S代ちゃん・再インタビュー[2]
  1. TOP
  2. 窪田サキのLady World
  3. S代ちゃん・再インタビュー[2]


-前回のインタビューの続き-


編集X(以下、X)「ではまず、"メンヘラ女"のK奈さんってどんな人だったんですかい?」

S代(以下、S)「K奈さんはもともと北海道出身で、モデルを目指して上京したんです。だから最初は、モデルの仕事の副業としてウチのホールでコンパニオンをしていたんです」

窪田サキ(以下、窪)「K奈さん、すごく金遣いが荒くて、いつも『お金が足りないー!』って嘆いてたよね」

X「なるほど。サンドに万札を躊躇なく突っ込む窪田さんに"金遣いが荒い"と言われるなんて…凄そうだな」

S「ははは。確かにサキさんもK奈さんとは違った意味で、金遣いは荒いですもんね(笑)」

「ちょっと2人とも! 私はパチスロでお金を使う分、他で節約してるから! てか、そんなに負けてないし!」

S「そうなんですね(笑)。まぁでも、K奈さんの金遣いの荒さは異常でしたね。収入と支出が伴ってないというか…」

「K奈さんはその頃、モデルとコンパニオンの給料を合わせて月収30万は超えてたらしいんですけど、いつもカードの支払いが間に合わないって言ってました」

X「へぇ〜。月収30万あれば東京でも普通に裕福な暮らしができると思うんだけどな。いったい何にお金を使うんですかね? パチスロを打つワケでもあるまいし」

S「まず、家賃が1人で住むには高すぎる所に住んでたんです。あとは、高めの洋服を衝動買いしたり、好きなバンドを追っかけて全国飛び回ったりしてました」

X「なるほど。そりゃあ〜月収30万じゃ足りませんな」

S「そうなんです。それで、当時ウチのホールでシフト担当をしていた社員さんにお金が足りないことを相談して、モデルの仕事が少ない月はコンパニオンのシフトをできるだけ増やしてもらってたんです」

X「ほうほう。使った分のお金は稼げば良いと考えるタイプの人間なんですな」

「そうですね。で、しばらくモデルをしながらコンパニオンのバイトをしてたんですけど…」

S「気付いたらモデル辞めてましたよね。で、お金が足りないから何の出費を削るか考えた結果、1人暮らしの彼氏を作って彼氏の家に転がり込んだんです」

X「え? そこは"家賃の安い家に引っ越す"じゃないんですね(笑)」

S「K奈さんは、そんな堅実な生き方をする人じゃないです」

「そうそう。で、コンパニオンの仕事だけになったK奈さんは、シフトを自分の思い通りに占領し始めるんです」

X「ほう。例の早番争奪戦ですな。OLのようにアフターファイブを楽しむために毎日早番で勤務するという」

S「そうです。まず、モデルを辞めてお金がないから、今後は週5のフルタイムで勤務したいと社員さんに伝えたんです」

X「ふむふむ」

S「でも、フルタイムで働きたいコンパニオンはK奈さん以外にも沢山いるんです。みんな稼ぎたいけど、1日に勤務できる人数は決まってて。結局多くて週4勤務、シフト希望を出さなければ週5勤務できることもあるって感じだったんです」

「まぁ普通にカフェやコンビニでバイトするよりも時給が高いので、週4でも月収20万くらいにはなるんですけどね。ただ、月収30万でも家賃を削らないと足りなかったK奈さんにとって、月収が10万減るのは死活問題だったんです」

S「だから、シフト担当の社員さんを洗脳したんですよね」

X「洗脳?」

S「まぁ"メンヘラ女"に騙される男の人って多いじゃないですか。ほっとけないというか、なんというか」

「そうそう。シフト担当の社員さんも、最初はみんな平等に勤務させてたんですけど、K奈さんが『働かないとお金が足りない』って泣きついたみたいで」

S「ただ欲求を我慢できなくて浪費してるだけなんですけどね」

「社員さんはそんなこと知らないから、可哀想と思ったみたいで。その辺りからK奈さん贔屓が少しずつ始まったんです」

S「で、だんだんK奈さんだけ贔屓されて沢山シフトに入るようになったから、K奈さんだけズルいって社員さんに抗議したんです。そうしたら店長が出てきて、K奈さんの女子力を評価してるからだって一喝されちゃったんですよ」

X「え? 女子力?」

S「ちょうどその頃、みんなコンパニオンの仕事に慣れてきて化粧とか髪型とか気を使わなくなってきてて。毎日コンパニオンのバイトをしていると、だんだんマンネリ化してくるんですよ。自分達がホールを華やかにするコンパニオンだってことを忘れるというか…」

「で、みんなが身嗜みに気を抜き始めた中、K奈さんだけは毎日キレイにしてたんです。髪の色はプリン(※)にならないよう月1で美容室に通って、ネイルも2週間に1回のペースで新しくしてました」
※染めた髪の根元付近が黒髪になっている様子。

S「しかもK奈さん、長時間勤務する時は休憩時間にメイクを一旦全部落としてメイクし直してたんです」

X「え? 男は化粧しないから、その辺のことはわからないけど…」

「普通の人は、朝メイクしたら家に帰るまで落としませんよ。メイク直しをする程度です」

S「でもメイク直しだと、やっぱり朝のメイクよりは劣っちゃうんですよね。K奈さんは、それが許せなくて毎日休憩時間に1からメイクし直してたんです」

X「すげー。でも手間がかかりそう…」

「そういう女子力の高さを店長が評価しちゃったんです」

S「で、女子力の高いK奈さんはシフトに欠かせない人ってことになって、K奈さんのシフト希望は100%通して、残りのシフトを他のコンパニオンで埋めるっていうシフトの作り方になったんです。それが、K奈さんが辞めるまで続いたんですよ」

X「なるほどな〜。でも、K奈さんって彼氏と喧嘩しただけでシフトに穴開けたりするんですよね?」

S「そうなんですけど…。例えばホール店員って1人休むとホールが円滑に回らなくなりますよね?」

X「そうですな。基本はホールが回るギリギリの人数でシフトを組むので、1人欠けただけでかなり大変ですよ」

「パチスロ打ってて、呼び出しボタンを押しても店員がなかなか来ない…って時は、だいたい誰かが急に休んでホールが回っていないか、そもそも勤務できる人が少なくて無理矢理回してるかのどちらかですよね」

X「そうそう」

S「ですよね。でも、正直コンパニオンの場合は、いなくてもお店は回るんです。特に私たちみたいな専属コンパニオンは毎日ホールにいるワケですから。私たちがいるから打ちに来てくれているお客さんも、1日いないくらいじゃ『今日はいないのかー』くらいにしか思わないんですよ」

「店長の中では、シフトに穴を開けないことよりも、女子力を高く保つ方が優先だったってことです」

X「なるほどな。コンパニオンにも色々あるんだなー。でも、K奈さんはもうバイト辞めたんですよね? 結婚でもしたんですかい?」

S「それが、一緒に住んでた彼氏が九州へ転勤になっちゃって。彼氏からは別れを切り出されたらしいんですけど、『別れるなら死ぬ』って言って九州に無理矢理ついて行ったんです」

X「げげげ。メンヘラだな…」

「まぁ彼氏の家に住んでたし、『また1人暮らしに戻ったらお金が足りなくて死ぬ』ってことだと思いますけどね」

S「そうそう。現に、九州に行ってすぐ彼氏変わってましたし」

X「マジで? すげー…」

「Xさんも、メンヘラ女には気をつけてくださいね」

X「だな。まぁS代さんにメンヘラ要素は感じないし、問題ないかな(キラーン)」

S「あ…。私、昔彼氏に振られて手首切ったことありますけど大丈夫ですか?」

X「え…」

「Xさん、ドンマイ(笑)」


といった感じでS代ちゃんとのインタビューは終了しました。残念ながらS代ちゃんもメンヘラ女でしたね(笑)。

ということで次回…の前に、実はこのインタビューコラム、「LadyWorld」は残り2回の更新で終了となります! 最後のインタビューを受けてくれるのはどんな人なのか…。

次回もお楽しみに〜♪
アツいぜ
83