新台の影響力
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※2017年5月25日公開分です。


皆さんこんにちは! 設定師fatboyです。

ここのところ暑い日が続いたので、涼みがてらホールに入る頻度が増えたという方も多いのではないでしょうか? 少なくとも私は増えました(笑)。

かつては、暑い日には凍えそうになるくらいの温度設定にしているホールも多かったですが、ここ何年かは節電などの影響もあり、エアコンの設定温度は昔ほど低くはありません。店によってはじんわりと汗をかく…なんてところもあると思います。

打ち手側とすれば快適な環境を求めるのは当然なんですが、店側は効率よく冷気を循環させたるために送風機を導入したかと思えば、一方でひざ掛けを用意したりと、なかなか一筋縄ではいかないものです。もちろん、打っていて汗をかくような環境には誰も居たくないと思うので、採るべき対策の方向は明確ですけどね。

それはさておき、今回もまずは皆様の質問に答えていきたいと思います。いつも貴重な感想やご意見、ご質問ありがとうございます! 引き続きお待ちしておりますのでよろしくお願いいたします!


【埼玉の獣さんの質問】
仮に新台購入費がかからずに稼働が維持できるとしたら、利益率(ホールの取り分)はお客が投資した金額の何割くらいで営業できるのですか? 逆に、新台を買った場合にはどれくらい上げざるをえないのか。

あと、アマいとかカラいとか言いますが、出玉率が99%くらいだと、その機種の利益率ってどれくらいになるのでしょう? 逆に97%だとどうなるのか。稼働によって全然違うとは思いますが、数字を厳密に管理されているのなら、その辺もちょいちょいと出てくるんだろうと思いまして。


【回答】
埼玉の獣さん、核心を突く質問、ありがとうございます。以前のコラムで、等価エリアを基準とすると「ホールの粗利率は15%程度が平均」と書きましたが、毎月安定して15%を確保することは非常に難しい…というか目指した数字になることの方が少ないんですよね。そこで、これから具体的な数値を出して回答していきますが、かなりの振れ幅があるという前提で、あくまで平均値という名の仮想値として考えてください。


まず、新台を購入せずに稼働が維持できるとしたらどのくらいの利益率で営業できるか? という部分ですが、条件によって大きく変わってしまうので明確に答えられないです。

…と言うとそこで話が終わってしまうので、今回は色々割り切った上でズバっと書いてみます! 新台を購入せずに稼働が維持できるなら…


10%程度の粗利率でも運営・経営は可能!


です。

経費の中で大きなウェイトを占めているのが機械代、家賃、人件費、販促費、光熱費なんですが、機械代と家賃はホールによって大きく額が変わってくる部分になります。同規模の店ならその他の項目はそれほど変わりませんが、規模の大小に関わらず、べらぼうに金がかかる可能性があるのもこの2つ。つまり、機械代と家賃が掛からないとしたら…相当な経費の削減ができる可能性があります。


そこで、月間売り上げ1億円のホールを例に考えてみましょう。A店とB店は交換率も一緒、平均稼働も一緒、かかる経費も一緒として、違うのは新台を入れるかどうかだけという前提で考えて下さい。

[A店]新台を入れない→粗利は1000万円(粗利率10%)

[B店]そこそこ新台を入れる→粗利は1500万円(粗利率15%)

B店は500万円余計に利益を上げていますが、これは新台購入のための必要経費なのでボッタクリというわけではありません。月に十数台新台を入れるとなると、これくらいは簡単に飛んでしまいますから。要は、ホールの最終的な利益としてはA店もB店も同じだと思ってください(税金の話などはとりあえず置いておきます)。


さてこのA店とB店、どちらの方が設定を使えると思いますか? もしくは、みなさんならどちらのホールに行きたいですか? …となるともちろん利益率の低い方がチャンスがあると思いますよね。ただ、もう少しイメージしやすい形に変えてみたいと思います。差額の500万円分の出玉を設定に変換してみるとどうでしょう?

設定6の出玉率が118%の機種(例えば番長3)で稼働が20000枚あったとすると、ホールはどれくらいマイナスになるかというと…

20000枚×118%=23600枚

ということになり、打ち込みが2万枚なので差枚数は3600枚。等価だと72000円なので、A店とB店の差額500万円を台数に置き換えると…

500万円÷72000円=69.44台

つまり、番長3クラスの設定6を月単位で70台も余計に入れられることになるわけです。では設定6が110%程度の機種なら?

20000枚×110%=22000枚

2万枚投入なので差枚数は2000枚、等価換算だと40000円ですね。これも同様に500万円分だと何台になるかというと…

500万円÷40000円=125台!

なんと月間で設定6を125台も追加で投入できるという結果になりました。

つまり、あくまで稼働が維持できるという前提ですが、新台を入れないことでこれだけ設定を使えるんですね。しかもA店もB店も最終的な利益は同じなのに、です。

しかし、現実的に新台に頼った営業をしているホールが多いというのが難しいところ。要は新台なしでは稼働を維持できないということの証明でもあるんだと思います。それにA店のようなケースだとしても、新台を全く入れないというのは現実的ではないですよね? 過去を振り返ってみて入れておくべきだった台というのは少なからずあるわけですが、そういったものすら1台も入れていないホールに競争力があるのかと言えば…まあ難しいでしょう。ということで、あくまで理論上の話です。


これも以前書いたと思いますが、平均すると粗利額の20%~25%程度なら新台・中古台の購入費用に充てても吸収できると考えられています。粗利規模が1000万円なら200万円~250万円程度なので5~6台程度の入替というイメージ。

しかしPS含めて5~6台って…印象としては少ないですよね? つまりどこもそれ以上の新台を導入するわけで、その分がそのまま粗利に上乗せされていると思ってください。

新台を打ちたいというユーザーの気持ちも分かりますし、設定も使って欲しいという気持ちも分かります。しかし、両方を求めるのは非常に難しいんですよね…。


おっと、忘れていました。出玉率97%と99%の場合の粗利率もお答えしなければですね。こちらも機種や条件によって変動がありますので、あくまで平均的な数値としてとらえてください。

出玉率97.0%の場合は粗利率は15%~17%程度、出玉率99.0%は粗利率7%~10%程度というのが目安。等価エリアに限定すると、出玉率98%後半を目標にしているホールがあれば、粗利率が10%程度になりそう…という感じでこの数値をみてもらえればと思います。

となると、粗利率10%というのはかなりの優良店と言えそうですよね? もちろん、こういった数値をホールが公表することはないのでみなさんが知る由もないですが、少なくとも私の知っているホールでは粗利率10%で運営しているところもありますし、集客のために10%以下で半年ほど走ったホールも実在する…ということだけはお伝えしたいと思います。

そうは言っても、様々な条件により粗利率は変わってきます。そもそも稼働がないホールではここまでの前提は一切成り立ちませんし。そして「新台を導入していないホールがすべて薄利で運営している」わけではないので、是非ともそこは注意してください!


では、本題の実績データを見ていきたいと思います。こちらも人気シリーズの一つと言ってよいのではないでしょうか? SANKYO「マクロスフロンティア3」です(ちなみに私はシェリル派)。


【出玉率(ホール実績値)】
設定1… 96.9%
設定2… 97.5%
設定3… 98.9%
設定4…101.7%
設定5…103.8%
設定6…105.7%

【設定使用比率】
設定1…70%
設定2…13%
設定3… 9%
設定4… 5%
設定5… 2%
設定6… 1%
※実際に複数のホールで当該機種に使用した設定データを掲載しています


私の感想ですが、使う前のイメージとちょっと違ってましたね。使用した回数は少ないとはいえ、設定6で105%台となると…この先が思いやられます。しかし過去の傾向から、恐らく110%くらいまでは伸びるのでは? と思っているんですけどね。ですが設定6の使用頻度は1%と、みなさんが遭遇する可能性はかなり低いので、どこまで出玉率が上がろうと、ある意味心配ないかもしれません…。

注目は設定3の98.9%。ART系で設定3で100%を超えてこないと非常に辛いと言わざるを得ません。こういう場合、ART突入までの壁が厚すぎて心が折れてヤメられてしまう可能性も高まります。そういったところも出玉率を下げる要因になるんですよね。

となると設定4以上を掴めない限り終日の勝負は厳しいと言わざるを得ません。可能であれば設定5or6以外は打たない! くらいの覚悟をもって立ち回ったた方が良いでしょうか。

最後に前作のマクロスフロンティア2の実績も見ておきましょう。


●マクロスフロンティア2 Bonus Live ver.

【出玉率(ホール実績値)】
設定1… 97.3%
設定2… 98.5%
設定3… 99.2%
設定4…104.3%
設定5…106.2%
設定6…113.5%

【設定使用比率】
設定1…90%
設定2… 4%
設定3… 2%
設定4… 2%
設定5… 1%
設定6… 1%
※実際に複数のホールで当該機種に使用した設定データを掲載しています


こちらは設定4から勝負できそうですが、それでも設定3は100%未満と低め。何か意図的な感じもしますが、旧基準機ということもあってか、設定1の比率が圧倒的に高いですね。高設定はしっかりと出るイメージはありますが、辛そうな中間設定の使用比率が低いのが残念です。まだ設置しているホールも多いと思いますので、改めてマクロスシリーズの魅力を体感してほしいと思います。


では今回も長い文章を最後までお読みいただきありがとうございました。それでは次回もお楽しみに!