夏の火遊び
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※実戦部分はノンフィクションですが、それ以外はフィクションです


やあやあ、元気かね? 毎週火曜の空虚タイム、田母神コラムの時間がやってきたぞ。お盆休みが明けて2週間目、どこか気の抜けた生活を送っている方も多いと思うが、それに見合った軽妙な(=どうでもいい)話で行間を埋めていきたい。


私は今年で43歳になる。有難いことに厄年も過ぎ去り、会社でもそれなりのポジションに収まり、そして家庭内も穏やかだ(と思っている)。欲を言えば、もっと給料を上げてほしいとか、もっとパチスロで勝ちたいとか、要するに「経済的に余裕を持った生活をしたい」とは考えるものの、現状には一応満足している。

当然、現在の安定感は何事にも代えがたいもので、それを手放すのは間違いなく「悪手」。たとえば、後先考えずにパチ屋で散財し、妻に何も言わず飲み屋へ向かい、行きずりの女性とムフフなことをして翌朝に後悔する…といった刹那的な行動は、明らかに今までの生活をぶっ壊すワケで、それは意識的に自制している。だが、心の奥底で「ちょっと無茶なことをしたい」という欲求があったのもまた事実である。あの日までは――。


先日、お盆休みで地元へ帰った際に中学時代の同窓会があった。…この時点で話の流れが少し想像できた方もいるだろう。しかし、もう少し話を続けさせてほしい。

数十年ぶりに会った同級生たちは年相応に老けていたものの、それは自分も同じ。年齢を気にするのは野暮なことで、私は元中学生のおっさんやおばさんたちと思い出話に花を咲かせていた。

そんな中で、周囲と違った存在感を醸し出す女性が1人。もちろん同級生なのだが、見た目だけでいえば30代前半といったところ。童顔で、清楚そうで、色気もあり、もっと直接的な表現で言えば「どストライク」だ。中学時代は全く意識していなかったのに、あれから約30年経った私は意識しまくりである。

一般的な既婚男性であれば、たとえ「いいな」と思ったとしても、自らを律して何事もなく自分の家庭へと帰るだろう。当然、私だってそうしたかったが、この日は心の中のリトル田母神が「行け」「YOU、たまには無茶しちゃいなよ」と囁きを止めないのである。困ったものだ。

気持ちが一旦決まると、(その場の楽しい雰囲気と酒の力も相まって)止めることは難しい。私はその女性(仮にAさんとしよう)とマンツーマンで会話し始め、その後へ繋がるキッカケを掴もうと躍起になる。


「Aさんは、結婚…してるよね?」

「ううん、今は1人」

「そうなんだ。それだけ可愛いならモテるでしょ」

「そんなことないよぉ。田母神くんも若いよね」


Aさんのこの反応、悪くない気がする。


「Aさんはお子さんいるの?」

「うん、1人ね。今年高校生になった息子と暮らしてるの」

「そっか。頑張ってるね」

「ありがとう。色々と大変だけどさ(笑)」


たしかに、笑顔の裏には疲れが垣間見えた。正直そこにもグッと来て、その苦労を一瞬でも忘れさせてあげたい…などと超ゲスな気持ちを抱いていると、Aさんが聞いてもいない話を始めた。


「前の旦那と別れた理由はね、パチンコなの」

「そ、そうなんだ」

「借金を作ってさ」

「それは大変だったね」

「だから私、ギャンブルする男は絶対ダメ。マジで」

「ま、まぁそうなるよね」

「田母神くんは、ギャンブルする?」

「…し、したことないよ(目が泳ぐ)」

「そうなんだ。じゃあ良いかも」

「良いかもって、どういうこと?」

「ううん、何でもない(ニッコリ)」

「…ちなみに、その借金はどうなったの?」

「聞きたい?」

「あ、いや、別に聞きたくないや」

「そっか。まぁ、全部旦那のせいってわけじゃないんだけどね」

「ん? どういうこと?」

「私もパチンコするし、その分もある(笑)」


今度の笑顔は、さっき見たものと毛色が違っていた。これまで抱いていた清楚な印象が一瞬で消えるような、私よりもゲスに思えてしまうような、そんな笑顔。


「田母神くん…この後、もう少し飲みに行く?」

「ん?」

「行こうよ。もっと話を聞いてほしいし、田母神くんの話も」

「え? あ、ん? そう?」


私は完全に及び腰となっていた。自分よりもグイグイ来ている相手が怖い。借金の話が重い。Aさんの本性なんぞ見たくない。もしこのままズルズル行ってしまったら、どうなるのだろう…。一瞬の間に頭をフル回転させたが、間違いなく楽しい未来は1つも見えない。

結局、私はお開きのタイミングを見計らって、さっさと姿をくらました。振り返れば、自分の行動は軽率であり、火遊びもできないチキン野郎だったかもしれない。何より、相手に失礼だったとも思う。だが、お互いこれで良かったのだ。慣れないことはするものじゃない。

その後に自宅へ戻り、イビキをかきながら寝ている妻を見て、ホッと笑顔をこぼした夏の1日だった。



●8/22

【ハナビ】
・総ゲーム数:1569G
・BIG:6回(1/261.5)
・REG:5回(1/313.8)
・合算:11回(1/142.6)


60_REG(2000円)
86_REG
63_BIG
11_BIG
176_BIG
106_BIG
256_ヤメ


収支…+10000円

この日は久々に隣町のホールへ行き、ハナビで勝負。夜7時半の段階で総ゲーム数は約1500G…と稼働の少なさが若干気になったものの、ひとまず確率を信じてみる。2000円でREGを引いたあとは小気味良い連チャンが炸裂し、最後は256Gハマった時点で勝ち逃げを選択した。正直、低設定の可能性が高いような気もしていたのだが、結果オーライだろう。


●8/24

【ゴーゴージャグラー】
・総ゲーム数:2767G
・BIG:14回(1/197.6)
・REG:7回(1/395.3)
・合算:21回(1/131.8)


85_BIG(3000円)
286_ヤメ(1000円)


収支…-4000円

この日はジャグ系に力を入れている、いつものホールへ。ゴージャグのシマで良さげな台を見つけて勝負を開始し、3000円でBIGを引いたが…連チャンはナシ。その後に1000円追加したところで「もう良いかな」と飽きてしまい、退散となった。もう少し打ち続けたら、また違った結果になったかもしれないが、それができないテキトーな性分だから仕方ない(笑)。


総収支…+53500円

先週に引き続き、今週もトータルではプラス収支で、総収支を増やすことに成功した。この好調がどこまで続くのか分からないが、できるだけ連勝を伸ばしていきたい。
アツいぜ
66