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ディスクアップ開発秘話(開発者インタビューby飄)
※パチスロ極Z8月号に掲載された記事です

飄「まずお聞きしたいのが、なぜディスクアップを作ろうと思ったのかなんですけども」
開発者(以下、開)「え!? ダメでしたか?」
飄「いやいや、そりゃあもう僕は願ったり叶ったりだったんですけど(笑)。なぜ今、5.9号機で作ることになったのかが気になりまして」
開「う~ん。ディスクアップを開発しようという企画自体は、結構前からあったんですよ」
飄「あ、そうなんですか」
開「ただ、その度に内規の変更などで話が立ち消えになってしまって」
飄「タイミングが合わなかった、と」
開「そうですね」
飄「その間にアクロスなどのメーカーから、秀逸なリーチ目マシンがいくつかリリースされましたよね。その時はどう思われました?」
開「僕もバーサスを中心にアクロス系はよく打ちますので。当然、アクロスより絶対いいマシンを作ってやろうと思いましたね」
飄「サミーだってスゲぇリーチ目マシンを作れるんだぞ、と」
開「いいお手本にもなりましたしね。そこで開発の候補にディスクアップが再浮上したんです。リーチ目マシンでハマるコンテンツですから」
飄「そこから本格的に開発がスタートしたのって、具体的にいつぐらいなんですか?」
開「去年の4、5月ぐらいですね」
飄「あ、意外と最近なんですね」
開「もう突貫でしたね。本当はマイスロも付けたかったんですけど、余裕がなさすぎて断念しちゃいました」
飄「そんな経緯が(笑)。何が一番大変で時間がかかりましたか?」
開「苦労したのは配列と役構成ですね。5ライン機でリーチ目マシンにするというのが絶対だったので」
飄「液晶の役構成で確認できますけど、フラグの数がハンパじゃないですもんね」
開「なるべく初代のディスクアップを再現しようとした結果、そうなりました(笑)」
飄「配列も左リールは完全に初代と同じですもんね。中・右リールはちょっと変わってますけど」
開「詳しいことを話すと日が暮れるので割愛しますが、今回のスペックを実現する条件下では全く同じ配列というのは規制上無理なんです。それでも中・右リールのいわゆる強い絵柄は残したくて、今の配列になりました」
飄「僕としては全然違和感なく打てますけどね」
開「もう本当に、☆絵柄が魔物なんですよ(笑)」
飄「ああ、ボーナスを始め色々と絡みますしね」
開「そうなんです。5号機の制御ではかなり相性が悪かったので、配置を考えるのに苦労しました」
飄「そのボーナス中なんですけど。初代はビタ押し成功で3択が2択になったじゃないですか? なぜ今回は成功で上乗せ、失敗でナシという極端な仕様にしたんでしょうか?」
開「開発段階では初代同様に成功で2択にするという案もありました。ただ、恩恵を大きくすれば、成功時の達成感も大きくなりますよね?」
飄「それはもう、ものすごく」
開「そうすることで、目押しというパチスロの本質を今の打ち手に知ってもらえると考えたんです」
飄「なるほど。でも今の打ち手の多くはビタ押しができる=得したというよりも、ビタ押しができない=損するという意識の方が強いと思うんです残念ながら」
開「昔の技術介入機時代は得するという捉え方の人が多かったんですけどね」
飄「そうなると、損するのが怖くて打てない人も当然出てくると思うんですが」
開「そのために、スペックを思いっきり甘く設計したんです」
飄「なるほど! 激甘スペックはそれが理由だったんですね!!」
開「設定1で103%もあれば多少損しても全然打てますからね」
飄「ダメでも甘い、上手ければもっと甘い、と」
開「ディスクアップを作るにあたってのコンセプトが"技術と成長の台"だったんです」
飄「技術はビタ押しを中心とした技術介入、成長は…打ち手の成長ってことですか?」
開「そうです」
飄「すげぇ(笑)。でもそうですよね。僕も技術介入時代の真っただ中で、必要に駆られてビタ押しできるようになったクチですし」
開「みんなそうやって台に育てられたワケじゃないですか。要はディスクアップで、それを今の時代にもう一度やろう、と」
飄「アツい! その心意気、僕は全面的に支持します!」
開「台の甘さに甘えながら技術を磨いて欲しいです。目押しはやり続ければ上手くなりますから」

飄「配列の話にちょっと戻りますけど左リールを初代と全く一緒にしたのは理由があるんですか?」
開「左リールに狙える箇所を多く作りたかったんです。そうなると、やはり初代の配列がベストだということになりました」
飄「確かにチェリー・スイカのせいで打ち方を限定させられるのは嫌ですね(笑)。やっぱり、開発者としては左リールから狙って欲しい?」
開「はい。順押しかハサミ打ちで打って欲しいです。なんなら変則押ししづらいように作ってありますからね。ディスクアップは(笑)」
飄「え? そうなんですか?」
開「左リールを第3停止させた場合、シングルライン受けになるので9枚役を取りこぼしやすくなるんですよ」
飄「ああー、なるほど。そうなると、たとえフラグは絞り込めても時間効率が落ちますね」
開「左から押せば色んなリーチ目が楽しめるし、変則押しに比べても損をしないというのが大事なポイントです」
飄「ちなみに開発者として、ココを狙って欲しいみたいなオススメ箇所はありますか?」
開「うーん…難しい(笑)。個人的には上段赤7狙いが好きですね。どんな出目でも第3停止までリーチ目の可能性が残りますし、演出との相性が一番いい箇所だと思っています」
飄「気に入っているリーチ目は?」
開「左リールの中段赤7、右リールの下段赤7からの小役ハズレですかね。赤7・赤7・チェリーの1枚役があるので、その形になっても赤BIGの可能性があるっていう」
飄「わかるー!! そういうのたまらないですよね。だって僕、その出目が出たら次ゲームはあえて赤BIGから狙いますもん(笑)」
開「1枚役のおかげで出目のバリエーションはかなり豊富になりました。その分、開発時に苦労しましたけど(笑)」
飄「1枚役同時当選って本当に偉大ですよね。出目に意外性があるし、捨てゲームがなくなるし」
開「同時当選期待度のバランスもかなり気を使いましたね。〇〇待ちみたいなゲーム性にはしたくなかったので。待つとすればリーチ目だけ」
飄「おっしゃる通りの作りになっていると思います。演出も〇〇待ちにはならないバランスになってますし。あんまり期待度が高すぎる演出ってないですよね?」
開「はい。唯一、レバーONでのダブルスタート音が強いぐらいで、それ以外はそこそこの期待度に抑えています」
飄「あくまで決着は出目でっていう、ね。ただ、スイカとチェリーの1G後のフェイク演出はいらなかったのかなぁと思ったんですけど…。あれはやっぱり若い打ち手向けにあえてそうしたんですか?」
開「いや、別にそういうワケではなくてですね…成立時の演出が弱くても同時当選の可能性は残るぞっていう風にしたかったんです。ただ、確かにちょっとフェイクが起きすぎな感はありますね」
飄「別に全然いいんですけどね(笑)。あ、全然いいと言えば! リプレイの入賞音も初代から変わってますよね?」
開「リプレイの入賞音だけではなく、BGMも含めて音は全て新たに作り直しています」
飄「あ、そうなんですか?」
開「9枚役入賞時の払い出し音は、初代よりも短くなっていたり」
飄「初代は15枚の払い出しのドクドクが長いからか! なるほど!」
開「リプレイは…何でだっけなぁ(笑)」
飄「あの荘厳な感じのリプレイ音が好きだったんですよ。あとART中の7を狙え! 演出って、通常時は出ないんですか?」
開「規制上、有利区間以外はナビが出せないんですよね」
飄「プレミアムパターンでもダメ?」
開「今作では出現しません」
飄「残念だなぁ。初代の通常時のナビハズレが結構好きだったんだよなぁ。期待度も絶妙で」
開「ART中のナビの小ネタならありますよ」
飄「あっ、アレですか? 7を狙え!じゃなくて、7が揃うかも?ってドットに表示されるヤツ」
開「そうです。そのナビが出た時は、ドットに流れる文字にも注目してください」
飄「何か違うんですか?」
開「もう一文字目から違います(笑)。
飄「えー、何それー! 僕、まだあのパターン見れてないんですよね」
開「楽しみにしておいてください」
飄「結構打ってるんだけどなぁ、なかなか見れないんですよ。それこそ暇さえあればディスクアップを打ってますからね、僕。甘いからいつでも打てちゃうし」
開「毎日打てるマシンというのもディスクアップのコンセプトの1つですからね。ホール状況や立ち回りの優劣に関係なく、勝ちのチャンスが平等に与えられてますから」
飄「そうなんだよなぁ。空いてたら座ればいいだけなんだもん。ただ、やっぱり甘すぎて導入しているホールが少ないじゃないですか? これね、もうちょっと辛くすれば導入ももっと増えたと思うんですけど…」
開「そこは当然わかっていましたけど、曲げませんでした。むしろ断トツに甘くして、後世に語り継がれる台にしてやろう、と(笑)」
飄「おかげさまで、全国各地でディスクアップの取り合いが起こっていますよ。特に夕方以降、サラリーマンの空き台待ちが凄いですから」
開「ただ、嬉しいことに増台の話もちょこちょこ頂いてるみたいですよ」
飄「それはコチラとしても嬉しい話ですね。それで、次はディスクアップの出玉の波の話なんですけど…」
開「意図的には何もやってません! …が、イチ遊技者としてのオカルトはあります(笑)。社員証を外しますので飲みながら話しませんか?」
飄「望むところです!」