ただの河原の石ころでも磨けば輝くはず
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ただの河原の石ころでも磨けば輝くはず
※パチプロ必勝本2000年1月号に掲載されたものを加筆・修正しています
友人の若手有能プロにヒデキという子がいる。彼は去年の10月、脱サラしてこの世界に入ったのだが、私の知っている大勢のパチプロの中でも目の良さ、観察力の鋭さは秀逸だ。
恐らく視力に関しては、アフリカのマサイ族並の4.0くらいはあるのではなかろうか。彼は0.25ミリ単位の釘調整も識別できるらしい。
ただ、幸か不幸か、彼の性格は良く言うと鷹揚、悪く言うといい加減なところがある。以前、日当期待値4万を超える台を2日続けて、彼のために押さえてやったことがある。にもかかわらず、2日とも10分遅れでやってきて打てなかったのだ。
しかし最近は私が再三注意した甲斐があり、時間に遅れることもなく、収益は確実に上がってきた。それでもまだ月平均50万に届いておらず、これは彼の能力からして不思議でならなかった。
原因を考えてみたら、彼は期待値計算をほとんどしていなかったのだ。例えば同じ換金率でCRピカイチ天国のT(千円ベース29回)とH(千円ベース31回)の台があったら、計算しない哀しさかな後者を打っていたわけである。
その上パチプロには必須とも言える電卓や筆記用具を携帯していないときている。だが、釘読みの能力に長けた彼は、大穴を開ける心配だけはなかった。
そんな彼に、お節介な私はこう説教した。
『お前の能力をしておれより稼ぎが少ないのは絶対におかしい。これからは絶対に計算するように!』
と。以降、素直な彼は嫌いな計算もすすんでやる習慣を身につけ、確実に収益を伸ばしている。
結局のところ、いくら価値のあるダイヤモンドでも、原石のままでは普通の河原の石と変わらないということだ。それに河原の石であったとしても、ピカピカに磨けば魅力的で美しい光を放つはず…。
さて、今回も引き続き新潟遠征で印象深かった日を書いていきたい。
9月19日(日)曇
新潟へ来て今日でちょうど1週間。昨日までの戦績は4勝1敗1分、プラス18万2千円。平均して当初の目標である日当期待値3万5千円オーバーの台は打てているのだが、結果は6日間の期待値に3万円ほど足りない(16日のCRFゼウスSXで1400回のハマリを喰らっての大敗が痛かった)。
打った店は試し打ちを除き新発田市内、中条町では延べ4軒だった。それにしても仙台にいたら日当3万以上の台を毎日打てただろうか。本当に新潟に来て良かった。
今日打つ店は新発田市中心部に近いD店。この店は遠征初日に打った等価のD店と同系列の店だが、換金率だけが違う(3.5円交換)。
ターゲットは昨夜リサーチ済みのサービスコーナーのゴジラ復活(本日もサービスコーナー)。試し打ちで千円ベース30回オーバーの優秀台を見つけたのだ。仙台に多い2.38円交換の店だったら大したことはないが、3.57円となると話は別だ。
新発田駅前のビジネスホテルを朝8時30分に出発、約10分でD店に到着。普段から客の多いこの店は日曜日ということもあり、駐車場には既に10台以上の車があった。しかし入口に並んでいるのはパチスロ狙いの若い子を含む6人だけ、他の人達は車内に待機中だ。
8時50分の開店直前になってやっと大勢の人達が集まってきた。仙台の人気店では考えられないのんびりした光景だ。
8時50分、本日割数の一番高いと思われるこの店の不人気機種ゴジラ復活のシマには、私と2日遅れで新潟に入ったヒデキ、中年の男女3人の計5名しかいなかった。
くどいようだが仙台に比べると本当に楽だ。難なく前夜目をつけていた台をゲット、釘は据え置き、他のゴジラの釘にも変化は見られない。昨夜の試し打ち通り千円ベース32回くらい回ってくれれば千回クラスの大ハマリを2回以上喰らわない限りまず大負けは考えられない。何にしても期待値4万オーバーの台を打てるのは幸せだ。
打ち始めて最初の千円で36回転、すべり出しは上々。
午前10時、私の台は昨夜同様千円ベース32~33回の回転率なのだが、まだ当たりはこない。
他の台はさすが200.5分の1、カド台と私の台以外は全て当たりを引いている。隣のヒデキはもう4回も当たりがきた。回転率を聞いてみると約29回とのこと。思ったほど回ってないようだ。恐らく私の台がシマ一番の優秀台に違いない。
ふと不安がよぎった。約2ケ月前、同機種で1629回転現金でハマったことがあるのだ。最近よく打っている320分の1のCR機でもこのくらいのハマリはあまりない。
そういえばK君も千円ベース38回、換金率2.38円のわくわく探検隊EXで1800回以上ハマリ、その日4万7千円負けたことを思い出した。
ひょっとしたら今日あたり、この手の機種で大敗を喫するのじゃなかろうか、と考えていたら363回転目に右出目が音を出してスベリ、リーチがかかった。図柄はキングギドラ、そして注目の渦潮は1つ。
お、プレミア確定だ。直後、画面後方に目をやれば、3つの山の上下とも、細いながらもくっきりと赤い筋の噴火が確認できた。
当然のごとく赤ゴジラで当たり、100回時短ゲット。ここまでの投資金額は1万1千円、この台で終日打てることに感謝した。
以降持ち玉で22時40分まで打ったが、結果はプラス1万円ジャスト。確率4165分の15(時短含む)、約278分の1、100回時短が6回、20回時短が9回という内容だった。期待値は大幅に下回ったが、優秀台を打ち切ったので今日も満足して退店した。
ちなみにヒデキは7万以上勝てたようだ(千円ベース約29回)。
今夜からの宿はヒデキに教えてもらった、1泊素泊まり3千円の絶対に満室にならない旅館(この地域の宿泊施設はモーテルを除き、平日の満室が結構多い)。
昨日までのビジネスホテルの約半分くらいの料金。しかも新発田市中心部に位置し、騒音もなく新潟市内へも車で1時間以内で通える最高の場所だ。おまけに24時間出入り自由、朝のシャワー使用もOKだ。
考えてみると、一人旅は3年前、某攻略会社との心中を考えた山形の山村への命の洗濯以来だ。でも今回は私を取り巻く状況の全てが違う。五体満足、金の心配もないバラ色の旅だ。
カード破産寸前までいったパチンコ無知のボロ負け時代からの思い出が、地酒を呑む毎に走馬燈のように頭の中をグルグル駆け巡る。
とにかく今は幸せだ。
浴衣の君は薄の簪…。25~26年前の学生時代に流行った吉田拓郎のヒット曲、旅の宿を歌いながら、いつしか深い眠りについていた。
9月25日(土)快晴
こちらに来てから今日で13日目、お宝台こそ見つけていないが、概ね順風満帆だ。
昨日まで半分ほど行動を共にしていたヒデキが用事で帰仙する。私に負けず劣らず良い台を打っていたが、ツキに見放され10日間で15万ほどしか勝つことができず、必要経費を除くとほとんどチャラ状態。順調な私に比べて気の毒であった。
今日の予定は、午前中新潟市南部方面の店を見て回り、昼頃から楽しみにしていた待望のOFF。虫好きな小2の次男のためにカネタタキ(宮城県にはいない南方系の鳴く虫)を採集し、そして日本海に沈む夕日を見るのだ。
外は雲ひとつない絶好のアウトドア日和。爽やか気分で国道49号線沿いを南下し、まずはこの辺で1、2を争う人気店に入ってみた。時間は9時半。
土曜日と重なり、すでに7割以上席は埋まっていた。さすが優良店、ボッタクリの釘調整はないようだ。
まだ一度も打ったことのない「アニバーサリー」にえらく興味を引かれたが(新潟はどこに行っても必ず旧連チャン機が数機種置いてあり、未だに人気が高い)、しばらく見回っていると、新基準機の中でもマイナーな機種に、とんでもない釘調整の台があった(機種名公表はご勘弁)。
恐らく釘を叩いた人は、ある重要部分をイジると台がブン回りになることを知らないのだろう(この店の場合、普通の人は気付かないからブン回しをできない)。驚いたことに似た調整の台がもう1台あった。両台とも間違っても千円ベース60回は切らないはずだ。
運良く1台が空き台だったのですぐに打ち始める。楽しみにしていたアウトドアライフは当然中止。
わくわくしながら打ち始めると最初の千円で113回転、壊れてる?
終日これだけの回転率を維持することはないだろうが、ひょっとしたら今年5月に打ったセンサー異常のCRゴジラ2の千円ベース90回を上回るのではなかろうか。
あまりの回転率の高さに戸惑っていると投資1500円、155回転で普通図柄をゲット。2回目の当たりは320回転目だったが、この時点でなんと半分くらいしか持ち玉を使っていなかった。これだったら2千回転以上ハマったって屁でもない。
以降ずっと持ち玉遊技であり、回転率は2割程度落ちたものの千回ハマリ1回だけの順調なペースだった。
21時40分、昨夜の呑み過ぎが祟ったのか、下痢のため痛恨のリタイア(超優秀台は、翌日同じ釘で打てる確信がない限り、閉店ギリギリまで打つのが私のスタイル。この店は確変1回分の出玉保障があった)。
成績は12時間打って初当たり3778分の11、確変9回、通常11回。出玉約3万発。プラス9万9千円だった(換金率3.3円強)。初当たりは確率に近かったが、確変が少なかったことと、稼働が1時間少なかったことを考え合わせると、期待値10万オーバーの超お宝台だったのだ。
翌日以降、このシマはサービスコーナーをハズされたのでヘソを締められてしまったが、それでも千円ベース60回前後の台を5日間も打てた(ただし、他の人が打つと25回もいかないと思う)。思えばまさにバラ色の6日間だった。こんなことはもう当分ないだろう。
今回の17日間に渡る新潟遠征で感じたことは
[1]同業が少なく、長時間粘る客が少ない
[2]高換金率の店が多く、釘による良い意味での間違いが起こりやすい
[3]有意義なイベントやサービスが多く、釘のメリハリのある優良店が多い
ということだった。新潟の人にとってのパチンコは遊技ではなく、ご当地の競馬の延長線上にあるギャンブルという感覚なのではなかろうかという印象を強く持った。
ちなみに、アレジン・ビッキーチャンス・クルクルセブン等の旧連チャン機がどこの店にも必ずと言って良い程置いてあり、最近の機種では勝負が早いドラゴン伝説が大人気だった。
私にとって新潟は仙台に比べればまさに浄土の地。機会があったらまた来ようと思う。それに全国には他にもこんな地域があるのか? と思えば、また旅打ちへの興味もそそられる。
【初出:パチプロ必勝本2000年1月号】
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