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- 試みの高低線―嵐のハードボイルド人生相談―
イチモツのサイズ
担当編集メガネ(以下・メガネ)「最近はパチンコ・パチスロに関するものだけではなく、ガチの人生相談も増えてきて、担当編集者としましては冥利に尽きる反面、不安を抱える日々が続いております。みんな、こんな胡散臭いオッサンにガチの相談を持ち掛けてホンマに大丈夫ですか(苦笑)? そんな優しくて純粋な読者の皆様に支えられているからこそ、成り立っている本コラム。粗方先生にはそんな皆様を決して裏切らぬ、誠実な回答を期待します。それでは先生、今週もよろしくお願いいたします」
■PN『黄色オーラ』さんからのご相談
僕はワキガです。
それも極めて重度の強烈なワキガらしく、電車内やパチンコ屋など人がごった返す閉じられた空間でも大抵は僕の周りだけ人がいません。消臭スプレーなど、できる範囲の臭い対策はしているのですが…。
この前は、1300G過ぎのハーデスを打ってたお兄さんが、僕が近くに座った途端にヤメていきました。こんなことがあると傷つくし申し訳ないし、最近は打ちに行くのが厭になりかけているのですが、僕だってパチスロは好きです。臭いがきついからパチスロを引退する、というのは悲しいです。
どうにか周りに迷惑をかけずに好きなパチスロを心置きなく打つ方法はないでしょうか。
■粗方先生のお答え
生きていれば、自分の努力だけではどうにも出来ないことはいくらでも出てくる。
例えば俺の場合だと、1つ挙げるならイチモツが人より小さいことだな。自分ではそう思いたくないし、信じたくもない悪夢だが、昔付き合っていた女が他の男と付き合ったあとにヨリを戻したときに「りょうちゃんのチ●コって、やっぱりアレだよね。体の割にはホントに小さいよね」と言われたことがあるから、おそらくは揺るがすことの出来ぬ事実なのだろう。
だが、その時はもちろんショックを受けたが、いまの俺はもうその残酷な事実を完全に受け入れている。むしろ逆にあっけらかんとしているくらいだ。なぜなら、それは「自分ではどうしようもない事実」だからだ。
腕ならば、筋トレをして太くすることもできる。学力なら、勉強をして伸ばすこともできよう。しかし、チン●だけはそうもいかない。鍛えて太くしたり伸ばしたりしたくても、鍛えようがないからな。お前の悩みは、形はまるっきり違えど内実はそれに近いのではないか?
色々と頑張ってはみたけれど、自分ではどうしようもなかった。ならばクヨクヨ悩まずに受け入れるしかないし、どうしてもそれが受け入れがたく、現状を変えたい…と思っているのであれば、もはや「他人に頼る」しか道は残っていないだろう。
だから小僧、とりあえず病院へ行け。そして専門医に相談しろ。
クリニックに行けば、的確な指導や処置でお前の悩みが劇的に改善される可能性は決してゼロではないハズだ。だから、とりあえず1人で悩まずに、然るべきところに相談しに行くのが、前向きでひた向きな努力だと俺は思う。
お前がもしクリニックに向かうというのならば、俺も残酷な現実にもう1度抗いたくなるかもしれない。そのときは、然るべきところでひとつ上の男を目指そう。お互い、因果な体を持って生まれてきたものだな。
でも、だからと言って神様に愚痴をこぼしても、逆に媚びへつらって拝み倒しても、何も現状は変わらない。ならば神頼みではなく、人に頼れ。お前が早く、悲しい思いをせずに回胴を快く楽しめるようになる日が来ることを、俺はずっと遠くから祈っているぞ。
■PN『夜勤明けで開店から閉店まで打ち倒す男』さん
ここ数年ずーっと気になっていることがあるんです。それは「本物ボーナス」「リアルボーナス」という言葉です。
「擬似」ボーナスに対して、ということは分かるんです。分かってはいるのですがどうも腑に落ちない「本物」ボーナス。この言葉を雑誌やネットで目にする度にモヤッとするんです。
擬似体験、擬似フ●ラ、擬似セ●クスと言うことはあっても、本物(リアル)体験、本物(リアル)フ●ラ、本物(リアル)セ●クスなんてまず言わないじゃないですか。ボーナスはボーナスであってそれ以外の何物でもないのだから、本物だのリアルだの言わなくてもいいと思うんです。
7が揃って数十ゲームのARTやAT=擬似ボーナスっていう時代を迎えたからこその本物、リアルだとは思うのですが、でもやっぱりモヤッとするんです。この気持ち、分かって頂けますでしょうか?
このモヤモヤを解消する方法などありましたら教えていただけると幸いです。
■粗方先生のお答え
お前の言いたいことはよく分かる。俺も本物ボーナスはただのボーナスでいいじゃないか…と思うクチだからな。
だが、メディアで情報を伝える…となると、どうしてもそれだと曖昧な表現になってしまうのだよ。「擬似ボーナス」という表記がある以上、それとハッキリと対比した「本物」や「リアル」という頭文字を付けずに、純粋なボーナスをただの「ボーナス」と表記してしまうと、読み手に「え? これってドッチのことを書いてるの? 擬似ボーナス? それとも純粋なボーナスのほう?」と、不必要な混乱を招くおそれが出てきてしまうからな。
だから、正確に情報を読み取ってもらうためにも、時として本物やリアルといった冠がハズせない状況が出てくるのだ。
だから小僧、とりあえず頭に付ける冠の代案を俺が考えてみたから、以下をちょっと読んで精査してみてくれ。
その冠言葉とは、ずばり「ガチンコ」だ。
ガチンコ体験。
ガチンコフ●ラ。
ガチンコセ●クス。
…な?
本物やリアルよりは、なんかこう、しっくりくるだろう? だから俺は、今後は本物ボーナスやリアルボーナスではなく、「ガチンコボーナス」という呼称を世に広められるように努力していきたいと思う。
もしお前が、俺が提唱する代案に賛同できると思ったら、その時は陰ながら応援してやってくれ。
■PN『スパンキング三世』さん
粗方先生はカジノに行ったことはありますか?
興味はあるのでちょっとやってみたい気持ちが強いですが、遊び方どころかどんなゲームがあるのかすら知らないので敷居が高く感じてしまいます。もし先生がカジノ経験者なら、おすすめのゲームや先生流の楽しみ方を教えてもらいたいです。
あと、カジノが出来たら、やっぱりパチンコ・パチスロ業界は今よりも厳しくなるのでしょうか。
■粗方先生のお答え
俺はあるぞ。パチスロに必要な勝負勘を鍛えるという名目…もとい、目的で、毎年1度は必ずマカオに足を運ぶようにしているからな。
そして、俺も初めて行くまでは敷居の高さを感じていたが、実際に行ってみると敷居は全く高くない。ほとんどが運任せのゲームだから、パチスロのように知識や目押しといった特別なスキルはほとんど必要ない。
だから、カジノにある敷居は赤子でも問題なく踏み越えらえる程度のものでしかないと言えるだろう。
そのなかでも、俺的にオススメのゲームはやっぱり「バカラ」だな。
簡単に言うと、親と子(赤色と黄色)に配られたトランプの数の大きさを競うゲームで、客はどちらが勝つかを予想する。引き分けだった場合はBETが戻ってくるから、正答率は純粋に1/2だ。初心者にはうってつけのゲームと言えるだろう。
そして、これが単純なのだが猛烈に面白い。ゲームの流れを読みながら(読んだつもりになりながら)、勝負所を己で図りつつ、BETをコントロールしていくところに妙味がある。狙い通りに、大きなBETで勝利した時の喜びはカジノならではの醍醐味と言えるぞ。
そして、バカラでカジノの雰囲気を掴んできたら、知識介入性のある「ブラックジャック」もオススメだ。そして最終的には、我々客側が唯一、カジノ内で安定して勝てる可能性を秘めている「テキサスホールデムポーカー」を覚えていく。
テキサスホールデムは、店側との勝負ではなく、客同士の勝負となるから、しっかりと知識を身に付けて経験を踏んでいけば、勝てる可能性が十分にあるゲームなのだ。
身近なゲームでイメージするならば、麻雀に近いだろうな。達者な人はそのぶん勝率が高くなるし、逆に達者ではない人は勝率が低くなる。だが、前者が必ず勝つワケではないし、逆に後者が必ず負けるワケでもない。そこもまた、両ゲームに共通した魅力と言えるだろう。
…と、話が長くなってしまったが、いま挙げた一連の流れが、俺がお前に覚えておいて欲しい事柄だ。お前がもしカジノデビューを果たすことになったら、思い出してほしい。
そして最後に、もしカジノが出来たら、パチンコ・パチスロ業界はいまより厳しくなるのか…についてだが、とりあえず俺はそこまで影響はないんじゃないか…と考えているぞ。
パチンコ・パチスロとカジノの種目ではゲーム性が全く異なるし、その先にある楽しさや喜びの質も違う。例えばパチンコ・パチスロの客がカジノに取られる…なんてことにはならないだろうし、基本的にカジノは自国民に対しては入場規制がかかるケースが多いから、パチンコ・パチスロのように我々が身近で気軽に遊びに行けるような存在になる…という可能性も高くはないだろう。
だから、カジノに競合されてこの業界が衰退する…という流れにはならないんじゃないかと思う。
ただ、ギャンブル依存症対策がさらに強化される流れのなかで、我々の業界に対する規制がより強まる可能性はいつだって否定できないだろうから、確実に大丈夫だ…とは言えないがな。
まあ、なんにせよ、我々回胴愛好家がいくら案じたところで、この先の未来はなるようにしかならない部分も多い…ということだ。そして、その1つがカジノとそれが生み出す環境の変化だろう。
だから小僧、とりあえずここはあんまり考え悩みすぎずに、成り行きを見守ろう。
メガネ「ホンマにカジノとパチ&スロは競合せえへんのかな?」
嵐「日本人は"自分の努力でなんとか出来るようなゲーム性が好き"な方が多いと思うので、一部のカジノゲーム、例えば上に挙げたブラックジャックやテキサスホールデムなんかは流行るかもしれないですが、それ以外のゲームはそこまで…だと思うんですけどね」
メガネ「たしかに、言われてみれば俺の周りにも"パチスロは努力すれば勝てるから"という理由でどハマリしたツレは多かったけど、そういう理由でハマったヤツに限って、他のギャンブルは一切やらへん…ていうんも多かったね」
嵐「そういう"攻略に楽しみを見出すタイプ"の方々は、やっぱりカジノよりもパチンコ・パチスロの方が面白い…となる方が少なくないと思いますけどね。現にマカオに行っても、いまいちハマらなかった…となる人も話を聞いていると少なくはないですからね」
メガネ「なるほどね。たしかに"攻略に楽しみを見出せない負け組の代表格"である嵐さんは、逆にマカオにハマっとるワケやからね。なんだか信ぴょう性がグッと増したわ」
嵐「失礼なこと言わないでくださいよ。アタクシは真面目に勝とうと思ってパチスロを打ってますから!」
メガネ「もうええって、いまさら背伸びせんでも」
嵐「まことに遺憾ですな。その誤解は」
