松真の世界
〜10講義目:下見〜

  1. TOP
  2. 松真の世界TOP
  3. 下見

※パチスロ極Z2018年4月号に掲載されたものを転載しています


【下見】したみ

一般的な認識

何かをする前に、あらかじめ状況をチェックしておくこと(類語:下調べ、下検分)。


主な使用例
    

「明日は念願の合コンだから、一応、会場の下見に行くか」

本当に見るべき部分はデータなんかじゃない

風の噂によると、パチスロで勝つためには高設定を打たなければならないらしい。また、高設定を打つためには下見をして狙い台を絞らなければならないらしい。

僕はこれまで、自らの意思で下見をしたことが1度もない。なぜなら、ただ単純に面倒くさいし、行ったところで何を見れば良いのか分からないし、心のどこかで「下見をしても負ける時はどうせ負ける」と思っているからだ。下見をして負けるのと、下見をせずに負けるのなら、当然、後者のほうが効率が良い。ましてや、僕の場合は「この凱旋、1週間くらいGOD引いてないな」とか「このハーデス、天井まであと1100Gだな」とか余計なことを考えてしまうリスクがあるため、下見をしたせいで負ける可能性だってゼロではない。ならば僕は、下見をせずに時々勝つ効率の良いスロッターになる。数年前、そう決意したのである。

しかし、この仕事をしていると否が応でも下見をしなければならない状況が訪れる。一応、その時はパチスロライターっぽくデータ表示器をポチポチしながら「しばらくヘコんでますね?」とか「ちゃんと設定使ってますね?」とか言ってみるものの、正直、それらはすべて上辺の言葉。どうしても下見をしなければならないのならば、僕はデータ表示器ではなく以下のポイントを見るようにしている。


[1]ATMの有無

我々負け組にとってのATMは、言うなれば翼くんにとっての岬くんのようなもの。ATMが設置されているホールとそうでないホールとでは大ハマリを喰らっている時の安心感が違うから、良い精神状態を保ちながらパチスロを打つためにも、やはりATMの存在は欠かせない(1日に3万円までしか引き出せないのが玉に瑕)。つまり、僕が眉間にしわを寄せながらシマ図を眺めている時は、機種の位置なんかではなくATMの有無を確認していると思っていただいて問題ない。


[2]台間のスペース

せっかく好きでパチスロを打っているのだから、常に気分良くレバーを叩きたいと思うのが我々負け組の性。そのためには当然ながら居心地が大事であるため、台間のスペースは必ずチェックしておく必要がある。台間のスペースが広いホールは、その時点で優良店と判断してOK。逆に台間のスペースが狭いホールは、隣に人がいない台かカド台しか打てない微妙な店と判断してOK。居心地の悪い設定6よりも居心地の良い設定1のほうが、我々にとってはむしろ高設定なのである。


[3]トイレの清潔感

朝から晩までパチスロを打つ場合は、誰しも必ず最低1回はトイレに行くだろう。言い換えれば、トイレは強制的に我々負け組の頭を冷やしてくれる避難所のようなものなので、汚かったり臭かったりしたら、恐らく冷静さを取り戻すことはできない。特に、ビッグボーナス用の便器が知らない人のビッグボーナスまみれだった時の不快感は絶大。どんなに環境が良かろうが、どんなに設定状況が良かろうが、それだけで僕はそのホールのことを文字通りのクソホールに認定するだろう。下見の際は、必ずトイレに潜入して頑固なビッグボーナスの有無をチェックすることをおすすめする。


――もちろん、自販機のラインナップや女性店員の貞操など、これら以外にも見るべきポイントは多数存在する。普段から下見をしている方もこれまで下見をしたことがない方も、機会があれば必ずこれらのポイントを意識してデータ収集に尽力して頂きたい。万が一、ATMがなくて台間のスペースが狭くてトイレがビッグボーナスまみれで設定状況が素晴らしいホールを見つけた時は、金銭的期待値と精神的期待値のどちらを重視すべきかを今一度ゆっくり考えてみれば良い。自ずと答えは見えてくるはずだ。



正解は間違いなく前者(松真ユウ)。

松真ユウが過去に1度だけ行った恥ずかしい下見



必勝本の看板企画であるジャンバトに初めて出させてもらうことが決まった時、ヤル気を見せるために人生初の下見をした。その結果、番長2の◎設定を1発ツモすることに成功。あの日の帰り道、ただのマグレであることに気付かずに「真面目にやればパチスロなんて簡単だな」などと思ってしまった自分を全力で殴りたい。