2つのレバー
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担当編集メガネ(以下・メガネ)「9月に入りましたが、まだまだ厳しい残暑が続いておりますね。平均気温は徐々に下がってきましたが、湿度が高い日も少なくないですし、まだまだ水分補給など、熱中症対策には気を付けていきたいところです。そして今週末も寝苦しい夜が続きそうですが、当コラムが、そんな長い夜のお供の一助になれば幸いでございます。それでは粗方先生、今週も気合いのこもったご回答を何卒よろしくお願いいたします」



■PN『烈パイ王』さんからのご相談

最近の先生のコラムを読んでいるとスロカイザーさんがただの変態としか思えなくなってきたんですが、逆にスロカイザーさんがすごいと思うところはありますか? それとも、やっぱりただの変態ですか?

別に夜も眠れないほどじゃないですけど、気になります。


■粗方先生のお答え

あの男とは友ゆえ、俺も書きたいことをつらつらと遠慮なく書いてきてしまったからな。親しさゆえの歯に衣着せぬ物言いが、莫逆の友をただの変態…と認識させてしまったことに、申し訳なさを感じて止まぬ次第だ。

やはり、親しき仲にも礼儀あり。今回はせっかくなので俺がアイツの良いところを沢山挙げて、友の汚名を雪ぐとしよう。


スロカイザーの良いところは…

アイツは背が高い。あとは………え〜と、そうだな。とにかく背が高い。見上げるほどに背が高い。まるで人間山脈のように背が高い。


小僧。とりあえずアイツは本当に背が高いんだ。これだけは心に刻んで覚えといてやってくれ。



■PN『ニンジンスキー』さんからのご相談

パチンコ屋のお客さんは、トイレの後に手を洗わない人が多すぎると思いますが、何故ですか?

あんなに非常識な行為が当たり前のように行なわれている空間はパチンコ屋以外で見たことがないです。打ちたい台を見つけても、自分の前に打っていたのが手を洗わない人かもしれないと思うとテンションが下がって困っています。

なにか、間接的に手洗いを強制するようなアイデア、もしくは余計なことを気にせず遊ぶ気の持ちようなど、あれば教えてください。


■粗方先生のお答え

たしかにお前の言うように、用を足したあとに手を洗わない客は多いよな。男は女に比べて用済み後に手を洗わない比率が高いと思われるが、それにしてもパチ屋での洗わない比率は、他と比べると極めて高いように俺にも思われる。

なぜなんだろうな。

「ウンを味方に付けたい」

「台前でもトイレでも、俺が触ったのはどちらも"レバー"だからいちいち洗う必要なんてない☆」

そんなゲンかつぎや、シャレみたいなものが流行っているなんて話は聞いたことがないが、あたかもそうであるかの如く、洗面所を一顧だにせずスルーして席に戻る客が多いのは現状だ。

そして、この状況を強制的に変えるのは極めて難しいとも思われる。なぜなら、老若を問わず、老いも若きも洗わないヤツは洗わないからだ。即ち"手を洗わない問題"は、特定の世代に訴えかければ抑止できる、一掃できる…といった簡単な問題ではないということになるだろう。世代を超えて我々に突き付けられた、過去も未来も股にかけた大きな課題と言えるだろうな。

そして、特に冬場は、ノロウイルスなどの予防がそこかしこに叫ばれているにも関わらず、ヤツらはそれでも手を洗おうとしない。己の危険も顧みず、それでも手を洗わないヤツらの行動にはある種の"信念"や"思想"すらもあるのではないか…と感じられるほどだ。

それほどの状況だから、即効性のある改善策は現状、見当たらないと言わざるをえまい。…となると、あと我々に出来ることは自己防衛のみ…ということだろう。

小僧、とりあえず打つときはまず、おしぼり等で台を綺麗に拭け。そして、それでも気になるようであれば、ホールで貸し出している手袋を着用してプレイすることをオススメする。

ちなみに、俺の友にはマイ手袋を持ち歩いている男もいる。どうしても気になるのであれば、それくらいやってもいいだろう。

自分の身は、自分で守る。悲しいが、現状はその心がけで乗り切っていくしかないだろうな。



■PN『いりぐちひろし』さんからのご相談

粗方先生おはようございます。僕は売上があまり芳しくない小さな会社で働いているのですが、最近は「3ヶ月でサイトの月間ビュー数を10万増やせ」だとか「半年で売上を200%アップさせろ」だとか、ノルマがきつくて心身ともに参っています。

僕なんかよりもハードな企画を数多くこなしてきた嵐さんのエピソードを読んで元気をもらいたいのですが、今までで一番「考えた奴をぶん殴りたい」と思った企画を先生から聞いてもらえないでしょうか。



■粗方先生のお答え

嵐曰く、殴りたいヤツは「歴代担当編集者ほぼ全員」。

即ち、ほぼ全ての体を張る系の企画で「考えたヤツをぶん殴りたい」と思っている節があるようだな。

つまりはお前も、そして嵐も、この現代社会で生きていくためには日々是臥薪嘗胆。多かれ少なかれ、苦渋を嘗めながら日々歯を食いしばって生きているということだな。


ちなみに、なかでも特につらかったエピソードはあるか? と尋ねたところ、ヤツがまだペーペーのド新人時代に、愛知県まで自転車で行った誌面企画が本当につらかったそうだ。

行程は2日間。朝も夜も走り続けて、中盤以降は股が腫れ上がってサドルにも満足に座れず、常に立ちこぎ状態でひたすら疾走。おまけに後半は自転車にもガタが来て、何度もチェーンが外れる始末。最終目的地であった三河安城に着いたときには、チェーンが外れた自転車を担いでゴールまで走り切ったそうだ。

「若くなかったら確実に無理でしたね。…まあ、若気の至りが過ぎて、2月末だというのにジャージ+Tシャツで走り始めて、夜中に凍え死にそうになったのは完全にアタクシの失敗でしたけど(苦笑)」

とはヤツの弁だ。人に歴史ありだな。

まあ、その積み上げてきた歴史のせいで、未だにヤツは体を張らされる機会が多いのだろうが。前回も書いたが、全てはヤツがNO! と言えない日本人であるがゆえ。自業自得というヤツだろうな(苦笑)。

というワケだから小僧、とりあえずお前も、色々と不満はあるだろうが、人の振り見て…とはちょっと違うが、まあ嵐もやってるし…くらいの気持ちで、困難な現状に立ち向かってみろ。


嵐曰く「つらいことをこなすとストレスは溜まりますが、そのぶん精神的にも強くなれますよ。いまでは嫌なことがおきても大半のことは"アレよりはマシ"という考えのもと、簡単に乗り越えられるようになりましたから(笑)」とのことだ。

つらいことは、得てして己を成長させる糧にもなる…という精神で、お前も日々頑張れ。



メガネ「嵐さんもホンマに色々とやらされてきたよねぇ」

「そうですね。ちなみにアナタもやらせる側の一員ですけどね」

メガネ「いやいや、俺は優しく接してきたほうやって。無茶ブリとかようせんし」

「そんなことはないと思いますけど。だって、現にこのコラムのキャラ設定も、無茶ブリと言えば無茶ブリですし」

メガネ「言われてみればたしかにそうやね(苦笑)」



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アツいぜ
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