久々に甘い機種が
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※パチンコ必勝本DREAMS2004年5月号に掲載されたものを加筆・修正しています


先日、学生時代に所属していたサークルのOB会へ11年振りで参加してみた。その際、当時一番可愛がってもらった先輩に、「普段から人との付き合いを大事にしていないと、いざという時誰にも振り向いてもらえないぞ」と、音信不通だった事を厳しく叱られた。

先輩諸氏の中でも特に優しく温厚な人だっただけに驚いたが、それだけ自分の事を親身になって心配してくれていたのだ。『こんな俺でも気にかけてくれる人がいるのか』と素直に嬉しく思った。もう学生時代には戻れないが、あの頃の友人関係は利害関係など頭になく、本当に純粋なものだった。だから今でも当時の友人たちに会うと、自然と胸襟を開いて接することができる。


誤解のないように言っておくが、仕事上で接する人達が悪人だと言っているわけではない。現に友達になりたいと思う同業や店員さん達は沢山いる。ただ金銭が絡む現場だけに、情が絡むと逆にそれが仕事の足枷になってしまう事が往々にしてある。だから必要以上に親しくできないのだ。

それでも最近は積極的に本業以外での人間関係を大事にしている。人間、突き詰めれば独りぼっちとはいうけれど、やはり一度きりの人生、出会いは多い方が良いのではないだろうか。


さて、相変わらず禁煙を続けているが、そのストレスでケチがつきはじめた。2月から3月にかけて重度の風邪を2回も患い、しかもかなりこじらせてしまった。おかげで5年振りに長期間寝込んでしまい、当然仕事もままならず、去年の同時期と比べ、稼働時間は約半分に落ち込んでいる。

先月までは「もうこうなったら意地でもタバコをやめてやろう」と意気込んでいたが、もし4月になっても同じ状態が続くのであれば、これ以上仕事に差し障るのも困るので喫煙を再開しようと思っている。

ここのところ何回も禁煙についてクドクドと書いてきたが、今日限り、しばらく禁煙に関しては触れないことにする。よって4月1日に喫煙を再開したかどうかは、忘れた頃に報告しようと思う(笑)。



3月某日土曜日(晴れ)
この日は朝からくしゃみが続き、鼻水が止まらなくなってきた。いよいよ本格的な花粉症の到来である。

重度の杉花粉症の私にとって、3月から桜の花が散る4月下旬までは、一年で一番辛い季節である。当初、『今年こそ花粉症の季節は奄美大島(杉がなく趣味のクワガタの宝庫)で過ごそう』と本気で思っていたが、現状では断念せざるを得ない。


今日のターゲットは同業の間で今が最も旬な台だと言われているアポロ1号。走行距離16万キロの愛車に乗り、くしゃみをし、目をこすりながら県北のA市を目指して7時30分、家を出発した。

この機種は先月初旬に導入されたのだが、久々に大勝が狙える台である。大勝ちという点では、スペック面ではミサイル(大同)、大入(三星)、カリブ6(藤商事)などに軍配が上がるのだが、この機種はある程度の回転率を保たないとパンクが頻発してしまうので、見識のあるまともな店では必要以上にキツくクギをシメるような調整はできないはずなのだ。結果、爆裂度においては前述の機種に及ばないものの、総合的な甘さにおいてはこちらが断然上ということになる。


当然ながら、出始めた頃は台さえ取れれば高確率で大勝できたらしい(冒頭の理由で私はこの時期アポロの美味しさを満喫できなかった)。しかし、導入から1ヶ月たった今ではさすがに渋くなり、しかも高確率で手前の穴に入るような台がなかなか見つけられなくなっている。

まあホールも商売なのでこうなるのは当たり前なのだけれど、そんな理由で諦めていたのではこの稼業で喰ってはいけない。それで今日は遅ればせながら、旬を過ぎたとはいえ、まだ可能性を捨てきれないアポロ狙いで遠くまでやってきたというわけだ。


A店に着いたのは開店時刻の10分くらい前。すぐに入場が始まったが、私は新海のイベントコーナーへ急ぐ人達を尻目にゆっくりとアポロのシマへ向かった。同業らしき人が押さえた台以外はまだ全て空いている。導入されてまだ2週間も経っていないのにこれでは短命に終わってしまうに違いない。それだけこの機種の扱いが店側にとっては難しいという事なのだろう。

しばし検討した結果、入口に一番近い角台で打つことに決めた。履歴を見ると過去2日間で30回以上当たっており、そこそこクセが良いのではと推測できるからだ。クギを見る限りあまり良い調整ではないけれど、千円あたり30回くらいは回りそうである。もしクルーンの振り分けが良かったら、日当分どころか、2~3日分の仕事量が楽に確保できそうだ。


打ち出して2回転目、「ファイヤー」という声が聞こえた。いきなりの鉄板である。3のスピンリーチから一旦ハズれたが、すぐに再始動して当たり、まずは第一関門を突破した。

しかし問題はここからだ。もし奥の穴に入ったら、ほとんど大当たりのチャンスはない。玉がクルーンに入ってから一周、二周、三周…。この手の機種はVゾーンに入れば大当たり確定であり、しかも大当たりまでの玉の動きが目で追えるので、普通のデジパチよりずっと面白い。

何周したであろうか、かなり長い時間に感じられたが、なんとか手前の穴に入ってくれた。上手くいけば間に合うかも…と思うほどきわどいタイミングだったが、役モノにちょっと触ったものの、わずかの差でVゾーンに避けられてしまった。

残念ではあったが、やはりこの台は履歴通り素性が良いのかもしれない。デジタルの回りも千円あたり30回はありそうなので、中身の良し悪しが分かるまでとりあえず打ち続けることにした。この台の難しさはクオリティを把握するまで時間がかかることだ。あとは役モノのクセが良いのを願うだけである。

その後、31回転、117回転、10回転と早い時点でデジタルが当たったが、3回とも奥の穴に入ってしまった。まだ5千円しか使っていないが、これではおそらくダメだろう。しかし、2週間くらい前にも3回連続奥の穴に入った台を捨て、その後3万発近く出されてビックリしたことがあったので、ここですぐに台を捨てるのは躊躇してしまった。


ここでトイレに立ったが、その時、列の反対側の角台を通りかかったら、たまたまデジタルが当たったところだった。見ているとVゾーンには入らなかったものの、玉が手前の穴にしっかりと入っていた。

5分程して戻ってくると、またその角台のデジタルが揃う所に出くわした。今度はクルーンに玉が2個飛び込み、両方とも手前の穴をくぐった…ものの、結局どちらもVゾーンには入賞しなかった。

ハズれはしたものの、「この台、少なくとも自分が打っている台よりは良いのでは?」と思っていたところ、この台を打っていた初老の男性が上皿の玉を抜いて移動していった。隣にも人がいたが、その台に移動する気配もないようなので、私は車のキーを置いてその台へ引っ越しすることにした。


午前11時過ぎ、台を移動してから1時間半以上が過ぎ、自分で回した回数もすでに600回を越えていた。しかし一向にデジタルが揃ってくれない。その間、私が捨てた台はもう6回も大当たりを引いている。その台が本当に素性が良いかどうかはまだ分からないが、今のところ私が"ツイてない"のは確かである。

11時43分、投資2万4500円、802回転で左側のアポロン君の頭が動きだし、ノーマルリーチであっさりデジタルが揃った。慎重に玉を入れて見守っていたが、玉は奥にいってしまった。

2回目にデジタルが揃ったのは追加投資8500円、283回転目。今度こそは手前に落ちろと願ったが、思いとは裏腹にまた玉は奥の穴へと吸い込まれていった。結構金を使っていたので、正直言うと少し落胆した…と思った次の瞬間、右側へ逸れた玉が運よくVゾーンに拾われたのだ。これはラッキーな大当たりだった。


一方、最初に自分が打っていた台はすでに2500個のドル箱を7箱も積んでいる。台移動の判断は間違っていたのだろうか。そんな思いがよぎったが、パチンコの展開はまったく先が読みにくい。

この後、たて続けに一桁台で3回もデジタルが揃い、それが7連、3連、4連と大当たりが続いたのだ。しかも嬉しいことに、その間、奥の穴へ玉が入ったのはたったの1つだった。投資額はかさんだが、持ち玉は一気に2万5千発へ到達し、最初に打っていた台の持ち玉をはるかに超してしまった。


その後、2回程スランプはあったが、相変わらずクルーン上で玉がことごとく手前に入ってくれたので、終わってみれば大当たり40回、久々のホームランで仕事を終えることができた。ちなみに最初に打っていた台は、最終的に大当たり回数18回で、優秀台ではなかったようだ。

確かにこの機種の性能は良いけれども、一番重要な部分のクオリティを見極めるまで、時間と金がかかるので、それが大きいウィークポイントである。それにしても、この台はいつまで打てるのだろうか…。



【阿川プロへの質問コーナー】

Q.
阿川さん、こんにちは。いつも日記を楽しく読んでおります。ところで、稼げない時は地元を離れて遠征することもあるようですが、行先の店の情報などはどうやって手に入れるのですか? また、営業スタイルも地域によって全然違うこともあると思うのですが、やはり打つ前は下見などしたりするのですか?


A.
以前は頻繁に遠方へ打ちに行ってたが、最近はめっきり機会が減った。まあ原因は年齢からくるバイタリティの低下(簡単に言えば遠出が面倒になっただけだが…)である。それでも年に1~2回は気分転換に旅打ちに出ている。ただ、最近は旅先での主目的はパチンコではないので、以前のような徹底した店回りは行なわなくなった。

さすがに今は昔と違って通信網が発達しているので、もし本気で仕事をしようと思えばケータイなどで情報を入手するだろう。ここで大事なのは店内の観察は勿論のこと、必ずその店の換金率、営業時間、システム等を確認するようにしたい。でないと時に思わぬ苦渋を味わってしまうことがある。

たとえば等価だと思って換金したら3.57円だったとか、11時閉店だと思っていたら10時だったなんてことが実際あった。また一番驚いたのは、確変を引いた後に電話をかけにいって20分後に戻ってきたら玉を流されていたこともあった(1回交換の台だったが、原則として確変を引いたら休んではいけないというルールで補償もなかった…)。所変われば品変わる、と言うが、見知らぬ土地においてはこれまでの経験を一度捨ててかかった方が良いようだ。

最後に地元で稼げなくなったら、その時はパチプロをやめる時だと覚悟している。地元で稼げないのに、遠征で稼げるほど今のパチンコは甘くはないと思っている。



※アレパチアポロ1号[タイヨーエレック]…デジタル確率1/149.5のアレパチ。盤面左横のスルーを玉が通過→デジタル回転→デジタルが「33」or「77」で揃うとチューリップ開放→2穴クルーンの手前か奥に玉が落下→左右に動くVゾーンに玉が入賞すれば大当たり→残り2R時に左のスルーに玉を通す→ゴッドチャンス発生→大当たり終了後に玉が1個入るまではチューリップ開放→2穴クルーンに落下→Vゾーン入賞で連チャンゲット、以下繰り返し…という特殊なゲーム性を持っていた。

2穴クルーンの手前の穴に落ちると役モノ中央を転がるためVゾーン入賞率が高くなる。そのため、クルーンのクセの良し悪しが非常に重要だった。