18時開店で打ってみたが…
  1. TOP
  2. 18時開店で打ってみたが…


※パチンコ必勝本DREAMS2004年6月号に掲載されたものを加筆・修正しています


「光陰矢の如し」とはよく言ったもので、気が付けば今年でパチプロ生活が7年目に突入していた。

私はこの世界に入るまで普通のサラリーマンだったが、現在の仕事は以前と大きく違うところが2つあると思っている。一つは前にも書いたが、自らの意志で行動し、良いにつけ悪いにつけ100%自分に返ってくるということ。そしてもう一つは、やっていることがほとんど世の中の役に立っておらず、働けば働くほど周りの人達に疎まれていくということだろう。

私は人様に好かれるためにパチプロをやっているわけではないけれど、やはり一生懸命頑張ったあとで、褒められたり感謝された方が嬉しいに決まっている。

会社員時代は上司やお客さんによく怒られたりもしたが、必死になって仕事をやり遂げた後、依頼主から「ありがとうございました」と言って感謝された時は心底嬉しかったものだ。そして、また一人でも多くの人達に喜んでもらおうと、より一層仕事をヤル気になれたのである。

一方今の仕事と言えば、親しい人から一度も「パチプロを一生続けなさい」と言われたことはないし、まして一生懸命仕事をして他人から感謝されたこともないので、世間に認められないのは当然なのだろうが…。

そんな中でもなんとかパチンコを打ち続けてきたが、この仕事を続けることが難しいと思ったのは、このままでは健康を損ない寿命を縮めることが分かったからだ。故にパチプロは期間限定でしかやれない仕事だと思っている。



4月初旬某日(晴れ)
去年あたりから、私の行動範囲においてパチンコ店の新旧交代が頻繁になってきた。以前から「危ないんじゃないか」と思っていた店が何軒かなくなり、代わりに大手チェーン店の進出が目白押しといった状況である。

今日もいつも通り7時前に目が覚めたが、禁煙中にも関わらず、また例の症状が出ていた(朝起きると少し胸が痛むことがある)。実は私は15年以上健康診断を受けていなかったが、最近、自分と同じ位の年齢の元気だった人が、急に病気で他界したのを何人か間近に見ていたので他人事とは思えなくなり、意を決して先月苦手な病院へ健康診断に行ってきた。

その結果は、最も恐れていた肺ガンではなかったのだが、慢性気管支炎と診断された。ただし肺ガンの心配が100%払拭されたわけではなく、より詳しく調べるには最新式の機械がある病院へ行かねばならないとのことだった。しかも治すのに長期間を要するとも言われた。

この稼業を始めてまだ10年も経ってないのに、極端な視力の低下、難聴、そして今度は肺の疾患である。ただ幸いにも多くの優秀な同業達が悩まされている腰痛、肩痛の類がないことが、せめてもの救いかもしれない。


実は昨日まで、最近には珍しく13時間以上の稼働を4日も続けており、少し疲れ気味だった。そこへもってきて胸の痛み。まさに休むには都合のいい理由ができたので、気分転換を兼ね、久しぶりにオフロードバイクに乗って蕃山(仙台郊外のハイキングコース)へカタクリの花を見に行くことにした。この時期、宮城県では桜の花も見頃になるのだが、ちょっと郊外の開けた雑木林を探せば、桜に勝るとも劣らない美しいカタクリの花の群落を見ることができる。


一年振りに春の息吹を満喫。16時過ぎに帰宅すると、学生の長男が「急用ができたからお父さん行って」と某ホールの優先入場券を持ってきた。実は今日18時から仙台市内でグランドオープンする店があるのだが、長男が行けなくなったのだという。

ただ夕方開店の場合、以前より大分クオリティが低下しており、たまに良くても2時間ほどで閉店してしまうので、久しく美味しい思いをしたことはない。よって最近は打つ気で行ったことはほとんどなかった。

しかし今日グランドオープンする店は昔から知っている店員が大勢残っており、店内の風紀を守るための方策をきちんと実践していて、サービス業としての社員教育もしっかりやっている好きな店であった(最近は儲からないので滅多に行かなくなったが…)。

それでも本当は行きたくなかったのだが、長男がもったいないと強く言うので、とりあえず見るだけでもと思い、興味半分で行ってみることにした。


17時20分、A店に到着。優先入場券を持たずに並んでいる大勢の人たちを尻目に、悠々と正面入口から店内へ入った。そしてここからいつも慌ただしくなるのだが、今日は余裕しゃくしゃく。予め自分の打つ台が店に指定されているので(整理券をもらう際に打ちたい台を決めておくシステムだった)、ゆっくりとその台へ向かった。

専業の私からすればその場で見て決められないのは残念だが、釘を読めない一般の方にしてみれば良いことに違いない。それに、割り込みやグループによる台の独占といった行為を防ぐことができるので、店内の風紀を健全に保つという面から見れば、今後このような方法も良いかもしれない。


息子が選んだのは1回交換のキングホー助Vだった。営業時間が3時間くらいと予想される以上仕事量はあまり期待できないが、間違いが起こりさえすればCR機の何倍も見返りが期待できるこの機種は、今日の場合うってつけではある。シマに着いて周りを見たら、やはり私と同じ考えなのか、同業と思しき人達が半分以上を占めていた。

さて、問題は釘だが、見たところマイナス調整は風車下の2本だけで、ハカマは絞ってないものの、ヘソの広さは十分だった。そして一番重要な電チュー付近は久しぶりに見る大幅プラス調整。しかもアタッカーもプラス方向へ釘が振ってあったので、瞬時に時給5千円は下らないと判断した。

他の台もほぼ私の台と同じような釘調整で、営業時間が3時間だとしても、今時の大出血サービスと言えるのではと感じられた。18時のオープンまでまだ時間があるので他のシマを見に行ったが、CR機はどの台も千円あたりゆうに30回以上はあるように思えた。

18時ちょうど打ち出し開始。最初の500円では3回しか鳴かず、役モノにも1個も入らなかった。それに比べて両隣の台はすでに2回もデジタルが回っている。どうみても私の台の釘が両隣と比べて劣っているとは思えずちょっと不安になったが、次の500円で見違えるように鳴きだした。やはり見た目通り寄りが良いせいか、役モノにも面白いように玉が入ってくれる。ただ、振り分けのツキに見放されたのか、役モノに6個入ったにも関わらずまだ一度もV入賞はない。

千円分の玉が残りわずかになり、次の500円を投入しようとしたら、電チュー真上の右側の入口からラッキーなことに役モノへ玉が入った。しかしまた巡り合わせが悪く、Vの一つ手前の穴に玉が吸い込まれた…と思った瞬間、玉が穴を乗り越え、ようやくVゾーンへ入ってくれた。

ちなみに両隣の台は同じ投資額で既に3回もデジタルが回っている。この機種、普通のデジパチに比べ確率が格段に良いので、1回転の期待度はかなり大きい。それにしてもキングホー助のデジタルを回すのは久しぶりで、去年の10月以来である。


さて、1回転目で2の図柄から台枠がピカピカ光り出し、いきなり高信頼度のスローリーチへ発展した。まあ1回転目で当たるなんて虫が良すぎるというものだが、それでも一応当たり図柄の3を少しばかり期待を込めて見つめていた。そして3が半分通り過ぎて止まり、大きくなった効果音の演出がピークに達した次の瞬間、画面に見事3が戻っていた。

何とシマ一番の大当たりである。気になっていた出玉も、頻繁にオーバー入賞してくれたので2000個以上あるようだ。この当たりは単発で終わったが、抜群に寄りが良かったので、チャンスタイム中フルの13回まわせた。


その後大連チャンこそなかったものの、大きなハマリもなく順調に当たりを重ね、閉店時間の21時半にちょうど12回目の大当たりのチャンスタイムを消化して終了した。

本日の成績、大当たり確率12/181(約1/15)。総投資20000円。回収7万6250円。1000円あたりの回転数約3.8回。ほぼ確率通りだが、たった3時間半でほぼ2日分の目標収支を達成できた。この日はCR機も千円あたりゆうに40回以上回っていたらしいが、儲け効率では断然ホー助が上だった。ちなみに羽根モノコーナーは「ハズレ」だったようで、私が見た限り、約2000玉の箱で半分以上の台が1箱前後、最高でも3箱ちょっとだった。

入場券をくれた親孝行? の息子に感謝しながら、いつもより早めに家路についた。




【阿川プロへの質問コーナー】

Q.
こんにちは。いつも日記を拝見しております。 阿川さんでも『ゲン』を担ぐことはあるのですか? もしあるとしたらどんなことをしていますか? 参考までに教えて下さい。それとも『ツキ』は考慮しなくて良いのでしょうか? よろしくお願いいたします。

A.
私はパチプロになるまで3つの職を経てきたが、最後は葬祭業に携わっていた。皆さんも葬儀に参列した後、塩でお祓いした経験があると思うが、葬祭業において、塩で身を清めることは日常ごく普通の作法であった。私も入社当初は会社の教えを忠実に守り、退社する際は必ず塩で祓っていたものだ。

しかしある日うっかりそれを忘れて帰宅し、寝る前にそのことに気付いてしまった。すると、我が身に何か良からぬことが起こるのではという恐怖に苛まれ、気になってその後ほとんど眠れなかったということがあった。

普通であれば、そういった経験から塩で身を清めることに対して神経質になるところだが、変わり者の私は次の日から塩で祓うことを一切やめたのだ。その結果、毎日余計な心配をする必要がなくなり気楽になった。


ゲンを担ぐということとちょっとニュアンスが違うが、現在の仕事においてもこのような考え方で日々過ごしている。もしゲンを担いで少しでも収支向上につながるなら、私も積極的にやっているが、仕事上なるべく無駄を省きたいと思っているので、増収に無関係だと思っているゲン担ぎは一切行なわない。しかしプライベートではゲンを担いでいろいろ楽しんでいる。まあ、もし自分の意志で「ツキ」を呼び込めるのであれば、今頃私は億万長者になっているはずなのだが(笑)。



※キングホー助[平和]…大当たり確率1/16.4の権利物。
[1]左の落としに入賞するとフクロウの耳(電チュー)が開放
[2]耳に拾われた玉がフクロウ役モノ内の3穴回転体の「V」の穴に入ればデジタル(フクロウの目)が変動
[3]デジタルが「33」or「VV」停止で権利が発生
[4]右打ちで16R消化
[5]大当たり後は13回まで電チューの開放時間が5.8秒にアップするため、連チャンの期待大

また、[1][2]の通常入賞ルートの他に、直接役モノに飛び込むルートもある。