チョミラスバベリバ
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チョミラスバベリバ
うっかりしていたが、この本は全国版であるからして、当然読者の皆さんは2円~等価の様々な交換率のホールでパチンコを打っている訳だ。
これを全く認識していなかった(私のホームグラウンドの宮城県のパチンコは交換率2.5円)。
なぜこんなことを書いたのかというと、12月下旬、仙台市中心部のA店が大規模なリニューアルオープンを行った際、遂に交換率2.5円の壁を破ったからだ。まさに画期的。
私がそのA店を見に入ったのは、オープン2日目(12時開店)の2時頃だったが、土曜日と重なったこともあり、客付きは100%プラス待ち人多数で、店内移動もかなり苦労させられる状況だった。
それでも30分くらいかけてほとんどの機種を覗き見したが、釘の様子は一週間前の平常営業と何ら変わっていない。
当然、保留玉の点灯状況もチョミラスペベリバ(小学5年生の娘から教えられたコギャル語で、超ミラクルスーパーベリーバッドの意)。
あまりの釘の渋さと、それに反比例する人の多さに呆れ果て、呆然と立ち去り、近辺のホールを見て回っていると、携帯電話が鳴った。
同業のK君からだ。
「おい、A店行ったか。交換率3.5円だぜ」
と言われ、我に返った。慌て者の私は、まさか交換率が変わっているなんて夢にも思わなかったし、確認もしていなかったのだ。
道理で釘が甘くなかった訳だ。
後日、同業のI君から聞いた話だと、一部の機種は3日目に釘を開けたらしく、現金機のデジパチの一部は千円ベースで27~28回くらいだとのこと。
しかし、私の個人的理由で(店の玉が全て金色だから)、以後一度も立ち寄っていない。
12月16日(水)
我々パチプロにとって12月は一番の稼ぎ時である。とにかく、どこもかしこも雨後の筍のごとく新台入替ラッシュだ。
しかし最近の新装オープンの釘は渋く、3件に1件くらいしかまともな台を打たせてくれない。
今日は市の中心部で12時オープン3件、そして新装2日目9時オープン4件である。
何もこんなにかたまらなくてもいいのにな、と内心ぼやきながら、新装2日目のB店から回ることにする。
B店は昨日12時開店ながら、同業のSK氏曰く
「CRF空手OH!SRが千円ベース35回で使えるよ」
との事。他に新台は
「CRいれてなんぼWIN2」
「めぐみ工務店DX」
「Fねずみ小僧DJP」
が導入されている。
私は9時10分にホールに着いたが、新台のシマはどの機種もまだ人はまばら。
「違う時期にこれだけの機種を入れりゃーもっと人が集まるだろうに」
などと思いながら台を見て回るが、やれそうなシマは空手OHとねずみ小僧だけ。
迷った末にねずみ小僧を打つことにしたが、その間ににシマはいっぱいになってしまい、最後の1台を何とか押さえることができた。
他の台の周り具合をチェックしてみると、保留玉の点灯状況からみて間違いなく千円ベース30回は超えているようだ。
よーしとやる気になって打とうとした時、ふと隣の男を見ると、何度か見たことのある若い同業者だった。
彼は市の中心部で4~5回打っているのを見かけたのだが、話をしたことはまだなかった。若いながらも優秀なパチプロのようだったが、ひとつだけ気になったことがあった。
それは、何故か一度も笑顔を見たことがないということだった。
大当たりがきても、世紀末に遭遇したような(現実でもそうだが)顔を決して崩そうとしないのだ。
私は身勝手にも軽い腹立ちにも似た感情を抱いていた。
そして今この瞬間も同じだった。
なぜなら、私のポリシーである
"楽しく打つ"
とはおよそかけ離れた雰囲気なのだ。
余計なお世話なのは百も承知なのだが、このまま隣で打っていたら、また声を掛けて(今までは全く無視されていた)今日こそ"お節介"をやってしまいそうだ。
私は台に置いていたタバコを取り上げるとB店を立ち去った。
普通ならこんなことまでは考えないのだが、それだけ同業として私は彼に好感を持っているのだ。
時間は9時50分、C店、E店の12時開店までまだ時間がありすぎるので、近隣のF店、H店他7店舗を見て回るが、B店の台よりおいしそうな台は見つけられなかった。
それにしても仙台駅近辺は便利である。半径1キロ以内に20件以上もホールがあるのだから。車を使う必要はないし、見て回るだけで適当な運動になる。おまけに自宅から仙台駅まで徒歩15分ときている。
これで稼げれば言うことなしだが、現実は甘くなく、ここ3ヶ月ほど、駅周辺のホールでの日当は1万円強である。
11時を過ぎたので、無制限営業のC店かLN制のE店か12時までにどちらかに決めなければならない。
両方のホールともCRF空手OH!SRだけは絶対入るとの情報を事前にキャッチしていたので、もしそれを打つのであれば、常識的には無制限のC店だ。
しかし、E店の情報通のM氏によれば、今回のE店の開店は期待して良さそうだとのこと。
そういえば一週間前、E店の支店で、新装3日目の千円ベース33回のセクシーショットSを打った時、店員が20周年記念の大サービスだと言っていたのを思い出した。
迷ったが釘の大開きを期待して、E店に11時30分に並ぶ。新装オープンがピークの時期なので客は分散したらしく、私の前には7人しか並んでいなかった。
難なく空手OHをゲット。
まだ両隣の台も空いていたのでタバコとライターを置き、まじまじと最初に押さえた台と見比べる。
3台ともワープ入口は中の上、風車周り、道釘、ジャンプ釘は良、特筆すべきはヘソが今まで見てきたどのホールよりも1ミリ以上確実に広い。どう見たって千円ベースで35回を切っていることはないだろう。
結局最初に見た台が一番ヘソが広かったので、両隣のライター、タバコを引き上げた。
それから旧台のシマを見て回ったが、確かにサービスコーナーの釘を超すような台は見つけられなかった。
不思議なことに私の知っている常連は全員旧台を選んでいた。やはり新基準は人気がない。
私も好きではないが、今日は久し振りに良いと思われる台をゲットできたので、少し嬉しい。どう打ったって1回交換のボーダーは上回るはずだ。
12時1分に打ち出し開始。
案の定デジタルはよく回り、保留4個目が点灯しまくる。最初の千円で56回。
回りムラだとしても嬉しくてニンマリしてしまう。
1時間が経ち、男性コーナ-8台中4台が初当たりを引き、うち2台が無制限を取り、私の左隣のお兄ちゃんは単発だけだが、既に3回目の当たりを獲得していた。
確変を引けないのが気に入らないのか、ちょっと不機嫌そうな顔をしている。
それにしても左隣の台はよく回る。明らかに千円ベース40回は超えているだろう。どう見たって自分の台の方が良く見えるのだが、これはクセ以外の何物でもない、と自分を納得させる。
私の台は1時間で353回転、投資9千円、信頼度の高いリーチは1回もなし。
2時間経過。
683回転当たりなし。投資も1万8千円。
「また確率の3倍以上ハマるのか、今日も負けるのかもしれない。
かも・かも、かもシカッでもいいから現れろ! 演出だけでもハラハラさせてくれよ」
などと思いながら2度目のトイレに席を立つ。
ここで作戦を考える。
どうせ負けるんだったら左隣のブン回りの台に移ろう。
私の見たところ、その台に座っているお兄ちゃんは真面目な学生風で、そろそろ現金投資をヤメそうな雰囲気だった。
デジタル回転数の差は、現金投資で負けているときこそ重要なのだ。
トイレで顔を洗い、少し気持ちをリフレッシュさせてから席に戻ると、あれ、左隣の人がお兄ちゃんではない。女性の客に変わっていた。
なんと間の悪いことか。
こういう展開に限って左隣は当たりまくるのだ。
と思う間もなく覇王拳が1つになって確変で当たった。
よし、こうなったら2日勝負の心中だ。
今年の5月、F店でロードスターVとの2日間に渡る格闘を思い出した。
その時、1日目は完全な持ち玉になるまで9万8千円投資、4万5千円回収。
2日目は2万3千円投資、10万7750円回収だった。
なぜこんなことをやらかしたのかというと、2日目も釘は絶対変えられないと確信していたからだ。少なくとも去年までは年に2~3度、このようなことをやっていた。
当時は出玉が少なければ翌日絶対に釘を締めないホールでやっていたし、何よりも現在のボーダーを2割以上上回る台を結構見つけられた。
今に至っては新装の釘も渋いし、それがたとえ出玉が少なくても、3日目は無制限のボーダー近くまで回転数が下がってしまうのが普通だと思っている。
今のところ爆発台はないようだし、たとえ何回ハマろうとも勝負を続行しようと決意を新たにした。
午後7時、依然として当たりなし。
投資5万9千円、2269回転。
この時点で今日の負けを覚悟した。
2回目の休憩を取り、19時45分からまた打ち始める。全16台中当たりがないのは当然私の台だけ。
打ち方を、少しでも金を節約しようと保留3個止め打ちにする。気分は座禅の境地、半分南の島で遊んでいる。
2656回転目、思いもよらないお色拳で当たった。図柄は二。
確変でもないのに店員が無制限札を付けてくれた。
我に返ると21時のタイムサービスに突入していたのだ。
思わず笑ってしまった。
投資金額6万8500円。
以降175回転、超バター拳が確変の五で当たったが、3連チャン目を取り切れず22時で時間切れになった。しかし1回分の出玉の保障があったので嬉しかった。
本日の成績、A店マイナス3千円、E店マイナス4万9500円。
本年度2度目の2千回オーバーのハマリ。
初当たり確率2831分の2、確率の4倍ハマリ。年に2~3回の大ハマリをここにきて喰らってしまった。
勿論翌日も意地でこの台を打ったが、回転数は千円ベースで33回に落ち、13時間で初当たり確率357.6分の1(大当たり計13回)。
プラス1万2千円で終わってしまった。
それ以降、やっと春の兆しが見えてきた今日この頃である。
今年は昨年末の惨敗を復讐すべく、臥薪嘗胆の心意気ながらも、より楽しく打つことを心掛けていきたいと思っている。
新年も宜しくお付き合い願いたい。
【初出:パチプロ必勝本1999年3月号】
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