ありがたいものを拝ませてもらった
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※パチンコ必勝本DREAMS2005年1月号に掲載されたものを加筆・修正しています


元来私は人との出会いが大好きで、この世界に入った当初はパチンコ店においても多くの人達に声をかけまくっていた。ところが、やはり金銭が絡む現場は都合の悪いことが多々あり、年と共に仕事上の付き合いも面倒くさくなってきた。だから3年ほど前から意識して仕事上の付き合いを制限している。

その結果、気が付いてみればプライベートで付き合える人は10人を切ってしまった。その中でもパチンコの店員となるとたった一人しかいない。そのたった一人のY君が、最近私を少し悩ませている。

彼は本格的にパチンコをやりたいから、私に教えを乞いたいと言い出したのだ。一応断ったが、彼の気持ちはいまだにくすぶり続けているようで、放っておくわけにもいかず地道に思い留まるように説得を続けている。

まあ頑張れば、ある程度の収入を得られるかもしれないが、やはりこれ程やりがいのない仕事を勧める気にはなれない。



10月下旬某日(雨)
今日の仕事先は、自宅からわずか2キロの地元の有名チェーン店Tグループの一つであるS店である。

この店はパチプロ駆け出しの頃、家から近いこともあってちょくちょく通っていた。しかし10回に1回くらいしか使えなくなったのと、マナーの悪い客が多くなってきたので、ここ最近はほとんど行かなくなってしまった。

とにかく一番腹が立ったのは、店員が明らかにマナー違反のタチの悪い常連の行為を注意するどころか、その連中と親しげに話していることだった。その結果、益々悪行(入場抽選の不正・掛け持ち遊戯・玉の横流し等)が増え、環境悪化に拍車がかかった。


それから数年たち、ますますパチンコ店同士の競争が激化し、営業努力が足りなかった店は次々と淘汰されていった。この店も以前と同じような状態なら、いつ潰れても不思議ではなかったハズだ。しかし最近になってS店の集客力は衰えるどころか、バブル絶頂期を彷彿とさせるような客入りである。

これは恐らく客の目線に立って営業を考え直し、企業努力を行なってきた結果にあるのだろう。以前この店は、朝イチの台取りで列への割り込みも頻繁で、一部のグループが独占したりしていた。その結果、本当に打ってもらいたい客にそっぽを向かれてしまっていたのだ。

それで一昨年あたりから、Tグループの大半の店が、入店に際して公平を保つため入場順位を決める抽選を行なうようになったのである。

それに加え、店内で不正行為を見つけた際は、たとえ常連であっても必ず注意するようになった。これは普通の客からすれば喜ばしいことであり、店の風紀も良くなって、また来たくなったのだ。


7時15分、ラッシュ時間の直前に出発したので、10分もかからず店の駐車場へ到着した。

実はつい一週間ほど前、遠方へ行くのに少し寝過ごしてしまい、仕方なく時間的に間に合うこの店にやって来たことがあったのだが、その時、サービス台のほとんどは日当3万円以上あったように見えた。出方も全体的に良好だった印象が頭に強く残っていたため、今日改めて訪れたわけだ。


ひと昔前ならここですぐ車から降りて列に並ぶところだが、公平な抽選が行なわれるので、少しも焦る必要はなく時間までラジオを聞きながら待った。

7時25分になり、ここで私も抽選の列へ加わった。それにしても朝一からこの店にしては凄い人数で、100名近くが集まっていた。


さて抽選の方はというと、10分ほどで終了したが、その手順は厳重である。まず7時半までに来た人全員に、抽選に参加するための通し番号がついた整理券を渡していき、その順番通りにくじを引いてもらい、引いた券には店員が確認印を押して正式な順番を決めるというものだ。

その間、列の最後尾と中間に不正防止の監視役の店員が立っており、入場の際も持っている券と引き換えに当日限りの台取券を渡す念の入れようである。

少しオーバーかもしれないが、実際このくらいやらないと、欲の皮の突っ張った連中、私も含めてだが(笑)、あの手この手の不正な方法で台を取ろうとするのだ。


8時45分、38番目に入場した。この日はパチ・スロ両方のイベント日なので、前の1/3くらいの連中はスロットの方へ行くと踏んでいる。30台ほどあるパチンコのサービス台は余裕で選んで取れるはずだ。

この日の狙い台の優先順位はGOGO郷、花満極、超海と決めていたので、その順に見たが今イチ、ヘソ幅が足りなく感じられた。そこで比較的無難な新海に狙いを変更し、シマで一番先に出くわしたサービス台の一台に券を置き、それから細部をチェックした。

前回のイベントの時よりヘソが若干狭く、勝負ラインに達してるかどうかギリギリの台に感じられた。しかし、もう他のサービス台は後から来た人達が押さえているので移るわけにもいかない。

その後、パチンコのシマ全体を見て回ったが、サービス台でも多少のメリハリがあり、同じ新海には自分の台より良さげな釘調整の台も何台かあった。しかし最初に押さえた台を打つしか選択肢は無いので、あとは台の出来が良い事を願うだけである。


9時ちょうど打ち出し開始。最初の千円で29回。まあまあの滑り出しである。しかし、ヘソ幅が今イチなのですぐには安心できない。これがどれくらいまで下がるのか…。

今日のデッドライン、千円あたり25回をキープしてくれたら良いのだが、微妙なところへ落ち着くような気がした。そしてこの予感はどうやら的中したようで、5000円を使った時点で129回転とベースは確実に落ちてきた。

投資8000円、184回転目に今日初めての魚群が走った。絵柄は右縦ラインの2で珊瑚礁リーチに発展、フグは当たりの手前で止まってしまうものと思っていたが、一直線になったので、「しめた」と思った瞬間やはり左側に飛び出してしまい、「ピュッ」という戻りもなかった。まあハズれたのは仕方がないことだが、それにしても回らない。


最初こそ良かったものの、投資がかさむごとに回転率が落ちてきて、ついにデッドラインを切ってしまった。この台はどう見てもクセが悪い。ヘソ幅がちょっと足りないので回転数の上昇は今後も見込めないだろうと思い、上皿にある玉を打ちこんだらヤメようと決心した。

と、その時、2回転前と同じ2の縦シングルリーチがノーマルでかかっていて、ほとんど無関心で何気なく見ていたら、フグが一直線に揃ってしまった。一瞬「えっ」と驚いたが、ちょっと間をおいて今度は再抽選のアクションがあり、確変へ格上げになった。

これは運良く4連チャンし、すぐヤメるわけにはいかなくなった。まずは一回分の出玉でどれくらい回るかを把握せねばならない。ただ、時間が経つごとに回転数は下がってきているので、これを境に回りが上がらなければ、この台は捨てようと思った。

それに今日は仕事以外にやりたいことが2、3あったので、本心は「どうせ回りは上がらないだろうから、早くヤメて用事を片付けられる」と考えていた。


ところが、意に反して回転率が上昇してきた。これまでとは見違えるほど玉がヘソに入り出し、千円30回転くらいのペースになったのだ。そして一回分の出玉でなんと210回転をクリアーした。しかし喜んだのも束の間、次の一回分は173回転しか回ってくれなかった。

やはりこの台、最初に思った通りデッドラインギリギリで、私にとっては一番ストレスのたまる類の台だったのである。

しかし計算上、時間まで打ち込めば仕事量2万を切ることはないだろう。まだ持ち玉はあるものの、あと12時間近くもこの台と対峙しなければならないと思うと、少し気持ちがグラついてしまった。ここはいつも通り、苦痛を和らげるため一刻も早く瞑想モード(?)に移行せねばなるまい(笑)。


その後、638回転目で確変ワンセットをゲットし、夕方まで持ち玉を切らすことなく、かといって爆裂することもなく一進一退を繰り返していたが、22時前、最後の当たりから584回転でついに持ち玉がなくなってしまった。普通ならここでヤメて良いのだが、平均すると今日のデッドラインは切っていないので、最初に決めた終了時間の22時30分まで続行することにした。

22時13分、再投資4000円、670回転目に久々に魚群が出現した。しかしこの魚群、よく見るといつもとちょっと色が違う。瞬時にこれが噂の"赤魚群"だと認識した。これまで新海で幾度となくサムは見てきたが、一番見たいと思っていたものをやっと見ることができた。

その直後、絵柄は5の真ん中ラインでうずしおリーチになり、サム君が横に泳いできた。負けてはいるけれど、これは正直嬉しかった。これは4連チャンし、時短を消化し終わって22時50分だったので区切り良く仕事を終了した。


本日の成績、大当たり21回。投資12000円、回収18750円、総回転数5516。結果は期待値には足りなかったが、何とか仕事量が確保できたので、そのことに関しては満足であった。それにしてもこの店とは相性が悪い。先週も2日で9万ほど負けていたのだ。でも赤魚群が見られたから良しとするか。



【阿川プロへの質問コーナー】
Q.
阿川さん、こんにちは。阿川さんは今度の新規則機についてどうお考えですか? 確率は1/500に近いですが、プロとしては難しい機種ではないかと思うのですが…。


A.
この原稿を書くまで、私は新規則機をまだ3時間くらいしか打っていないが、相当勝ち負けの幅が大きくなったな、というのが実感である。まだ少ししか見えていないのに決めつけるのは早計かもしれないが、とにかく表裏一体のハマリと爆裂は強烈だ。8万発オーバーだとか時短を挟んで20連チャン以上の台がある一方で、2000回どころか3000回近い大ハマリをすでに3回も目撃している。

より一層ギャンブル性が上がり、パチスロ並みの興奮を味わえることも事実だろう。最近、体力的な衰えで仕事量が減ってきた私にとっては益々やりにくくなってしまった。

これまでは無制限で一日10万円以上の投資を行なったことはパチプロになって一度もなかったが、今度の新規則機をやりだしたら、間違いなく大ハマリに遭うことを覚悟している。投資金額も10万オーバーを強いられる日が来るとも思っている。もちろん波が荒いゆえ、勝ちの記録も更新する可能性もある。こちらの自己記録は差玉約91000発だが、ひょっとして10万発オーバーなんてことも起こるかもしれない。

仕事上波が荒いのは好ましくないが、逃げるわけにもいかないので心してかかろうと思っている。