25%の生(藍川たお)
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「25%」という数字。コレを読んでいる方のなかには、親の顔よりも見たという人もいるだろう。最近の私は、この「25%」という数字を"最も効率的に脳が焼ける数字"だと思っている。

少し前に出た新台『アニマルスロット ドッチ(以下、ドッチ)』を打ったときのこと。この台のCZ「アニマルチャンス」に私は手のひらで、いや、ボタンの上で転がされていた。

システムはシンプルで、ボーナス中に獲得したチケットを使い、択当てに挑戦する。チケットには金(成功濃厚)、銀(2択)、銅(4択)の3種類あるが、ヒキ弱な私が手に届くのは、大体「銅」がメイン。


たかが4択、されど4択。誰しもがこの「1/4の勝利を掴み取る」という絶妙に高い壁の前に立ち、祈り、非情にもズレる絵柄を見て「台が思考を読み取っているんだ」と、怖い考えを思い浮かべた経験があるハズだ。


なぜこんなにも「25%」に心を乱されるのか。冷静に考えれば、1/4という確率は決して甘くない。4回やっても3回は失敗する。つまり、75%は「ハズレ」となる厳しい数字だ。しかし、この「25%」という絶妙なバランスがとてもいやらしい。エッチだ。

もしこれが1/2(50%)なら「まぁこれくらいなら当たるべ」と慢心する。逆に、1/10(10%)であれば「いや無茶を言うなよ」と、当たればラッキー程度の感覚で諦めがつく。

だが、1/4(25%)はどうだろうか。「気合いと直感が冴えていれば、己の力でねじ伏せられるのではないか」という、根拠のない自信と幻想を抱かせるのだ。

頭の中では「4択の正解を選ぶだけ、エケチェン(※)でもできる」という甘い言葉に変換され、だからこそハズれたときの精神的ダメージは、キルアに心臓を盗まれたときくらい痛い。その先にあるドリームが大きければ大きいほど、痛みは鈍く、重くのしかかってくる。

※赤ちゃんのこと



ドッチの択当ては、1回成功で10GのSTがもらえる。だが、10Gなど体感速度では瞬き3回分に等しい。勝利への現実的なルートは3枚のチケットをすべて正解させることだ。


ちなみに、4択を2回連続で当てる確率は1/16(約6.2%)、3回連続ともなれば1/64(約1.5%)だ。

数字だけ見ればかなり厳しいが、連続で正解すると「今、右リールが輝いて見えた」と、謎の自信が湧いてくる。スロッターとは、確率よりも己の第六感を信じる、実に欲深く愛すべき生き物なのだ。

「さっき3回ハズしたから、そろそろ当たるよね♪」と、フェルマーが泡を吹いて倒れてしまいそうなオカルト理論も、ホールの中では正義。頭の中では分かっていても「今、中リールが私を呼んだ気がした」「さっきは右でダメだったから、次は左、いや1周回って右だね…と見せかけて左」と、迷走してしまう。

自分の腕で勝利を、運命をこじ開けてやるんだという闘争本能が義務教育をなかったことにしている。


ただ、何度も75%のハズレを引き続け「2度と打つかよ」と思いながら懲りずにレバーを叩き続け、自らの直感で勝利を手にした瞬間、快楽物質が脳を駆け巡る。これこそが、私たちがATMへ向かう最大の理由である。

「こんなのハズれて当たり前だっつーの」と、冷笑しながら脇汗びっしょりでボタンを押すもヨシ。「正解を教えてやんよ」と、熱くなるもヨシ。

どちらにせよ、私たちはこの「25%」に振り回されているとき、間違いなく「生」を実感しているのだ。

結局、このコラムで何が言いたいのかというと、『アニマルスロット ドッチ』はとても面白いということ。


皆さんも、ぜひ択当てを楽しんでください。では!