都内ホールが11月から等価交換廃止

約1000軒、全国のホールの1割近くを占める巨大市場が11月2日から一斉に等価交換を廃止する―――そんな噂を耳にし、衝撃を覚えた読者も多いことだろう。
これは都遊協(東京都のホールのほぼ全てが加盟するホール団体)が9月の理事会で正式に決議したものであり、実施が決定したものである。この変更については10月上旬から告知を始めているホールもあるので、既に目にされた読者も多いだろう。

具体的な交換率だが、最もレートが高い場合でパチンコは28玉、パチスロが5.6枚交換(千円250玉or50枚貸出の場合)となる。もちろんそれ以下であればホールの判断で自由に行なうことができるのだが、現段階では「ライバル店の動向やお客さんの反応を考えると、やはり決められた範囲内で最も高くすること最善だと考えています(都内ホール関係者)」との意見が多かった。簡単に言えば様子見ということになるが、ほとんどのホールで上限での運用になると予想される。
そこで注意しなければならないのは、現在貯玉しているものについては、11月2日以降は新しい交換率が適用されるという点だ。もしくは金景品の価格が上がる(金景品と交換するためにより多くの玉orメダルが必要となる)と言い換えることもできるが、少なくとも同じ玉数orメダル数であれば交換額が減るということは間違いない。ホール内の掲示で記されているものもあるように、もし景品に交換できるほどの貯玉がある場合、期日までに一旦全部引き出して交換することがファン側には求められる。
また、貯玉再プレイについてもパチンコで2500玉、パチスロで500枚(千円250玉or50枚貸出の場合)と一日の上限が定められることになる。現在、貯玉利用が無制限であるホールも同様に上記が適用されるということを覚えておこう。
(1000円47枚貸出なども交換比率は同じになる)
そもそもだが、「等価交換廃止」に至った背景とはどのようなものなのか? 都遊協関係者に話を聞いてみた。
「今年の6月から指摘されるようになった、いわゆる"釘曲げ問題"が発端です。一般入賞口(スタートチャッカーや大当たりアタッカーではない、払い出しのみの入賞口。その他入賞口とも呼ぶ)へ10分間に数十個入るようにしなさいという行政側からの強い要請がありました。これまでは入賞しないことを前提にして運用していましたから、この変更はホールにとって極めて大きな打撃になります」
概ね平行であるはずの釘が大きく曲げられているのではないか? という懸念が行政側から示されたのが釘曲げ問題である。基本的に、通常の遊技を通して釘が曲がってきてしまうことについて、ホール側が"メンテナンス"という範囲内で釘の調整をすることは認められている。そしてそれを暗黙の了解的に拡大解釈し、利益調整としての釘調整が行なわれているというのが現実だ。しかし、入賞が不可能なまでに釘が曲げられているのは、明らかにメンテナンスの範疇を超えており、もっと言えば未承認変更ではないのか? という話になっていったわけだ。
「一般入賞口へ指導通り入賞するようにすると玉持ちが良くなるんですが、その状態でこれまで通りの利益を確保するためにはヘソを閉めるしかありません。ただでさえ回らないということでファン離れが進んでいるだけにそれは避けたいんですが、多くのホールはギリギリの利益でやっている以上は仕方ないと。それなら等価交換を廃止し、換金ギャップでしっかり利益を確保しようじゃないかということですね。仮に28玉、5.6枚交という上限にした場合で1割以上の利益を確保できますし、これはそのまま一般入賞口に入るようにした場合のベースアップ分を吸収できるものになります」
つまり、入口は釘曲げ問題なのだが、それを吸収する策として等価交換という営業スタイルがクローズアップされたという側面もある。
また、基本的にはパチンコの話なのだが、『同じ賞品は同じ価値でなければならない』という一物一価の原則がある以上、パチンコの交換率を下げたらパチスロも同様にしなければならない。
「それと、『業界等価』という言葉があります。これは仕入れ価格と提供価格と同じにするという等価の考え方なんですが、これがそもそもおかしいという指摘もありました。東京で使われている金賞品はまさにこの業界等価で運用されていましたが、これを『市場等価』に改めなさいという要請も行政側から行なわれたのです」
市場等価とは、仕入れ価格に一定の利益なり手数料を上乗せした価格で提供するもので、通常の商取引としては当然の仕組みとも言える。従来はこの部分のコストをホールなどが分担していたわけだが、それを改めるべきだということに。ちなみに、一般景品についてはこれまでも市場等価で運用されているため、特殊景品の運用については、やはり特殊な状況であったと言える。
従来より市場等価の問題は指摘されていたのだが、多少体力に余裕のあるホールは、それを客側に負担させることによって生じるデメリットよりも、自店で負担することによって競争力を確保しようと踏ん張っていたというのが実情であった。いつかは切り替える必要性を感じたとはいえ、それは競合店が移行してからということで動きがとれなかったという部分が大きい。
しかし釘曲げ問題については、これを放置しておけば未承認変更ということで極めて重いペナルティすら生じる可能性があり、これについては全てのホールが取り組まなければならないものであった。すると、そこから交換率の問題、そして市場等価への移行など、関連する問題についても、業界全体として取り組まざるをえないという流れになったのだと言えるだろう。
「2011年に大阪で等価交換が廃止されましたが、これも業界等価から市場等価への転換が行なわれたのが大きな要因で、今回の東京も同じ考え方になります。さらにこの業界等価から市場等価への流れが広まれば、まだ等価交換でやっている地域でもいずれは廃止されるのではないでしょうか。実際、大阪の場合には近隣地域に波及しましたし、東京の場合でも追随する地域があると聞いています」
実際、神奈川県の組合でも年内には等価交換が廃止されるという噂が流れており、等価交換廃止の流れは全国的になる可能性が高い。ファンとしては交換率が下がっても遊びやすい方が良いという意見が多いなか、それでも等価交換にこだわる人も決して少なくない。巨大市場が決断した等価交換廃止、 これからの動きにも注目する必要があるだろう。
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