思い出のスペーススペクター(編集メガネ)
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皆さんこんにちは。

前日のコラムで小太郎に…

「そんなダメ人間の俺にも仲間がいる。その代表格がパチ&スロと麻雀を愛し、家に帰れば毎日浴びる様に酒を飲み、週2回はケンタッキーを食べるという『編集メガネ』がその人だ」

と紹介された兵庫県出身のダメ編集「メガネ」です。

いや、まぁね、趣味がパチ&スロと麻雀で、さらに酒好きときてる。そりゃ「この人はダメ人間ですよ」って紹介されても異論はないワケですよ。40歳超えて独身ですし。ただね、「週2回はケンタッキーを食べる」というのはほっといてくれんかな!?

ケンタッキー食ったらアカンの!? ねぇ!? カーネルさん泣いちゃうよ!?

…まぁいいや。ついでにもう少し自己紹介させていただくなら、この「メガネ」という誌上ネームは、私が漫画誌「パチスロ7」で漫画「それで勝てるのかよ!」の担当編集をやっていた時に、作者の藤波俊彦先生につけられたもの。

(C)FUJINAMI TOSHIHIKO


理由は「メガネをかけているから」。

バカなの!? ねぇ!? 計5人のパチスロ7編集部員の内、4人がメガネかけてましたけど!?

…まぁいいや。話が進まないので本題に戻しましょう。



前日のコラムの通り、「思い出の名機を打とう!」と小太郎と意気投合し群馬に向かった2人。

私のお目当ての1つは、貯留タイミングをズラし、V入賞率をアップさせる止め打ちが効果絶大だった三共(←当時は漢字表記!)の「アクダマンSP」という3回権利モノ。

しかし、残念ながら"旧台"入れ替えで撤去されていました…。皆さんも訪れる際はホームページをチェックしましょう。あまり親切には表記されていませんが(苦笑)。


それはさておき、もう1つのお目当て機種が日活興業の「スペーススペクター(以下、スペスペ)」。


この台には思い出と突っ込み所が満載なんですよ。

パチスロ界では時折、全員が声を揃えて「なんでやねん!」と突っ込んでしまう機能を搭載した機種が登場します。

例えば…タイヨーの右レバー。迷機「リスキーダック」などに搭載されたこの機能、文字通りレバーが筐体の右側(コイン投入口の左下あたり)についてまして、初めて打つ人がレバーを叩く時に「必ず空振りする」という謎の効果をもたらしました。開発した人は空振りが見たかったのでしょうか?

続いては高砂の「ターゲットセブン」などに搭載された予備コインタンク。この予備コインタンクは筐体内部のホッパーの上(厳密に言えばリールの右横あたり)に設置され、ホッパーのコイン切れの際に作動→ホッパーにコインを供給しコイン切れを未然に防ぐ、というものでした。…が、とにかくこの予備コインタンク内にコインが詰まる。そしてエラーが出る。当時、私はホールでアルバイトをしていたのですが、最終的には店長から直々に「予備タンクにはコインを絶対に入れるな」というお達しが出ました。いったい何がしたかったのでしょうか?

そして本題のスペスペ。この台の下皿には…


上記写真のように可動式の小さなスライドドアが設置されていまして、ドル箱にコインを移す際はドアを開ける→コインをラクにドル箱に移せる、といったものでした。…が、遊技中、組んだ足を組みかえる際に、高確率でこのスライドドアに足が当たるんですよ。結果、勝手にスライドドアが開き、ホールの至る所で「ジャラーッ!」と床にコインをブチまける客が続出。

あっちで「ジャラーッ!」、こっちで「ジャラーッ!」。

上記写真をよく見てもらえればわかる通り、最終的にはこのスライドドア、「全てのホールでガムテープで止められる」という事態に陥りました。開発した人は一度も試し打ちをしなかったのでしょうか? 謎は深まるばかりです。


さて、この台にはまだまだ様々な思い出があります。初めての万枚もこの機種(厳密には絵柄違いの兄弟機「スペースバトル」、しかもBモノ)でしたし、地元の神戸で、悪友と毎日のようにモーニングを取りに行ったのもいい思い出です。

そしてもう1つの大きな思い出は…「セット打法」。

若い読者さんには理解しがたい言葉だとは思いますが、一昔前のパチスロには、強制的にボーナスや小役を揃える、言わば「裏技」が通用する機種が存在しました。

開発段階でのミスをついた「キズ」と呼ばれるものと、何者かが意図的に仕込んだ「セット」と呼ばれるもの。

そしてこのスペスペには、ある手順を踏めば必ずBIGが揃う、という「セット打法」が存在しました。

その手順がコチラ。

[1]素早く打ってウェイトをかける

[2]コインを3枚投入し、素早くレバーON→清算ボタンPUSH

[3]ボフッという音と共にコインが払いだされれば第1段階成功

[4]コインを1枚入れるだけでなぜかリールが始動→順押しで中段以外に7をテンパイさせる

[5]右リールに7をビタ押しすると同時にコインを1枚追加

[6]7が揃ってBIGボーナスがスタートする

といったもの。

上手くいけば2G程度でBIGを強制的に揃えることができます。ええ、車でも何でも買いたい放題ですよ。ホールに行くだけで大金持ち確定。

それを知った、当時10代後半だったメガネ少年は意気揚々とホールに向かいました。

そしてスペスペに着席。素早く打ってウェイトをかけ、清算ボタンに指をかけた瞬間…。

ムギュッと掴まれる右腕。振り返ると、パンチパーマの店員さん(当時の店員さんは怖かった…)が無表情で少年にこう告げました。

「兄ちゃん、2度と来んなよ」と。

まぁ、ここまで書いておいてなんですが、こうなることはわかっていたんですよね。当時10代の、何の情報網も持っていない少年がそんな裏の手順を入手するなど不可能。

某攻略誌に載っているのを見て、とりあえず一度やってみよう、と"ダメモト"でホールに行ったに過ぎません。つまり、とっくの昔に祭は終わっていたんですね。

ちなみに次の日も同じ店に行きました。秒速で追い出されました(笑)。

でも、やっぱりやってみたかったんですよねぇ。セット打法。

そして20数年越しに実践したセット打法がコチラ。

【スペーススペクターセット打法】


数回の失敗後に成功しましたが…最後の「ビタ押しと同時に1枚追加」が難しい! これをホールで、さらに店員にバレないように行なうには、相当な度胸と技術がいりますね(苦笑)。


最後に、もう1つだけ語りたいことが。

このスペスペ、実はBIG入賞時に、ちょろっとだけ映画「スターウォーズ」のテーマが流れるんです。

フルで流すには版権料が掛かりすぎるのか、ちょろっと流れた後は「ダッ! ダダダダ! ダダダダ!」とドラムの音だけになりますが(笑)。

つまり、スペスペのモチーフは映画「スターウォーズ」なんです。

それを踏まえてパネルを見てみると、スタイリッシュな絵柄がよりカッコよく見えてきます。

▼鋭角的で最高にカッコいい7絵柄。


▼ストームトルーパー(もしくはダースベイダー?)を彷彿とさせるオレンジ色のBAR絵柄。


▼この小役はもちろんデススターですね。異論は認めません。


そして…


▼R2-D2…!?


いかがでしょうか? 何か、色んな意味で残念で、いろんな意味で素敵過ぎるスペスペ。

誰がなんと言おうと、私にとっては名機中の名機です。



――4/30更新のコラム(小太郎担当)に続く

アツいぜ
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