アレパチの灯はどうなる?
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なんなんすかね、「ほぼほぼ」って言い方。強調するために繰り返す言葉というのは色々あるけど、なんだかこれは違和感ありまくり。ほぼほぼって聞くと、小学校の頃、先生に「ハイは1回でいい!」と怒られた記憶がよみがえってきます。

さて、パチンコ紀行第2回目は、久しぶりに「ピュイピュイ」って鳴かせたいという理由から藤商事の連チャンアレパチをチョイス(実際の「ピュイ」は1回だけです)。ちなみに、「アレパチ」という言葉はタイヨーエレックの登録商標だったりするので、藤商事においては正式名称であるアレンジボールと呼んでいました。しかしシャワートイレをウォシュレットと呼ぶのと同じように、アレパチも一般的な言葉として用いられていたのでそのまま使っていこうと思います。

ところでところで、サミーとの営業体制を一本化するためタイヨーエレックの全営業所を閉鎖するというニュースがありました。メーカーとしては残るということですが、原点であるアレパチはどうなるんでしょうか? サミーは原点である雀球を今でも作り続けているようですが、それと同じようにタイヨーエレックもアレパチの灯を絶やさないようにしてほしいものです。


さてさて前置きが長くなってしまいましたが、今回打つのは1992年に登場したエキサイト。数年前にリバイバル機種がリリースされましたが、その元ネタということになりますね。


簡単にゲーム性を紹介すると、まず盤面中央のクルーンを狙い、3つある穴のうち後ろの2つに入ればデジタルが回転。デジタルは2桁で、3か7が揃えば下アタッカーが開放し、その中央部分に玉を貯留すれば大当たり、というもの。


基本的にはそれだけなんですが、それだとアレパチってなんぞや? ってことになるかもしれないので、そのあたりも少々触れておきましょう。

アレパチではほとんどの玉が盤面下部に配置されたポケットのどこかに入賞(=ランプが点灯)するのですが、ただ入るだけでは意味はなくて、4つ並びで入賞して初めて得点(=1点)になります。そして打ち出しに制限がなければどんどん得点できてしまうので、1セット(=1G)16発になっていて、16発打ち出すと全てリセットされ、またイチからやり直し…という繰り返し。払い出しは1点につき16発です。

細かいルールはややこしいし、そしてあまりそこに意味はないので省きますが、最大が10点になっているので、10点×16発、つまり1Gで最大160個の出玉が取れます。また大当たりは14Gでワンセットなので、トータルでの出玉は約2000個ということに。



ちなみに、ランプの並びで出玉を獲得といっても、大当たり状態じゃないとほぼほぼ点灯が見込めない場所があるので、基本的にはデジタルを当てて玉を増やすゲーム。それに、大当たり後は右打ちをしていればほぼほぼ確実に最大出玉が獲得できるので、アレパチであることを意識せずとも楽しめるわけです。


普通のパチンコと違う部分は…強いていうなら1G(16発)消化する毎に一瞬打ち出しが止まることくらいですかね。ちなみに、ボタンで強制的にゲームを終了できるので、最大ポイントになった時点ですばやく次ゲームに移れるという小技もあったりします。



ただ連チャンアレパチの肝はそこではなく、やっぱりデジタル揃いに強力な連続性があるというところ。エキサイトの場合には公表大当たり確率が1/48となっていますが、これはあくまで初当たりではなくてトータルでならした値。実際には乱数が8個のモードにグループ化されていて、天国モードにいれば1/6でデジタルが揃います。


なおかつ他のモードでは基本的に「ピュイ」というリーチ(…といっても左デジタルに3か7が出るだけですが)が発生しないのに、天国モードにいる時は1/3で発生するんだから、「ピュイ」と鳴いただけで激アツとなります。

このリーチ音は後に色々な機種、特に7セグを使った機種で定番となっていくのですが、それだけ当時の印象が強かったということを物語っています。鳴くだけで天国モード示唆としてアツく、たったひと鳴きで島中の視線を集めたものです。



ちなみに、エキサイトの場合はクルーンに入っても前穴に落ちればデジタルは回らないんですが、ピュイピュイっと鳴いた時に限って前穴に落ちやすくなってるんじゃないかってくらいに前穴落下が続いてイライラさせられたりというのも、懐かしい思い出。

今回のゲーセン実戦でも、天国モードにいると思われる状況で前穴落下が続きましたが、ゲーセンのガバガバ調整とは違って当時のホールはシメシメ調整のため、イライラだけじゃなくて投資を強いられたり持ち玉を削られたりと、ただただイライラするだけじゃ済まされなかったものであります。



筆者が当時エキサイトを打っていたのは、上野のNC(仮名)というホール。エキサイトは電源オンに特典、いわゆるモーニングがあって、4台に1台は天国モードからスタートするという特徴がありました。なので特に予定がない日は朝からエキサイトコーナーへダッシュして、できるだけカニ歩きをして投資を抑えるなんていうちゃんとした打ち方をしたもの。

しかも当時は2.5円交換なので持ち玉で粘るのが鉄則。だからこそ閉店まで打ち切ることも珍しくなく、当然閉店まで打ち切れるということはそれなりにドル箱も抱えているわけで、きっと目立っていたことでしょう。

その証拠に、ガラの悪そうなオッチャンに声をかけられ「一緒にやらないか」なんて誘われることもありました。なにをやるかといえば開店廻り、いわゆる開店プロの軍団への勧誘ですね。ライターという立場もあったので断りましたが、それから20年以上経ち、すっかり老人になっているであろうあのオッチャンは何をしてるんですかね、今は。


なんてことを考えながら、クルクル回るクルーンやピュイピュイというリーチ音、そしてどんどん当たる連チャンを、久しぶりにたっぷり堪能させていただきました。

時代は繰り返すといいますが、この連チャンアレパチの興奮が再びホールで楽しめることはきっとないんでしょう。まず確変と連チャンは似て非なるものだし、そもそもアレパチというジャンルがまたまた登場するのかどうかも不明な状況。

言葉は不必要に繰り返さなくてもいいけど、良いものは繰り返して欲しいと切に願ってるんですけどねぇ。

アツいぜ
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