしても、本当にこの確率なのか、と疑いたくなるような結果に終わる事が多々ある。


話を元に戻そう。回転計が千回を超えて間もなく保留ランプ点灯状態から連発花火が発生し、3発目に突入した。これは結構アツい演出なんだろうなと見守っていたら、リーチにもならなかった。だが諦めかけた直後、4発目の花火が発生した。恥ずかしながら、この時もこの演出の信頼度が分からなかったので、リーチになった瞬間、保留ランプを点灯させるべく打ち出そうとしたら、

「ああー、いがったねー確変で。」

と、30分ほど前から隣で打っていた初老の男性が声を掛けてきた。咄嗟の事だったので対応に戸惑ったが、いかにも自信ありげな言葉だし、なるほど金魚リーチは一でかかっているので当たれば確変だ。「本当に当だってんのがや」と疑りつつも、ここは隣の男性にニッコリ頷いてハンドルから手を離した。

待つ事しばし、一旦「二」でハズれたかと思いきや、スペシャルリーチに発展、見事確変で当たった。この確変はワンセットで終了したが、時短中に2回も確変を引き戻して7連チャンまで伸びてくれた。ただその間、隣の男性がそこでずっと打っていたので、残念ながら恥ずかしくて「夏祭り」を歌えなかった(笑)。

その後、もう一度3倍ハマリを喰らったが、それ以外は順調にすぎるほど当たりまくり、終わってみれば38回も大当たりをゲット、久々のホームランであった。

ここのところほとんど毎日惰性気味に打っていたが、本当に今日は楽しんで打つ事ができた。これから当分の間、ギターの音色が頭から離れる事はないだろう(笑)。




【哲也に聞け!! 阿川プロへの質問コーナー】

Q.
いつも日記を拝見しています。いよいよ年も押し詰まりました。よく、年末のホールは稼ぎ時と言われますが、阿川さんは12月のホール状況をどうお考えでしょうか? 本当に稼げるのでしょうか? 一般ファンへのアドバイスなどありましたら教えて下さい。


A.
この質問を見てから、毎年の12月の成績を調べたのだが、驚いた事に過去5年とも、自分のノルマを下回った事が一度もなかった。多少ツキもあったのだろうが、やはり良い台を打っていたのだ。

私の成績から見る限りでは、12月はいつも通り、いや、それ以上に良かった事になるが、冷静にみればいつもと変わらないのではないかと思っている。特に大手チェーン店などでは、イベントが月末の土日であったとしても、いつも通りのイベントの釘調整だし、逆に20日前後でも特別いつもより釘を開けているとは感じられないのだ。

まあ確かに年末から年始にかけては一般の勤め人にとっては懐が緩む時期ではあるけれど、不況の昨今、そこでぼったくったのではますます客足が遠ざかってしまうというもの。もし私がパチンコ店のオーナーなら、年末ギリギリまでは正月の事を考えて、イベント等で出玉を還元し、しっかりとエサを撒いておく。だだし正月三が日はぼったくるかもしれない(笑)。

まあ普通に考えれば、ホール側がいつも通りの割数でも、懐が暖かくなったお客さんが多くなれば儲かるのは当たり前である。だから特別ぼったくる必要もないと私は考える。よって一般ファンの方々も、いつも通り太っ腹にならず、普通に対処すれば良いのではなかろうか。



※フィーバー夏祭りMX[SANKYO]…大当たり確率1/315.5、確変突入率50%のデジパチ。確変大当たり後100回転の時短が付く、いわゆる「ハーフ時短タイプ」。