体調不良との戦いだった
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※パチンコ必勝本DREAMS2007年6月号に掲載されたものを加筆・修正しています


この4月、私と同い年で学習塾を経営している友人が仕事を辞めた。なんと自分の好きなことを勉強したいと、約30年ぶりにまた大学へ入ってしまったのだ。聞けば身内に反対されたり(収入がなくなるばかりか逆に学費などがかかる)塾の生徒に泣かれたりで大変だったらしいが、彼女は「人生は一度しかないから後悔しないためにも好きなことにチャレンジしたい」と私に言った。

友人のこの決意を聞かされた時、頭をガーンと殴られたような衝撃を受けたと同時に大いに触発された。何をやるにもまずはその気になることが一番重要なのである。私もいつまでもこのままずるずるとパチプロをやってくすぶっていてはいけないのだ。


6時半、いつも通り携帯電話のアラームで目が覚めたが、昨夜、前述の友人の入学祝いで飲み過ぎたせいか頭がズキズキ痛む。久し振りの二日酔いだった。しかし2日間も休んだので今日は仕事に出ないわけにはいかない。

もし今日休んだことが友人にばれたら怒られるだろう。そう思い、もっと寝ていたいという誘惑にかられたが、気合を入れてベッドを抜け出る。なんとか7時には家を出ることができた。

今日最初に行く店は開店前に入場抽選があるので、早く着かないと仕事にあぶれる可能性が高くなってしまう。以前は1軒目の店で大体仕事にありつけたものだが、最近は状況が厳しいので、常に2~3軒以上回ることを意識して行動している。まあ仮に1番で入っても日当を確保できる台を確実にゲットできる保証はないのだが、とりあえず抽選に参加しないと話にならない。


7時20分過ぎ、仙台市東部のC店へ到着。この店は入場抽選さえクリアすれば打てる可能性が高く、家からも比較的近いので通うにはうってつけの店だ。しかし、ワケあってなるべくここでは打たないようにしているため、今日は久し振りなのだ。

着いてすぐに整理券を貰ったが、番号は86番まで進んでいる。しかも後からどんどん人が来て、結局最終的には200人以上に膨れ上がっていた。

その時たまたま知り合いの同業S君がいたので聞いてみると、今日は特別人が多いわけではなく、大規模なイベントが日曜日などと重なると400人以上もの人たちが押し掛けるとのことだった。

抽選を受けると、私は48番だった。先月頻繁に通っていたB店だと優秀台をゲットするには微妙な番号だが、S君の話によれば、この店は台数が多いから多分大丈夫だろうと言われたので安心した。


8時15分過ぎに入場が始まったが、抽選の時より大分人数が減っているようだ。さすがに私の前はほとんど欠員が出なかったが、後ろの番号を引いた人たちがリタイアしたのだろう。

間もなく私も入場したが、作戦通り真っ直ぐスー海のシマへ向かった(順番がもう少し早ければ沖海かエヴァ3のシマへ行こうと思っていた)。この店に朝イチから入るのは約1年振りだが、このホールは目当ての台を取るために走る人が結構多いので注意が必要だ。ただし私の直前に入った人は普通に歩いていたので私もその人を抜かさないように歩いていた。

しかし後ろからきた何人かが走って来たので、すぐに私達は抜かされてしまった。こんな場合、もしこの店とライバル関係にあるA店であれば店員から厳重に注意されるだろう。ただ事前に「店内を走るな」などというような説明はなかったし、店員が見ているはずなのに注意する素振りもまったくない。これは逆に走らないと損をしてしまう。

すぐに「これはマズい」と思い、前を歩いてる人には申し訳なかったが、私を抜いた3人を全力疾走で抜き返した。こんなことが頻繁に起こるわけではないが、こんな時まで品行方正を貫く必要はないだろう。

余談だが、もしこの仕事を始めた頃だったなら抜かれてもやり過ごし、後で店員に苦情を言いに行ったに違いない。当時はとにかく真面目で義侠心が強かったのだ。


話は戻るが、スー海のシマには予想通り数人の先客が入っていたが、まだイベント台には空き台が数台残っていたので、一番近くにあった1台に台取券を置いてキープした。本当は他のイベント台と見比べてから決めたかったが、後からどんどん人が来るのでそんな余裕などなかったのだ。とりあえずなんとか台を確保できたのでホッとした。

気になるクギ調整もスルー以外はまあまあだと思えたし、他のスー海のイベント台と比較しても大きな違いは見られない。後は実際に打ってみなければわからないだろう。


8時30分打ち出し開始。最初の1000円で24回転。まだなんとも言えないが、可もなく不可もなくといったところか。

10時過ぎ、2万円分の玉を使い切ったところで547回転だった。やはり予想通り大した台ではなかったようだ。しかし、この店の換金率なら13時間以上打ち込めばなんとか私の仕事量のノルマをギリギリ確保できそうだ。相当疲れそうな台ではあるが、回転率が下がらないことを願いながら勝負続行を決意した。


切りの良いところで、昨夜の飲み過ぎの後遺症を解消すべく(この日は終日下腹の調子が悪かった)、トイレへ行こうと席を立つ。するとその時、本日初の魚群が出現。

普通なら当たって欲しいと願うところだが、ここで急に下腹部に激痛が走った。一刻も早くトイレに駆け込みたいので正直ハズれて欲しいと本気で願っていた。こんな時スー海は、冬ソナなどのスーパーリーチと違い、1分も待たされるなんてことが絶対ないので都合が良い。

画面を見ると6と7のマリンちゃんリーチになっており、6がハズれた後で7も通過。急いでトイレにダッシュしようと思った次の瞬間、何とジュゴンが画面中央に戻って来てしまったのだ。本来なら非常に嬉しいはずなのだが、この時は便意がハンパではなかったので、はっきり言ってパニクってしまった。

呼び出しランプを点けて店員に打ってもらおうかと考えたが、とりあえず我慢できるところまで頑張ってみようと思った。大当たりに要する時間は5分もかからないが、今までこれほど長く苦痛に感じた大当たりは記憶にない。


なんとか大当たりを無事に消化。そして保留ランプの消化を見守っていたら、最後の保留玉で、あろうことかまた魚群が画面を横切った。これで万事休す。恥ずかしながら私は覚悟を決めて呼び出しランプを押し、店員に理由を言って打ってもらうことにした。

すぐに店員がやって来てドル箱を私に渡そうとしたので、「あのー実は…」と言いかけた直後、幸運にも当たり図柄が手前で止まってくれた。当然一目散にトイレへ駆け込んだが、これほどパチンコ店で安らぎを憶えたのは初めてであった(笑)。

この確変は5連チャン。その後も体調とは逆に楽な展開になり、順調にドル箱も増えていく。


しかし18時34分、この日初めて1000回転の大台を突破した。15時過ぎに18回も当たっていたので途中までは楽勝ペースに思われたが、やはりパチンコの展開は何が起こるかわからない。持ち玉もすでに7000個を切ってしまい、もしこのまま当たりを引けないと、21時過ぎに持ち玉を切らしてしまうだろう。

そんなことを考えていた1014回転目、隣の人の視線を感じたのでおもむろに顔を上げてみると、魚群が画面左側に消えていく直前だった。

危うく見逃すところだったが、それは間違いなくプレミアの赤だった。図柄は真ん中ラインのエンゼルフィッシュで珊瑚礁リーチに発展し、久し振りにサムが登場した。

今後この機種はどんどんなくなってくると思われるので、ひょっとしてこれがこの演出の見納めになるかもしれないな、などと考えていたら、赤魚群を感づかせてくれた右隣の年配の女性が、エンゼルフィッシュがカニに昇格した直後、私の方を笑顔で見ながら手を叩いてくれた。

その女性は3時過ぎから来て当たりまくっていたので気持ち的に余裕があったのだろうが、私もにっこりして頷いた。と、その女性が「確変になって良かったね」と言った。多分この人は赤魚群やサムが確変確定の演出だということを知らないのだろう。

しかし私は余計なことは言わず、笑顔で「はいっ」と言ってまた頷く。とにかくこの女性、最初から最後まで楽しそうに打っていたので、パチンコに疲れ気味になっている私には実に羨ましい光景だった。


結局その後また盛り返し、最終的には30回の大当たりを獲得。そして23時5分、最後の時短を消化して即ヤメした。終わってみれば珍しくほぼ理論値通りの成績でなんとか仕事量のノルマも達成できたが、今日は体調が優れず非常に辛かった。

それに加え、出玉が多くないのにスルーがマイナス調整だったので、一回分の平均出玉が1600個を切ってしまい、大分イライラさせられた。

それにしても午後から隣に座った女性は本当に楽しそうに打っていた。もちろん勝っていたからなのかもしれないが、私もしばらくパチンコから遠ざかったらそのような感じで打てるのだろうかと思いつつ帰路についた。


投資…20000円
回収玉数…19607個
初当たり(時短含む)…11/4428
大当たり回数…30回