持つべきものは同業の友人
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持つべきものは同業の友人
※パチプロ必勝本2000年6月号に掲載されたものを加筆・修正しています
先般、2.38円無制限の店で期待値3万5千円の台を打っていたが、持ち玉が1万発あるにもかかわらず昼過ぎに仕事を放棄してしまった。理由は疲労の蓄積による眠気、吐き気、胃痛の三重苦。
今年に入り、2月末の時点で80万しか稼ぎがない私はまさに尻に火がついた状態だった。よって3月4日以降、20日以上も休みなしで仕事をしている。
釘が渋くなれば即休みを取りたいのだが、皮肉なもので、こんな時に限って打てる台がある。おかげで3月は約1年振りに300時間以上の稼働を強いられた。収入は80万以上になったが、その代償として前述のような過労に苛まれている毎日…。
しかし現金なもので、ドロップアウトした当日、外に出て春のポカポカ陽気に触れた途端に三重苦はどこへやら。夕方まで、郊外の林道をヤマハセローでモトクロスさながらギンギンに走り回った。汗をびっしょりかき、くたくたになったが、翌朝の目覚めは久々に気分爽快だった。やはり人間、ある程度肉体を使わないと、心身共に健全を保てないようだ。
3月24日(金)曇り
いつも通り7時20分に家内に起こされたが、今日は登校拒否の学生よろしくパチンコから逃げ出したい気分だ。
実は一昨日まで我慢して打っていた仙台市北部のホールで、新内規CR機が昨日ついに期待値2万5千円を全台下回ってしまい、その後店回りするも全くダメで、ついにアテがなくなっていたのだ。
今月の成績は昨日の段階で229時間稼働のプラス52万1900円。3月4日以降ぶっ続けで稼働しており、成績も順調なのでいい加減休みが欲しいのだが、先月までの稼ぎが少なかったので、目標の60万を達成するまでは決して休みを取らないと誓っているので、ここで挫折するわけにはいかない。
とりあえずノートに目を通すと、今日もいろんなところでイベントはある。しかしどこも期待度30%以下であろう。とすれば家から近い仙台駅前周辺に行ってみようと考え、ようやく重い腰を上げた。
目当てのG店に着いたのは8時50分。すでに店は開いており、一流プロのY君やS君も顔を見せていた(両氏とも毎年700万以上稼いでいる、人間的にも尊敬できるトッププロだ)。
一通り見て回ったが、予想通り? 幻滅。サービスデーなのでヘソちょい開けの台は何台もあるのだが、寄りとジャンプ釘をかなりマイナス調整されている。Y君なんぞは「じゃあ他の店に行きます」と言って速攻出て行った。
私も、最後に未だ打ったことのない新台のCR牛若外伝を見てから退店しようと思ったら、S君が意外なことを言ってきた。
「この牛若、30以上回る台がありますよ」
だと。しかし、全台ヘソ幅はほぼ平行に近く、加えてジャンプ釘が電チューとは反対方向、しかも下向きに振ってある。横から見てもヘソが極端に上を向いていた。さらにこの機種が入ってからすでに1週間以上も経っており、どう見たって回収コーナーにしか見えない。
追い撃ちをかけるようにまたS君が、「僕が押さえた台は昨日35回転くらいありました」と言ってきた。その台を見せてもらうと、前述の酷い調整こそ他の台と一緒だが、唯一魅力的な部分があった。それは風車上の寄り釘がプラス調整になっていた点だ。
ゲージの悪い最近のSANKYOの機種(特に風車上の電チュー側の寄りの一本釘の位置が低すぎる)なら、よほどプラス調整でない限り打つ気にはなれないが、この牛若の風車上の一本釘は、SANKYOのしむけん等のそれよりもはるかに上の位置に打ち込んである。これは試してみる価値がありそうだ。
とりあえず全台寄り釘をチェックした結果、S君の台の他に2台プラス調整が施してあった。彼の台よりは少し劣るものの、このシマで2番目に寄り釘の良い台へたばこを置き、S君にこう言った。
「打ちたい台があったけど、このシマに自分が入ったら迷惑がかからないか」と。
S君曰く、「いや、全然。それなら最初からそんなこと言いませんよ。気にしないで打って下さい」。
実に有難い言葉。しかも私が押さえた台は、彼が2番目に打ちたかった台らしい。感謝、感謝。
ここでパチンコで稼ぎたい方にアドバイス。ちょっと大袈裟だが、戦国時代中国地方に覇を唱えた毛利元就の話を例に引きたい。彼が臨終の際、3人の息子に矢を1本ずつ渡し、これを折ってみろと言ったところ、3人ともこれを難なく折った。次に3本ずつ矢を渡し、折らせたところ折ることができなかったという話だ。
つまり、1人の力はわずかでも力を合わせれば思いもよらぬ力が発揮できるということ。所詮人間個々の力は知れたもの。何かを成し遂げようと思えば仲間がいた方が絶対有利である。そして私が思うに、パチプロの場合、優秀な仲間の存在は大幅な収支の向上につながるのだ。
関連した話で、S君と私の間で去年こんなことがあった。4月のある日、いかにも回らなそうなガラガラのCRゴジラ2のシマで、私が1人で打っていた時のことだ。
店回りに立ち寄ったS君が私に「この釘でどのくらい回るんですか」と訊いてきた。42~43回と答えたら「これでそんなに回るんですか」とかなり驚いた様子だった。
そのゴジラは寄り、道釘がかなり酷い台で、釘読みの優秀なS君が敬遠するような台だった(ワープはかなり開いていたが)。しかしそれ以来S君はゴジラシリーズを頻繁に打つようになり、ついには彼が去年一番稼いだ機種になった。その数ケ月後、今度は逆にS君からCRかましの金ちゃん2が喰えることを教えられ、かなり稼がせてもらった。結果、2人とも見事年間ノルマ達成となったのである。
この他にも、落ち込んでいるとき助け合ったり、楽しく遊んだりと仲間同士で力を合わせて得られたメリットは沢山ある。もし私が他の同業を敬遠しまくっていたら、年間ノルマ達成は厳しかったであろう。
とにかく、優秀なプロは人間的にも尊敬できる人物が多く、付き合って何かしら得るものが多いはずだ。ただし、近づく時、決して金銭的な損得勘定など一切考えずに、あくまでも自然に挨拶程度から入るのが無難である。
日記に戻ろう。私が選んだ台は最初の千円で38回。弾道を観察していると、元々寄りが優秀なゲージのせいか、最近のSANKYO等のそれと比べると、道釘に届くまでのこぼれ玉が明らかに少ない。そして驚いたことに、玉の逃げる比率が風車上の外側よりも、風車と道釘の間からの方がずっと多いのだ。
ということはひょっとしてこの機種、風車は外向きがいいという概念が通用しないのではないかと考えた。そのうち内向きの風車にもお目にかかる機会があるだろうから、その時はぜひ試してみたいものだ。
回りの方は、投資5千円の時点でも千円ベース35回を切っていない。そして保留玉3個目から時短が効くので、結構時間効率も良さそうだ。このペースだと時間350回以上回せるだろう。
さて投資7千円、255回転目に噂のウグイスが飛んでいった(本物のウグイスをよく知っている私には緑色のモズにしか見えなかったが)。図柄は七。これが牛若リーチに発展し、2度目のジャンプで月が現れ、見事七に蹴りが入って大当たり。
その後、21時40分まで打ったが、回転率は終日安定して33~34ペースをキープし、展開の方も初当たり確率2814分の14(201分の1)、確変大当たり16回、通常大当たり14回と絶好調。終わってみればプラス10万5千円の思わぬ大勝ちと相成った。
もちろん翌日以降もこのシマに通ったのだが、冒頭の通り、どういうわけか10日間もベース30以上の釘が残り、成績の方も運良く期待値を上回る1日平均5万円近く稼がせてもらった。
牛若を10日間打った感想として、ゲージ、スペックとも非常に優秀で、大当たり中に右打ちしてもパンクの心配もない。特に確変中の強烈な玉増えは他の新内規CR機の追随を許さない(平均200発強の玉増えがあった)。以前何度もパンクさせられた苦い思い出のジャマイカを作ったメーカーが出したものとはとても思えないほど出来が良い。
まあ店側も慈善事業をやっているわけではないので、普通入替から3~4日も経てば風車上の釘などは大幅にいじってくるはずだ(某チェーン店などでは最初から寄りがマイナス調整だった)。それ故、新台で入ったら要チェックの新内規ナンバ-2の喰える機種だと思っている。ちなみにこの牛若、ヘソは上げ調整になっていないとかなり回転率が落ちるようだ。
それにしても私が長らくお世話になっているSANKYOが最近本当に喰えない。とにかくゲージが悪く、時間効率も他のメーカーの台より明らかに劣る。唯一、リーチの演出だけは凝っているが、そんなことは私にとってどうでも良いことである。一刻も早く自分の理想とする、ヘソが平行でも1回交換のボーダーをクリアする可能性を秘めたゲージを登場させて欲しいものだ…。
※牛若外伝 [藤商事]…大当たり確率1/317.6、確変突入率50%
【初出:パチプロ必勝本2000年6月号】
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