休養のための長旅だったはずが
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※パチンコ必勝本DREAMS2003年12月号に掲載されたものを加筆・修正しています


どんな仕事でもスランプが存在すると思っているが、私も然り、一年間で何度も遭遇する。しかし、今回は下手をするとパチプロ生活に引導を渡されるほどの重大なものであった。それは目の酷使からきた"眼精疲労"である。これを治すにはしばらく仕事を休むしかないので、成績が悪いにもかかわらず休養の旅に出た。



9月11日(木)曇り
昨日から原稿執筆と雑用に追われ、かなり疲れていたので21時過ぎには床に就いた。しかし、明日からの長旅の事を考えていたら、まるで遠足を翌日に控えた小学生のように逆に目が冴えてしまい、最近には珍しく興奮してしまった。そして、いてもたってもいられなくなり、布団から飛び起きると22時前に愛車に乗って自宅を飛び出した。

全く気まぐれな自分らしい旅立ちであった。目指すは岡山である。今夜は中秋の名月が見られるはずだが、あいにく仙台は夜空に雲がかかっていた。



9月12日(金)晴れ
途中、給油とトイレで2回パーキングエリアで停まった以外は、ずっとハンドルを握りっぱなしで、ほとんど寝ずにあっという間に岡山まで来てしまった。普段は高速道を1時間も走ったら眠くなるのに、楽しみな昆虫採集の事などを考えたらテンションはますます上がってしまった。

今回の旅の目的は休養と昆虫採集なので、仕事場にはなるべく行かないと決めていたのだが、今朝は、岡山の友人Y君が連日通っている某店で仕事を手伝おうと思っていたので、旅行初日からパチンコ店へ足を運んでしまった。


最近は以前に比べると、同業達との付き合いをかなり制限しているので、他人のために台取りをするなんてまず考えられないのだが、私にとって彼は特別である。

Y君とは3年前からの付き合いだが、もし彼と出会っていなかったら、ひょっとすると2年前に廃業していたかもしれない。私が精神的に行き詰まった時、彼の生き様がパチプロを続ける決心をさせてくれた。それほど彼は私にとって重要な男なのだ。


一応彼の狙っていたパチスロの台を取る事はできたが、運悪くその台は高設定ではなかった。仕方がないのでY君に別れを告げ、店を出ようとしたが、パチンココーナーに気になるシマが見つかった。それは権利物のニューロードスターVである。

Y君によると、この店は頻繁に設定1を使っているらしい。それに換金率が3.3円でクギにメリハリがかなりある(とはいっても美味しそうな調整ではない)。もし間違いがあったら大魚が転がり込んでくるかもしれないという誘惑に駆られ何台か打ってみたら、数日前まで地元で打っていた時の絶不調が嘘のように当たる当たる。

しかし、やっぱりどの台も見た目通り回転率が今ひとつだったので14時過ぎにヤメ。勝ちはしたがクソ台で粘り過ぎた事を反省し、やっとの事でパチスロの優秀台をゲットしたY君に別れを告げ、ウキウキとした気分で岡山での本来の目的であるオオクワガタ採集に向かった。



9月20日(土)曇り
家を出てから今日でちょうど10日目になる。12日に岡山でニューロードスターVを打ったあと、5日間は岡山県内の鳥取県境に近い山奥で温泉に泊まりながら昆虫採集に明け暮れ、久しぶりに楽しい日々を過ごしていた。

17日まで趣味を満喫し、その後は名古屋へ移動したのだが、ここで予定は大幅に狂ってしまった。当初、気になる店が1軒あったので、1日くらいは仕事をしてもいいかなと行ってみたのだが、予想に反して状況が良すぎて、9日連続で仕事をする事になってしまったのだ。特に20日は非常に印象深い日になった。


その日、A店に到着したのは10時20分。この店に来るのは今日で3日目である。実は一昨日昨日と美味しい仕事にありつけたので、一応今日もダメ元でゆっくり来たというわけだ。予想通り、連勝したサービスコーナーのシマはクギが閉まっていたので店を出ようとしたのだが、たまたま満席だった新海M56の1台が空いたので、とりあえずキープして打ってみる事にした。

クギはヘソ幅が12.5mm前後のフラット調整、ワープがややマイナス、スルーがややプラス、他はほぼ無調整といった状態だった。千円あたりの回転数は間違いがない限り20回前後と思われたが、実際に打ってみたらやはり予想通りだったので、2千円で台を捨てた。

しかし新海は人気がある。私が席を立った途端、間髪を入れずに他の人が台をキープしにやってきた。今度こそ店を出ようとしてガラガラの海6のシマを通りかかった時、ちょっと信じがたい光景に出くわした。


それはお偉いさんらしき人物が、営業中にもかかわらず数台のクギをアケ始めたのだ。ヘソこそゲージ板を使って遠慮がちに右側のみを叩いていたが、ワープや賞球口のクギは思い切りひん曲げてアケている。これがマイナス調整だったなら大問題だが、こういう場合は誰も文句を言うはずがない(笑)。

全部で4台のクギをアケたが、このシマには私を含めて4人しかおらず、しかも1人は確変消化中である。どの台を選んでも勝負ラインをクリアーできそうだったので、常連らしき2人の男性が台を決めた後、残り2台のうちの特に賞球口の1ヶ所を大きくアケたと思われる1台にタバコを置いた。


間近でクギを観察してみると、ヘソは約14mmで右開き、ワープ入口は大幅なプラス。さらに1ヶ所の賞球口の大幅なプラス調整は注目だ。海の賞球はヘソを除いて全て15個戻し。もし私の予想通りにこの穴に玉が入ればしめたものだ。

最初の500円はイマイチだったが、なんと次の500円ではヘソ以外の賞球口に12個も入った。上ムラにしてもこれは凄い。驚きながら1500円目の玉を上皿に流した直後の56回転目、1と9の図柄でリーチになって魚群が走り、斜めにタコが揃った。

この確変はワンセットで終了したが、これはもう勝ったも同然。今日は木曽川沿いに愛知県産の鳴く虫を探しに行く予定にしていたのだが、こんな事は滅多にないので当然のことながらキャンセル。少し残念ではあるが、このようなチャンスを放棄したら罰が当たってしまうというもの。とにかく贅沢を言ってはいられない。有り難くこの台を終日打たせてもらう事に決めた。


その後268回転単発、470回転単発、946回転単発という展開だったが、なんとまだ一度も持ち玉を切らしていない。1回分の出玉は2千発もないものの、千円あたりの回転数がゆうに60回以上あるおかげなのだ。これは今まで打った海の中では最高の回転率。こんな優秀台ならば、むしろ大ハマリした方が得である。

そういえば、ここしばらく2千回オーバーのハマリを経験していないし、今日みたいな台でハマる分には幸運この上ないのだが…。

とはいえ夕方6時過ぎ、最後の当たりからまた913回転ハマり、この日初めて持ち玉を切らしてしまった。しかし回転数は下がるどころかますます好調で、ここ2時間以上は千円あたり80回くらい回っている。だがハマリの方もこれに負けじと絶好調?

とうとう夜9時過ぎ、今年2回目となる久々の2千回オーバーを喰らってしまった。もうこうなったら当たらなくてもいい。せっかくだから、こんな台の時こそワースト記録更新といきたいものだ。


しかしその後の2036回転目に2と3のダブルのノーマルリーチで、3のカメがあっけなく停止してしまった。持ち玉を切らしたあと回転数は落ちたとはいえ、千円あたり60回を切っていないので、再投資額は1万8500円で済んでいた。

久しぶりの大当たりで、しかも確変だったから正直嬉しかったが、これ以上の大ハマリを期待していたので、ちょっと複雑な気持ちである(笑)。この確変は3連チャンで終わり、最後に270回まわして仕事を終えた。

本日のこの台の成績は、初当たり4036分の5(807.2分の1)。確変図柄3回。4800円の負け。強烈なハマリを喰らったが、久々のお化け台だった。しかし、もしこれが同じ三洋のギンパラのお化け台だったなら、1時間あたり500回転以上回るはずなので、380回くらいしか回らなかったのに不満を持ったのは贅沢というものか。


次の日もこの台を狙いに来たが、案の定ヘソは元に戻っていた。しかし、ヘソ以外の賞球口は据え置きだったので千円あたり40回以上まわり、7万以上勝った。まあこれでも2日間の仕事量に対しては大幅な減収だが、この貸しは忘れた頃に必ず返ってくるだろう。

結局この店では9月26日まで連続9日も打ってしまったが、久々に連日良い仕事をさせてもらった。今後上述のような海を打つ事は恐らくないだろう。まったく有難い名古屋での9日間であった。ただ、目の状態は相変わらずだったのでちょっと辛かったが…。ちなみに打ってる最中は目の事を考え、無駄玉覚悟で頻繁に瞑想モードへ入っていた(笑)。


その後27日から6日間は一切仕事をせず、伊豆の片田舎に昆虫採集を兼ねた湯治で6日間逗留した。そしてなんとか目と左足の痛みが治ったので10月に入ってから地元・宮城県に戻って来た次第である。最近は、またいつも通りの仕事へ戻ったが、今度は切羽詰まった状況ではなく、もっと余裕を持って旅に出たいものだ。




【哲也に聞け!! 阿川プロへの質問コーナー】

Q.
最近、新機種のランプがだんだんどぎつくなってきましたが、阿川プロも目の不調を感じているご様子。私も打っていてツラくなる時があるのですが、何か有効な対策はないでしょうか?


A.
ピカピカの演出が顕著になってきたのは3年ほど前からだったと思うが、特に一昨年から去年にかけて酷かった。

私は光に対して特に敏感らしく、これは相当堪える。とにかく、当たりもしないリーチが1分以上続き、その間ずっと光り続けるのだ。これをいちいち凝視していたのではたまったものではない。現に私以外にもスーパーリーチ時に光る場所を押さえたり、目を反らしたりした人を何回か目撃した。メーカーの開発陣は長時間パチンコを打った事があまりないのではなかろうか。今後はもっと打ち手の立場に立って開発してほしいものである。

さて私の防御法を述べると、やはりサングラスが一番。真っ黒いタイプを使いたいのだが、かなり目立ってしまうので、現場では色が薄めのタイプを使用。また、当たり前だがスーパーリーチがかかった時には極力視線を反らして目を閉じ、音だけを聞くように心がけている。

なお地元の宮城県はどちらかというと封建的な城下町気質が未だに残っているので、店内でのサングラス使用は酷く目立つ。しかし、もしパチンコが原因で目を悪くしても誰も責任を取ってくれるとは思えないので、光る台を長く打つのであれば絶対にサングラスは必需品である。それが嫌なら長時間連続でパチンコを打たない方が賢明であろう。



※海物語6[三洋]…大当たり確率1/306.5、確変突入率50%のデジパチ。時短はない。最も多かったと思われる「3R」は大当たり確率1/315.5。