予想外の大ピンチ
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予想外の大ピンチ
※パチンコ必勝本DREAMS2004年3月号に掲載されたものを加筆・修正しています
清水の舞台から飛び降りる心境でパチプロに転じて早7年。色々な出来事があったが、必死で頑張ってきた甲斐もあり、年収が前年を下回ったことは一度だけと、今までのところおおむね順調である。
特に去年は過去最低の稼働時間でノルマを達成することができただけに、ここにきてやっと理想のスタイルが見えてきた気がする。そうした仕事の充実とは裏腹に、年末年始の休暇中から始めた禁煙との戦いは相当に苦戦しており、これはこれで新たな火種として見過ごせなくなりつつあるのだが…。
昨年を振り返ってみると、予想通り時短付き2分の1確変突入タイプの機種で一番多く仕事をしていたが、その中で感覚的なズレの修正にちょっと苦労させられた。というのも、これまでは千円あたり30回以上ないと日当3万は確保できないという固定観念があったのだが、新スペックになってからは、実際のところ台自体のボーダーは甘くなっていたのだ。
去年打った時短付き2分の1確変タイプの台で、千円あたりの回転数が30回を超えたことは滅多にない。そのほとんどは24~28回くらいで、常にギリギリの台で仕事をしている感覚が付きまとっていた。しかし終わってみれば、何とか日当が出る台を数多く打つことができ、稼働は少なくても前年を上回る仕事をしていたわけだ。
ただし、CR機はますます台の善し悪しの判断が難しくなってきた感がある。立ち回りの面では、以前にも増して同業達と距離を置くようになり、一緒に食事をしたり飲みに行ったりしたことはほとんどなかった(テリトリーの異なる他県のプロとはこの限りではない)。おかげでおいしい情報が入りにくくなったけれども、余計な気遣いは確実に減った。
パチプロを始めた頃は人との出会いを求め、結果的に多くの人達と知り合えて有意義ではあったが、気まずいことも少ないながら発生した。特に一度親しくなった人との争いは、「可愛さ余って憎さ百倍」の諺があるように、その怒りはお互い深いものとなってしまい、修復はとても難しい。最近は面倒なことに首を突っ込む覇気がなくなってきたせいもあり、対人関係にはかなり消極的になってしまった。
これは歳のせいなのだろうか? 良く言えば賢くなったと言えるのかもしれないが、反面、バイタリティの欠如という部分では心配している。しかもあり余ったパワーが趣味の方に注ぎ込まれ、病的なまでに…。
1月中旬某日(曇り)
昨年12月28日から長期休暇を取ったのだが、今回の休みの一番の目的は『禁煙』だった。始める前は1週間も経てばニコチンの禁断症状から解放されると踏んでいたが、実際は10日を過ぎても苦痛は一向に治まらない。
しかし、いつまでも仕事をしないというわけにもいかず、1月7日に不安を感じながらも初打ちをすることとなった。
だが嫌な予感は的中し、打ち出して30分も経たないうちに猛烈な喫煙の誘惑に駆られてしまった。そして皮肉にも、それがかなりの優秀台だったのでリタイアすることもできず、気を紛らわすためにコーヒー、ガム、飴、ハッカ等々、終日頻繁に口に放り込んで何とか禁煙を守った。おかげでその代償として腹を壊してしまった。
その後、日を置いて2回仕事にトライしたが、症状は現状維持で、改善の兆しは全く見られなかった。まあ、20年以上もタバコを吸っていたのだから、ある程度の苦しさは覚悟していたが、予想以上の厄介さにいい加減辟易している。
そして今朝、また不安を抱えながら仕事場へやってきた。今日訪れた店は、仙台市東部のB店。換金率は2円台とだけ言っておく。
B店は店員の感じが良く、私の行動範囲内ではお気に入りの店のひとつである。しかし3年前くらい前からパチンコの方がほとんど使えなくなり、去年も時々覗いてはみたものの、夏頃までそこで打ったことはほとんどなかった。
しかし秋以降から状況が好転しだした。それで今日、比較的信頼度が高いイベントに照準を合わせてやって来たのだ。ただ、良い状況はどの店でも長続きしないのが常識なので、仕事ができるかどうかは店に入ってみるまで分からない。実際、2回前にあったイベントは使えなかったのだ。
9時ちょっと前、整理券の順番通りに入店が始まった。私の順位は16番なので、いつものように30台近くサービス台があればあぶれる事はまずないが、好きな台を選ぶ余裕はない。
一応機種の優先順位は決めているものの、時間効率が良い「海」などはハナから取れないと踏んで、私は迷わず他のシマへと向かった。そこのシマは片側に2台、反対側に1台のサービス台の表示があったが、まだ2台が空いている。
本当は2台のクギを見比べてから台を決めたかったが、後から次々に人が入ってくるのでそんな余裕などなく、とりあえず近くにあった1台に整理券を置き、やっと落ち着いて台の確認に移った。
ヘソ幅は13ミリ弱で逆段差、しかも右側からのルートがワープ入口の形状がもともと良いせいか、大きくマイナス調整が施されており、見た感じは明らかに名ばかりのサービス台である。しかしもう他のサービス台は全て埋まってしまったので、この台以外の選択肢はない。
盤面右上の小さい文字を見ると「二天一琉X」とある。確率331.4分の1、2分の1確変・2分の1時短、そしてメーカー名は「MASAMURA」と書いてある。今まで見たことはあったが、一度も打った事のない台だ。宮城県では設置店が少ないが、このメーカーの機種は好きで、マジカルチェイサーはよく打っていた。
ほとんどダメだとは思ったが、初モノなのでとりあえず試し打ちをしてみることに。最初の千円は23回しか回らなかったため、「やっぱりな…」と諦めカードの返却ボタンを押した。
しかしカードは戻ってこなかった。うっかり貸し玉ボタンを押してしまったようで、「ジャラジャラー」と玉が出てきたのだ。仕方ないので、残りの玉を打ち込んでから帰ることに決めた。
ところが、間違って借りた500円分の玉で24回も回ってしまったのだ。そこで、とりあえず5千円を打ち込んでみると142回まわったので、ハーフ時短での勝負ラインを十分に上回っていると判断して続行を決めた。
午前10時ちょっと前、投資1万円、283回転でリーチがかかり、少し間をおいて「ハハハハハ」という笑い声とともに、盤面右上の大きな丸いところが激しく光り出した。
例によって事前に演出を調べていないので、この時点で当たっているかどうかはわからなかったが、保留玉が満タンだったので腕組みをしながらジッと見守っていたら、あっけなく当たってしまった。一応再抽選はあったものの、結局最初の図柄「2」は格上げされることはなかった。
しかし、終わってびっくり!! 何と時短になっているではないか。実はこの時点まで盤面のわかりづらい表示のせいで、てっきりハーフ時短の機種だと思い込んでいたのだ。フル時短でこれだけ回転数があれば、以前に比べればショボイが、はっきり言って今時のお宝台には違いない。打つ前は到底仕事にはならないと思っていたので、これは嬉しい誤算だった。
ところがここで新たな問題が発生した。もともと打っている人が少ないシマなのだが、間の悪いことに両隣にタバコを吸う人が座ってしまったのだ。しかも2人とも当たってしまったから当分席を離れそうにもない。これでは絶えず喫煙の誘惑に晒されてしまう。それはまさに針のむしろ状態だった。
その後、回転数も落ちずに仕事上は何の不満もなかった。しかし気を紛らわせるために頻繁に食べたり飲んだり、あるいはトイレに立って顔を洗ったりと、とても落ち着いて打てる状態ではなかった。しかし何とか根性で誘惑を跳ねのけ、最終的には22時50分まで打ち切ることができた。
本日の成績、初当たり3970分の10(397分の1)、大当たり19回、確変図柄9回。総投資12500円。回収29000円也。
優秀台を打てたが、まるで地獄のような一日だった。今だから言えるが、この日途中1800回ハマったが、禁煙の苦痛に比べれば屁みたいなもんだ(笑)。まったくいつになったらこの苦しみから解放されるのか。年頭から仕事以外の大きな悩み(?)を抱える2004年の始まりである。
【哲也に聞け!! 阿川プロへの質問コーナー】
Q.
阿川さんはじめまして。いつも日記拝見しております。ところで、阿川さんは最近現金機を打たれていますか? 勝負するにあたってのCR機と現金機の考え方(打ち方やどっちが甘いかなど)を教えてください。
A.
さて一つ目の質問の答えであるが、去年は平均して羽根モノは月に1~2回、現金機となると月に1回あるかないかの頻度であった。
断っておくが、私は打っていて楽しいと思う機種はファインプレーなどのように、玉そのものの動きが当たりと関係のある台である。しかし、パチプロにどっぷり浸かってしまった今は仕事量が最優先で、打つ楽しみは二の次になってしまった。
そして元々設置台数が少ない現金機では当然の事ながら優秀台のゲットも難しく、よって結果的に打てない状況になっている。まだ現金機が多かった時代、知人の優秀な同業者が、「権利モノ4万、CR機3万5千円、現金機3万円」と言っていた。実はこれ、彼の一日の期待値のデッドラインなのである。要するに一日での確率の収束を考慮した上で、より安定した収入が欲しいと考えた結果である。確かにこれは一理あり、今でも似たような意見の同業は沢山いる。
しかし私の場合は月の稼働が200時間を切ることはほとんどないので、確率の収束はあまり考慮していない。例えば日当3万円の現金機と3万1千円のCR機どちらを選ぶか(実際はこれくらいの差は判別できないが)、と聞かれたら迷わず後者を選ぶだろう。
2つ目の質問の答えは以上のような理由で短期間で確率の収束にこだわる人は現金機、勝負をハッキリさせて、ギャンブル性を楽しみたいならCR機を打った方が良いのではと私は考える。
※二天一流X[まさむら]…大当たり確率1/331.4、確変突入率50%、全当たり後に100回転の時短が付く。宮本武蔵を題材にしたマシン。発生率を絞ってノーマルリーチをなくし、全てがスーパーリーチであったため発生時点でリーチ信頼度は総じて高め。
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