正面から向き合わないと!
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※2016年7月31日公開分です。


今週も質問に答えていくぞ! では早速。


【ななしさんの質問】
メーカーのミスや予期せぬトラブルで機械割が公式発表と異なることがあったんじゃないかと思うんですが、そういった時はどう処理されるんですか?


【回答】
メーカー発表の機械割というのは非常にいい加減なもので、今や違って当たり前くらいのもんだよ。

だからといって「そういうもんだからな…」と呑気なことを言っているわけにもいかない。なぜならホール側は販売時に発表される機械割を信じて新台を購入するわけだし、それはホールにとって営業戦略上極めて重要な指針だからだ。それなのに、しばらくして攻略誌に掲載された情報を見ると、メーカーから知らされた機械割とは別の数値が出ていたりする。

そこで俺は「おかしいじゃねーか!」と何度かメーカーに詰め寄ったよ。しかし「あれはメーカーが発表したものではなく、何の数値かは不明」なんていう言い訳ばかり。呆れるぜ、ホント。

しかも、最初は「とぼけんな!」なんて言っていたが、最近の攻略誌なんかは機械割の表の下に「当社調べ」とか「独自調査」なんて言葉が書いてあるわけだ(苦笑)。そのせいか最近はメーカーも堂々としたもんだよ。「あれは雑誌が勝手に書いてるものですからね」なんつってさ。

そもそも未設置の機械を当社調べというのはおかしいし、メーカーが情報をリークしているとしか考えられないだろ? 発行元が全部違うのにどの雑誌も数値が一緒なんだからな。それでメーカーが知らぬ存ぜぬとは片腹痛いよ。
(※これらの情報は俺調べです)


とはいえ、色々事情があるのかもしれない。ただ、問題なのは、雑誌に掲載されている機械割とホール向けのメーカー発表のものと数値が異なっていることだ。もちろん、技術介入性が高い機械などではプレイヤーの熟練度で数値に差が出るだろうから、その辺は仕方ないと受け入れている。困るのは、そういったタイプでないものでも数値に乖離が出てくるからだ。

そこでホール側は、ホールコンピューター会社が発行している機械割一覧等でそのあたりのデータを確認せざるをえない。そのデータは数千店舗の設定と出玉が、日々ネットワークで集計されたものである。

例えばある機種が5台ずつ1000店舗に導入されたとしよう。合計台数は5000台となるが、営業日が10日なら5万台の設定データとなり、ここまでくるとそれなりの信頼度を持ってくるわけだ。

そのため、導入当初はメーカーから発表された機械割を見ながら設定を入れざるを得ないが、その辺の集計が進んでくるにつれ、全国の平均データを見ながら設定を入れる店舗が多くなっていく。それくらいメーカー発表値を信頼してないんだよね。


さて、そういう前提をもった上でだが、これまでにはとんでもない出玉率の機械が数多くあった。機種名は伏せるが、どの設定を使っても出玉率が100%を超えないという地獄のような機械も存在したよ。例えばその時に発表されていたのが…

設定1:97.0%
設定6:108.0%

確かこんな感じだったのに、ふたを開けたら

設定1:92.0%
設定6:99.5%

という意味不明な状況になった。衝撃である。


しかしその時はホールもだらしなかった。単純に『利益が取れるからいいや』的な考えに流されてしまい、クレームを入れようとしなかったのだ。当初はあまりに出ないのでメーカー営業マンにクレームを入れたりするのだが、そのうち何となく『これでもいいかな?』という感覚に陥ってしまったようだ。

まぁその気持ちも分からなくはない。いくら営業マンに訴えたところで、彼らには全然響かないからね。例えばこの件でクレームを入れたとする。すると先方様がおっしゃるには…

「えっ? 出ないですか。本当ですか!?!? 他のお店では結構出てますけど!?」

なんてとぼけたり、

「儲かるから良いじゃないですか!」

なんて開き直ったり。いずれも対応に真剣さのカケラもないのだ。

他にも、

「一度ラムクリアしてもらった方が良いですね!」

「設定の打ち変えはマメにしてます?」

「設定の打ち変えはあまりしないほうが良いですよ!」

「サブ基盤に問題があるかも知れないので交換します」

「じぇあ…その機械を外して新しい台を入れちゃいましょう!」

と、繰り出してくる対応はいい加減のオールキャストである。ちなみに、逆パターンで出過ぎている場合もこれと同じことを言ってお茶を濁そうとするんだけどな。


攻略要素はほぼないか極少にも関わらず、ホールでの実際の出玉率で設定1の機械割が100%を超えた機械はいくつもあるのだが、メーカーによる返金などはほとんど例がなく、次機種の値引き券とかいう言語道断なものでウヤムヤにさせられてきた。

そもそも『次機種って何だよ!』って話だろ? 名前もスペックも知らず買うかどうかも決めていないのに、それを買う前提で話が進められているわけだからな。

しかし話題の機械が入らなくなるのが怖いからか、メーカーと本気で喧嘩をするホールは本当に少ない。大枚はたいて買った機械なんだから、もっと本気にならなきゃあかんと思うのだが…。


自店の話だが、以前、とあるメーカーのAタイプの機械を入れたところ、設定1の出玉率が101%というのを喰らったことがある。そこで担当営業マンにクレームを入れたのだが、こいつがのらりくらりとかわしまくって話が一向に前に進まない。そうこうしているうちに一カ月で累計の赤字が80万円を超えてしまった。

そして月末がやってくると、その営業マンは何食わぬ顔で集金にやってきて、ヘラヘラしながら小切手を持っていこうとした。それを見て俺はブチ切れてしまった。

「設定1で1円も回収できない機械の金なんて払わねぇよ!」

もちろん、利益が出ないことへの怒りもある。しかし、長いこと生きていればこういうこともあるので仕方ないと収めることもできるが、話し合いを持とうという誠意を一切見せようとしないことが許せなかったのだ。

その後、多少黒字になる日が出てきたので我慢して使ってみたのだが、やはりほとんどの日が赤字に…。しかも頼りの稼働まで下がってきてしまい、結局全台撤去することになってしまった。


そんな時、「アタマキタ店長! 銀座に良い店があるので一緒にいきましょう!!」と例の営業マンから連絡があった。やっと話をする気になったかと思い、俺はその誘いに乗ることにしたのだ。

しかし待ち合わせ場所である新橋の喫茶店で話をしていると、どうも風向きが怪しくなっていく。焼肉食べて、クラブ行って、女を抱かせるってか? だから機械代を集金させてくれだと? アタマ悪いんかこいつは!

これにホトホト呆れた俺は、自分の珈琲代金の500円をテーブルの上に置き、そのまま店を後にした。


後日談だが、この営業マンはウチに顔を出さなくなってしまい、会社に詰められ自腹で300万円近い金を払うことになったらしい。そしてその後、この営業マンは自店の担当を離れてしまったのだが、どうやら今は随分出世したみたいで、上野のショールームで見かけても目を合わせてくれなくなったよ(笑)。


ホールも鬼ではないのだが、機械割が違いすぎるものが納品された際には、メーカーとしての正式な見解を持ってきてくれないと、こちらも引くに引けなくなってしまう。そこでこじれてしまうと、最悪、『金払わねー』って事態にもなるのだ。

ホール関係者の一人として言わせてもらうが、この辺は後先がどうなろうと、メーカーに対して毅然とした態度で臨まないことには、いつまでたっても解消されないのは間違いない。自店はおろかお客様まで守れないなんてことになる前に、もっと真剣に戦うべきだと思うのだが…。


ということで今週はこの辺で。引き続き質問などもお待ちしております。