わしがパチプロ!?
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人生いろんなことが起こるものだが、まさか「パチプロの××(本名)です。」などと自己紹介せねばならぬ日が来ようとは夢にも思っていなかった…。


初めにわしのことを書いておこう。

あるムラ社会の職人として活動しており、腕に関しては自他共に認める超一流。まぁ自他の"他"は師匠にあたる人間だけで実質2人の世界なのは悲しいが、わしが仕事人としてかなり使えるレベルなのは間違いない。わしが関わった仕事を目にしたことのある読者様もいるはずだ。

しかし、いかんせん仕事量の絶対数が少なすぎる(月平均で6日程度)ため、パチンコを打って稼ぎの足しにしているのが現状。


ただしパチンコの腕は自他共に認める三流。これに尽きるが収支がパッとしない。原因は自分でもよくわかっているが、いわゆる期待値至上主義でないからだ。

以前は期待値を追い求め、交通費と移動時間を惜しまず、それなりの収支は上げてきた。しかし、人間というものは一定の年齢に達すると、「ゆとり」というものを求めたくなるものだ。わしも例外ではなく、今はマイペースでそこそこ稼げれば良いと考えている。

パチンコを打つ中でのゆとりとは、ホールでの対人関係や自分の居場所の確保などと考えている。というわけで完全なジグマスタイルに落ち着くこととなり、今では決まったお店にしか行かない。まあ、ある店の常連だと思ってくれれば良いだろう。外見はどこにでもいる小太りの兄ちゃんで、容姿的魅力はなにもない。単なるデブな出不精者だ。


収支の話もしておくべきだろう。パチンコと本業との収入の比率はおおよそ6:4くらい。もちろんこれは1年を平たく見た時の数字で、月単位では8:2とか2:8などと荒れまくる。ヒドい時などはマイナスの時すらあるのだ。少し言い訳をさせてもらえば、たまたま稼働時間が取れなかったりだとか、ホールの状況次第でツッパれないなど色々あったりするのだが…。いずれにせよ、パチンコで勝っているのは間違いないが、ガチガチのパチプロではないということをご理解いただければと思う。

しかし使う時間は圧倒的にパチンコが多いので収益構造はバランスが悪く、時給も安い。オマケに総額面も零細企業の新卒以下なので家庭を持つのは夢のまた夢。そろそろ禿げてきた年齢だというのに、この有り様だ。本業で一本立ちしたい想いは強いものの、これも諸々考え合わせると夢のまた夢。父母に申し訳ない気持ちでいっぱいである…。


昨今のパチンコ台の性能として、MAXタイプはもちろん甘デジに至るまで出玉の波が荒くなるように設計されていて、読者様もこの波に一喜一憂されていることと思う。わしもこの波のおかげで収支は荒れまくり、苦境に陥っている。締め切りの関係で9月はまだ終わっていないが今月は大苦戦中で、マイナス収支も覚悟しなければならない状況だ。

理由は知る由もないが、8月は当たりがやたら多かった。しかしツキっぱなしなんてことは当然ないわけで、獲得した期待値に収束していくもの。そう考えると、早くもそれがやってきたのかと納得するしかないのだろう。

多少の乱高下はいつものことだし(ここから泥沼化することもよくある)、こんな時こそ基本に忠実にコツコツやらねばいけない。間違っても、MAXタイプ一発で取り返してやろうなどと考えてはいけない。

わしの通うホールは貯玉を1日1000発まで手数料なしで打てるので、現金投資で同じ玉数を使うのと比較すると約950円ほど得をする計算だ。今週は本業の帰りに大海2を1000発打つのが日課になっている。これは当てるのが目的なのではなく、貯玉差益の950円をコツコツと積み重ねていくという戦術だ。大海2なら15分程度で終わって時間も取られないし、下手の横好きのわしには都合がいい。楽なものである。


そんなわしがここに登場する経緯として、ある先輩がパチプロで原稿が書ける人間という条件で人を探していたらしいが、何故かわしに話が回ってきた。マイナス収支を叩き出すこともあるわしはパチプロを名乗るのには不適格で、文章にいたっては完璧なド素人だ。務まるはずがないと思った。

正直な話、聞いた瞬間に断りたかった。しかし先輩も良かれと思って話を持ってきたのだろうし、いきなり断ったら先輩の顔をつぶすような気がして、曖昧な生返事をしておいた。せいぜいわしの大切な個人情報が流出して終わりだろうとこの件は意識から消えた…のだが、数日後担当と名乗る人間から連絡があり、しぶしぶ会うこととした。


そこで冒頭の自己紹介となったわけである。パチプロで原稿の書ける人間を探している担当編集、そしてパチプロでもライターでもない私。どうにも上手くいくはずもないとは思ったが、自然と"パチプロ"という言葉を選択してしまった。とはいえ、担当もわしの現状を聞けばむこうから断ってくると思ったし、先輩への義理もこれで果たせる。そんな感覚で面談に臨んだ。

そしてここまで書いた通りのことを言ったのだが、担当はそれでもいいと言うではないか。ハッキリ言って先輩の実績が評価された(義理)だけなのだろうが、わしは困った。そこで1本書いてみるということで逃げることにした。書けば実力が出ると思ったし、先方も断りやすいだろう。試験なんて落ちるためにあると思っているし、また受かったこともない。好きなことを書いてやった。落第だろうと思った。


数日後、担当から連絡があり問題ないと言う。わしは悩んだ。わしも幾つかの仕事に携わったから、素人というのはしがらみがない分、意外な発想や着眼点を持っていたりするのは知っている。基礎がしっかりしていれば、化けた時とんでもない大物になったりすることがあるのもわかる。しかしよりによって…それがこのわしとは。

もちろんそんな大仰な期待を持たれているはずもなく、単なる使い捨てだろう。その通りにこのコラムは3か月の期間限定だ。しかしわしもここまで見込まれて断っては男が廃るというもの。 それではと、引き受けることにした。わしはわしなりの感覚でやってみることにする。


ひとつのホールに長く居れば様々なものが見えてくる。パチンコの勝った負けたを通して人生の縮図のようなものが現れてくる気がしている。当然、わしもその渦中の人物だ。パチンコに人生を狂わされてしまったのだ。そんなわしの生き様を交えつつ連載を進められたら、と思っている。

今回は初回だったので、わし個人のことや所信表明的になってしまったことをお詫びしておきたい。次回以降はパチンコ実戦などを絡めてタイムリーな話題にも触れていきたいとも思っている。

また本文でも触れたように文筆業はド素人だ。なので読者様のご声援や罵詈雑言をどんどんコメントしてほしい。それが、わしのチカラに変わると信じている。