素行と由来
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「そうでしたっけ? …すいません。飲み食いに夢中で、まったくもってその辺の話を聞いていませんでした」

「俺はいいよ…でもニイサンに謝れ! 土下座して謝れっ!!」

「じゃあタケシさんには、後で個人的に謝っておきます。で、由来は?」

「俺のことは完無視かいっ!! …まあいいや。ほら、俺の本名って"五十嵐"っていうじゃない。そこでニイサンが『じゃあ"嵐"でええんちゃう?』って言ってくれて、それで編集長も『いいね』って話になって…その場で即決」

「へぇ~、そんないきさつがあったんですね」

「うん。とまあこんなワケで、俺には名付け親がいた…ということになるんだけど、でも基本的には、自分で名前を決めるケースが多いんじゃないかな?」

「そうなんですか? ちなみに嵐さんは、自分で名前を付ける…ということになったら、どんな名前を付けようと思ってました?」

「後藤」

「…は?」

「だから"後藤"だって」

「……はあ。それはまた、なんでそんな名前にしようと?」

「発想的にはニイサンと同じなんだけど…ホラ、俺の名前って『五十嵐』っていうじゃない。その"五"と"十"の部分を取って、違う読み方をすれば…ほらね? 『後藤』になるでしょ?」

「いや、そんなドヤ顔で『なるでしょ?』って言われても…こちとら全然ピンと来ないんですけど。…よかったですね、タケシさんのようなセンスのある方が名付け親になってくれて」

「たしかに、ニイサンに『嵐』と名付けて頂いたことには…いまでも本当に感謝しきりですからね。いまではコッチのほうが本名よりもしっくりとくるもの(笑)。…でも、後藤って名前も、割とイケてない? センス感じない?」

「…嵐さんだけは、絶対に他人の名付け親にはなっちゃダメですね。その人の人生を奈落に突き落とす可能性大ですから」

「そそ、そこまで言うことかなあ?」

「言うことです」