パチプロというもの
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※パチンコ必勝本DREAMS2003年3月号に掲載されたものを加筆・修正しています


去年は公私とも災難が多かったが、4年ぶりに3千時間以上稼働したおかげで過去最高の成績を収める事ができた。今年も先のことを考えると頭が痛くなるが、これまで通りこの仕事を続ける以外に選択の余地はなさそうだ。

去年は、「年間ノルマより100万円以上の上乗せがあったら自分に対する報酬として鹿児島に行く!」という大きな目標があったので自分でも呆れるほど打ちまくっていた。おかげで予想以上の好成績で仕事を終える事ができ、ホッとしている。

特に12月は年間3度目のホームラン(7桁)となったので、余裕で目標をクリアーする事ができた。ただ、あまりに頑張り過ぎた反動で、仕事中とんでもない目にあった。

実は打っている最中に目眩がして、危うく気を失いかけた事が2回もあったのだ。それはCRニューロードスターVを打っている時のことで、気分が悪くなったので席を立とうとしたら当たってしまった。目眩を堪えながら必死で権利を獲得し(両隣に人がいたので、うるさい権利中の音を消すために16R打ち切った)、その後、やっとの思いで這うようにして店外に出て休んだが、その時もし店内で倒れていたら、恥ずかしくて二度とその店へは行けなかっただろう。

冷静に考えてみれば、9月を除いて7月以降、月平均300時間以上稼働していたので、身体に変調をきたさない方がおかしかったのかもしれない。


というわけで、去年は当初の予定とは裏腹に、結局はパチプロ初年度に近い猛烈な稼働となってしまった。そのため、以前より明らかに体力が落ちているので、長時間稼働の反動が酷くなってきた。特に眼精疲労がなかなか取れないのには苦労している。この仕事を始めた頃は想定外だった事だが、画面の明るさが辛くなってきたのだ。

これを治すには少なくとも一週間は打つのをヤメないといけないので、鹿児島までの旅行はグッドタイミングだと思っている(この原稿が掲載される1月下旬に出発する予定)。

それから、去年まで毎年の目標にしながら一度も成し遂げられなかった禁煙を実行したい。一応12月31日から挑戦したものの、1月5日、仕事始めの日に周りの煙の誘惑に負け、あっけなく挫折してしまった。意志の弱い自分には、やはり禁煙は無理だと悟った筈だったが、性懲りもなく今回の長旅は「タバコとサヨナラする絶好のチャンス」とまた考え出している(誘惑が多いパチンコ店には一切入らない予定)。

これを逃したら当分機会は巡ってこないだろうから、今度こそ気合いを入れて取り組むつもりだ。とにかく旅を終え、タバコと決別したと分かるまでは、たとえ収入が滞ろうとも、仕事を再開するつもりはない。次号ではきっと禁煙に成功した事を報告できると確信している。

とりあえず本年は、月平均稼働220時間以上、時給2500円以上を最低目標に決めている。相変わらず欠点だらけで反面教師なところは直しようがないけれど、読者の方には少しでも役に立てていただければ幸いである。


以前にも書いたが、パチプロになった当初、自分自身に誓った事がいくつかある。そのうちの1つが、「どんな事があっても5年間はパチプロを続ける」という事だった。そして去年の12月24日でちょうど6年目に突入し、何とか無事クリアーできた。

思えば6年前の12月24日、清水の舞台から飛び降りる心境でこの仕事に足を踏み入れたものの、パチプロになって初めて打ったパイナップルボンバーでいきなり5万負け、5人の家族の生活と住宅ローンを考え、途方に暮れながら家路についたのが、まるで昨日の事のように思い出される。その時、まさか現在の自分があろうとは全く想像すらできなかった。


パチプロを5年間やって分かった事はたくさんあるが、特に印象深い事を箇条書きにしてみる。

・一生懸命頑張れば何とか収入を得られる
・社会的地位は皆無に等しい
・体力的、精神的に身体を蝕む
・家族を食べさせる以外、世間に役立つ仕事ではない
・収入が増えるほど、人様の妬みを買う機会が多くなる
・仕事を通しての友人は作りにくい
・一生を賭して悔いなし、というような仕事ではない


特に私が一番強調したいのは最後の項だ。仕事を通して何人もの同業と知り合ったが、誰一人として「パチンコは人生そのものです」なんて言った人物はいなかった。なのに何故私はパチプロを続けているのか?

それは将来の夢のために、どうしてもまとまった資金を捻出しなければならないからだ。他にこれといった職能を持ち合わせていない自分には、これに代わる資金稼ぎの術がほとんどない。この点に関しては、恐らく多くの同業者は似通っているのではなかろうか。

そのためまだまだこの仕事を続けなければならないが、特に注意している事が2つある。一つは将来の夢に対する情熱を失わないようにする事。先日の事だが、妻に「最近お父さん丸くなったから夫婦喧嘩が少なくなったね」と言われた。これは良い意味で賢くなったと取れるのだが…。


私は10代後半から30代前半にかけて、酒を飲んで車道の真ん中に大の字になって寝たり、高速道路上で車を停めて喧嘩して検挙されたり、この他にも生命にかかわる愚行を何度かやらかし、随分家族に迷惑をかけてきた。最近はこのような事は間違ってもやらないが、裏を返せば当時と比べると、何事に関してもバイタリティーが不足しているという事だ。

最近、いくら頑張って稼ぎを増やしても、子供の教育費等の出費などでちっとも夢は近づいてくれず、時々現実から逃げ出したくなる。しかし、今この仕事を捨てたら、これまでの苦労が水の泡になってしまう。そんな弱気になった時、若い頃に誓った夢の実現を思い起こして必死に自分を奮い立たせている。

もう一つ変わった部分といえば、やはり健康についての考え方だろう。当たり前の事だが、何事をやるにも健全なる肉体が伴わなくては話にならない。仮に今、私が病気で倒れてしまったら、家族はあっという間に借金地獄に陥ってしまう。とにかく身体がいう事をきかなくてはどうにも頑張れないのだ。

色々書いてきたが、最後に大原健士郎さんの「やる気の健康医学」という書からの抜粋で締めくくりたい。


「『やる気』のある人とは、やりたい事をやるのではなく、その立場でやるべき事をきちんと『やる人』」

「やる気の原動力は人生目標」


まさにその通りだと私は思う。


【哲也に聞け!! 阿川プロへの質問コーナー】

Q.
先日リストラされた33歳です。パチンコで生計を立てたいのですが、良いアドバイスをお願いします。


A.
私と同じように家庭を持っておられるかどうかは分からないが、不況のご時世だという事を考えると、年齢的に不利な立場におかれている貴方の心境は察するに余りある。参考になるかどうか分からないが、ここで私がパチプロとして日頃から考え実戦している中で、特に大切だと思う事だけを抜粋する。

一、現在に安住の場を求むべからず
二、人に頼る事なかれ
三、少しでも収益増を計るため、ゴト以外のあらゆる手段を実戦せよ
四、一日の仕事量に徹底的にこだわり、結果に一喜一憂するべからず
五、観察、分析は人一倍努力せよ

特に一は仕事を続けていく上で最も重要な項目だ。自分にとってパチプロとは将来の仕事のためのプロセスである。よって一日も早く卒業できるよう少しでも多くの稼ぎを上げなければならない。

また、四の徹底的に仕事量にこだわれ、という事も声を大にして言いたい。自分の場合、計算上日当が2万5千円の台で10万円勝つよりも、チャラで終わった方が嬉しいと思うようにしている。なぜなら長い目で見れば、前者の場合はいつか7万5千円を返さなければならなくなるからだ。

短い期間で確率は収束するものではない。去年の記録を見ると、6月と9月がまさに好対照。まず最悪の6月は、238.9時間の稼働で約32万円。かたや絶好調の9月は233時間で約114万円(これは生涯2番目の記録である)。

両月とも200時間以上打ち込み、理論値も同じくらいであったにもかかわらず、時給にしてなんと3500円以上もの差になった。少し極端かもしれないが、確率の収束が一筋縄ではいかないという事の好例であろう。

私が常に月200時間以上の稼働にこだわっているのは、こうした理由によるからなのだ。1年くらいの長いスパンで初めて波は穏やかになり、仕事量に比例していくのである。

まずは一生懸命全力でトライしてみてください。健闘を祈ります。