追い込まれないとなかなか勝てない
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●お悩み[24]

『追い込まれないとなかなか勝てない』

給料日直後でお金に余裕がある時はなぜかパチンコも競馬もなかなか勝てません。でも、給料日前でお金に余裕がなく、精神的に追い込まれている時は意外と勝っています。ギャンブルをする時は、金銭的にも精神的にもギリギリの状態だと感覚が冴え渡るものなんでしょうか?
(30代・男性)



●坂上氏の回答



僕もそっちのタイプで、周りの人から「チャラガミ」と呼ばれています。いくら負けてても、追い込まれると必ず盛り返して「チャラにもっていく坂上」という意味で「チャラガミ」。

それはボートレースでも麻雀でも一緒なので、「チャラガミ」である自覚は持ってます。ただ、ギリギリの状態だと、感覚が冴え渡るのかというと、それはどうなんでしょうね。給料もらってすぐのときでも、研ぎ澄まされた感覚を持てるようにすれば結果は変わってくるはずです。


たとえば、こんな話があります。舞台をやってると、公演の初日は誰でも緊張するものです。どんなに稽古をしてきても、お客さんの前でやるのは初めてだから怖さや緊張感は最高潮。でも、だからこそ集中力も高まり、得てしてトチることが少ない。

そうしてお客さんの反応を見て、少しずつ救われていき、慣れていくんです。でも、そこでホッとしてしまうことで「2落ち(におち)」と言って、2日目にトチりやすくなる。

それが分かってる人は「初日は一生懸命でいい。でも、一度演じたんだから、2日目からはプロとしてしっかりやらなければいけない」と考えるのでトチることがありません。それこそが経験(の差)だと思うんです。


そう考えると、自分でメンタルコントロールできず、追い込まれて初めて力を発揮する人のことはプロと呼べるのか。凄いと言っていいのか。

プロ野球選手だって開幕戦は緊張するはずです。そして、選手にとって本当の戦いが始まるのはペナントレースの終盤から日本シリーズにかけての9月、10月。では開幕以来、9月まで手を抜いているのか、みんな結果を残せていないのかと言ったら、そんなことないですよね。調子の波はあっても、しっかりアベレージを保っているからこそプロであり、一軍選手なのです。


相談者は、給料をもらった途端に気が大きくなり、いたずらに負ける。そして、給料日間際になると眉間にしわを寄せて一生懸命になってるのではないでしょうか。

ギャンブルの神様がいるのかどうかは分かりませんが、この方は神様に救われているような状態。僕から見ると、自力で勝っている感がないんです。

たとえ給料日間際に100万円勝っても、それまでに70万円負けてたら、トータルでは30万円のプラスでしかありません。でも給料日直後にメンタルをつくり、すぐに100万円勝つことができれば、その後にもっと収支を伸ばすことができるでしょう。


負けが込んでる時に勝っても、それは単に首がつながっただけです。勝ち組になりたいなら、お金がある時に勝たないと。

もし、「自分は追い込まれても最後はきっと勝てる」なんて高をくくってると、いつか大変なことになりますよ。ギャンブルに足を踏み入れたら、毎回が勝負だと思わなければダメ。だからこそ、メンタルのコントロールが大事なんです。
アツいぜ
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