やっちゃいました
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前回に引き続きのアレパチシリーズ(でも、きっとこれが最後)は、ラクダが可愛いアレジン(1992年)です。ちなみに、エキサイトは関東圏でもそこそこ目にしたんですが、それはアレジンの大ヒットがあったからこそ…という説が濃厚。

当時は設置機種に地域差というものが少なからずありまして、アレパチは中部や関西では普通に見かけるものの、関東にはほとんど置かれていなかったんです。であれば、連チャンアレパチの先駆けであるアレキング、それに続くアレジンなど何をか言わんや、な状況。しかし、西の方ですこぶる評判が良いという噂を聞きつけたのでしょう、アレパチに馴染みが薄かった関東圏でも、エキサイトを筆頭に徐々にアレパチ導入店が増えていったのです。

そこからはエキサイトやアレジンといった藤商事の機種だけではなく、タイヨーエレックのスーパーアレパチとかパワフル(バカづき浜ちゃんについては色々とアレでしたが…)、またサミー工業(今のサミー)のローリングアドベンチャーにSANKYOのCRビッキーチャンスなどが登場し、遂には全国規模で盛り上がるまでのムーブメントになっていった…と、筆者的には考察しております。



そんなアレジンですが、前回のエキサイトのように公表確率は1/128。しかしそれは連チャンとハマリをならしたトータルのもの。内部的には大当たり抽選が16個のモードで管理されており(モード間の移行確率は1/16)、当たりがあるのはそのうちの1つだけ。しかもそこでの大当たり確率が1/8という超高確率ですから、まさに「天国モード」と言えますね。

天国モードから他のモードへの移行率も1/16なんですが、これを最近の機種で言うなら「確変転落タイプ」でしょうか。しかも、確変中の大当たり確率が1/8で転落確率が1/16ということなので、1回転の重みがヤバいわけです。そして天国モード中は1/4で「ピュイ」というリーチがかかるため、リーチが集中するだけで激アツ! ま、そこからは早く当たらないと…という恐怖心との戦いも始まるんですけどね。

もちろんモーニングもありまして、朝イチは1/8で天国モードとなるため、争奪戦が激しかったです。


エキサイトとは異なりデジタルは3桁。当たりになるのは奇数揃いだけなので、天国モード中は左に奇数が出るだけでドキドキしたものであります。


しかしデジタルが揃ったからといって大当たりではなく、開放したラクダ役物の中央に玉を入れて初めて権利獲得。揃った瞬間に右打ちすればたいていの場合には真ん中に入ってくれますが、たまにスカる場合もあって、つまりパンクですね。それを避けるために中央部分を指で触れるなんていうオカルト的かつ気休め的な動作を少なくない人がやっていました。

権利獲得後はそのまま右打ちで、半ば自動的に最大ポイントとなり、これを14G繰り返して約2000発の出玉を獲得できる…というのはエキサイトと同じ。

ちなみに、リーチの集中でチャンスというゲーム性はアレジンが元祖なのですが、この少し前に大ヒットしていたのがパチスロのアラジンなんですね。それはチェリーが頻発すればチャンスというゲーム性だったんですが、アレジンのリーチ集中はそれをオマージュしたものではないかというのがもっぱらの噂でありました。機種名もそうだし、ラクダ役物もしかり(アラジンにはラクダ図柄があったんです)。


それはさておき、先ほども少し触れましたが、なんとも驚かされたのが乱数の作り方なんですよ。細かい説明はこのコラムの主旨ではないので省きますが、当時の抽選方法というのは、特定の周期でグルグル回っている乱数を、スタートチャッカーに入賞した瞬間に拾うという極めて単純なものでした。

しかしこのアレジンは、そこに小細工を加えることで連チャンに欠かせないグループ化を実現していたんです。この解析結果が出た時には驚きましたし、作った人は天才なんじゃないかと思わされました。

そういえば最近、これを開発した会社が超大国の国防関係と技術面で協力したなんていうニュースがあり、もちろん同じ人間ではないと思いますが、さすがだなと改めて感じさせられた次第。



ちなみに今回のゲーセン実戦での天国モード中の動きを紹介すると、

リーチ→ハズレ→ハズレ→当たり→リーチ→当たり→ハズレ→ハズレ→当たり

…とか、

ハズレ→リーチ→リーチ→ハズレ→ハズレ→ハズレ→当たり→当たり

…と、これだけでも「ピュイ」と鳴くことのアツさが分かってもらえるかと。現在のような擬似変動もないですし、なおかつ保留がないので先読みとかでもないわけですから。


ただ、気持ち良く連チャンを楽しんでいたら…やっちゃいましたよ。


コーヒーでも買いに行こうとした時に自分で積み重ねていたドル箱を蹴っ飛ばしてしまい、一面に玉をぶちまけるという懐かしくも恥ずかしいことを。

店員さんが、先に磁石がついた棒で手際よく集めてくれましたが、これも昔は良く見た光景。店員が手伝ってくれないホールもあったりして、そんな店では照れながら自分で玉を拾い集めていました。他に落ちてる玉まで集めて、持ち玉が増えたりなんてことも。

また、当時は玉を流すのはセルフサービスですから、ジェットに流すために玉を台車に乗せて自分で運ぶわけです。その際、段差に躓いて玉をぶちまけるなんてことも珍しくはなく、それが閉店間際だと焦りながらかき集めたもんです。

今はセキュリティの面から自分でドル箱を運ぶのはNGな場合が多いですが、自分で台車に乗せて運ぶ優越感っていうのも、なかなか良いものでありました。


…なんて言いながらも、今じゃ自分のホール選びの最優先事項(最重要旗艦店じゃなくて)が「パーソナルシステムかどうか」だったりするわけですからね。人間ってのは便利さに慣れちゃうとダメですね。

でもそういう便利な環境で、改めてこんな連チャンアレパチがあれば再びパチンコも盛り上がってくれるんでしょうけど…。ま、こればっかりは諦めるしかないのが現実。残念で仕方ありません。


アツいぜ
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