※2025年4月29日~2025年5月5日更新のコラムは『思い出のギフト』という共通テーマになっています
ゴールデンウィーク中のコラムは、皆が共通のテーマで書くとのことで、今回のお題は『思い出のギフト』。40年強の人生を振り返ってみたけれど、ここに書けるような派手なエピソードがパッと思い付かなかった。
だからといって何もありませんでした、終了…ってわけにもいかないので、今にして思えば良かったなというお話でもしましょうかね。
あれは俺が小学校4年生のとき。
きっかけは朝の読書タイム的なものだったと思う。読書は大事ですよ、みんなで本を読みましょう的な時間が全学級であったんですよ。
当然漫画はNG。活字を黙読しなさいって時間だったんですけど、そこでマコト少年が手に取ったのは『エジソン』でした。偉人の生涯が書き綴られている伝記です。
別段エジソンという人に興味があったわけではなかったんだけど、ほかに読みたいものもなかったから選んだんだと思います。歴史的に有名な人だし、電気(白熱電球)が発明された経緯が気になったのかもしれません。
何の気なしに手に取ったエジソンですが、これが妙に面白いんです。何がって言われたら具体的には覚えていないんだけど、とにかく文章が読みやすくて頭にスッと入っていくんですよね、エジソンの人となりが。
気が付いたら読書の時間が終わってもページを捲る手が止まらない。没頭していたんです。
読書に目覚めたというんでしょうか。そこから図書館通いが始まりまして。ライト兄弟、野口英世、ヘレンケラー、キュリー夫人あたりの伝記を借りた記憶があります。
借りた本は家にも持ち帰っていたので、親も偉人たちの伝記を読む息子の姿を見ていたのでしょう。その年の誕生日プレゼントはモーツァルトとベートーヴェンの伝記でした(もう1冊あったんだけど誰か忘れました)。まだ小学生だもの。
本音では何かしら流行っていたゲームソフトが欲しかったけれど、その本音を押し殺して伝記を受け取り「ありがとう」と伝えた記憶があります。
「なんで誕生日プレゼントが伝記なんだよ!」とちょっと思いましたけど、自分ではチョイスしなかったであろう音楽家の人生もなかなかに面白かったので、これはこれで良かったんだと思います。
ええ、本を読むことの喜びを感じていなかったらライターにはなっていなかったかもしれませんしね。
とはいえ、今でも書くことより読むことのほうが圧倒的に好きだったりしますけど。