北斗の「赤」
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※2015年10月7日公開分です。


今からおよそ1ヶ月前、ファン待望の「北斗の拳 強敵」が導入された。人気の北斗シリーズだけあって、導入日はあちこちのホールで開店待ちの列が出来ていた。

思えば4号機の初代北斗はあまりにも偉大だった。

初代北斗の生産台数は約60万台。今後これを超えるパチスロが出る可能性は限りなくゼロに近い。これまで10万台や20万台といった機種はあれど、60万というのは尋常じゃない数字なのである。

そして初代北斗は「社会現象」にもなり、関連グッズはもちろん単行本やDVDの売り上げがアップしたのを覚えている。


初代北斗がパチ&スロ業界に及ぼした影響も他機種の比ではない。幾つか例を挙げてみると…

【色の序列】
パチorスロの演出において、なにかしらの期待度を示唆する「色」。今では白→青→黄→緑→赤→レインボーという順に期待できるというのが定番化している。これを最初に採用したのが初代北斗だった。

知っている人も多いと思うが、初代北斗は1セットで約140枚を獲得できるバトルボーナス(BB)の連チャンで出玉を獲得するタイプ。

BBは継続率で管理されており、継続率は66%、79%、85%、89%の4種類存在。BB開始時にケンシロウが放つオーラの色で継続率を示唆していた。

初代北斗が大ヒットしたため、この法則が広く浸透した。ということで、他メーカーも含め、色での期待度示唆はこの序列になっているものが多い。

そこから派生して金色や紫、柄モノなどが作られた。


【モード移行】
今でこそ当たり前になった小役によるモード移行。初代北斗が出るまでは高確や超高確といった要素はあったが、全ての小役でモード移行抽選が行なわれるというものはなかった。というか、ボーナスぐらいしか高確移行契機はなかった。

それが通常時の小役でモードを上げてボーナス(前兆モード)を目指すという、当時としては画期的なゲーム性を作り上げたのである。

そして、このシステムにおいて、ある小役が注目を集めることになります。それが…

パチ&スロ必勝本 / パチンコ・パチスロ攻略
(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983, (C)NSP 2007 版権許諾証YFC-128 (C)Sammy

中段チェリーです。


【中段チェリー】
通常時の滞在率が高い「低確モード」「通常モード」で引けば25%、最上位モードである「天国モード」で引くことができればボーナス確定となる中段チェリー。その存在感は大きかった。

それまではただの小役という扱いだった中段チェリーが、初代北斗によりその地位が格段にアップした。そして今では中段チェリーをプレミア役としている機種も多い。

それも初代北斗を意識しているのか、左リールが上から「BAR・チェリー・○○」みたいな配列になっている機種も多い気がする。

25%でBBという絶妙な当選率から、どれだけハマっても「中チェを引けばなんとかなる」と自分に言い聞かせて打ち続けた経験は、初代北斗を打っていた人なら誰しもあるのではないだろうか。


…初代北斗について話し始めたらどこまでも行きそうなのでこの辺にしておいて、そろそろ「北斗強敵」の話に入りたいと思います。前置きが長くなってしまって申し訳ない。


初打ちはほとんど知識のない状態で臨みました。

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初当たりは強敵とのバトル勝利でもラオウとの遭遇でもなく、まさかのアミバ処刑でした。まあ、特にいいところもなく終わってしまいましたが。

第一印象としては、演出は初代を色濃く継承しているので違和感なく打てる。ただ最近の機種に慣れてしまっているせいか、レア役確率が重く感じてしまった。

あとは差枚数ですかね。というか、ハズレや1枚のレア役が成立しても残り枚数が動かないっていうのに違和感がありました(他の機種はハズレなら残り枚数に3枚加わる)が…もう慣れました。

継続時のバトルがラオウだけではなく、シンやサウザーも登場するというのがなかなか粋な計らいかと。この2人、初代では通常時のバトルで登場していたけど、ホントに強かったからねぇ。

初打ち以降は、たまに打っては1、2万負けを繰り返していたのですが、遂にコラムで披露できるくらいの結果を叩きだすことに成功しました。


それはシルバーウィーク中の出来事。

久しぶりにモンキーターン2を打ってみたり、ちょっと沖ドキを触ってみたり…で気付いたら5万近く負けていた。そして空いている北斗に座る。

いつもならさらに傷口を広げて終わるのだが、この日は違った。

1回目の初当たりは白オーラで3連だったのが、次の初当たりで初見となる赤オーラ。

冒頭で述べたように「赤」は上から2番目の強さを持つ色である。北斗強敵のATは継続抽選に関わるレベルが4段階あるのだが、その上位が選択されたと思っていい…ハズ。

仮に赤がレベル3以上濃厚だとしたら、各ステージにおける継続率は下記のようになる。

▼ATレベル3時
宿命…67%
覇道…79%
激闘…89%

▼ATレベル4時
宿命…79%
覇道…89%
激闘…95%

レベル2以下では宿命だと50or55%という厳しい継続率なので、ここはレベル3以上であってほしい。


そして初の赤オーラはスゴかった。それまで苦戦を強いられてきたシンやサウザーの攻撃も軽々と避けたり、ケンシロウが先制することも珍しくなかった。

10連達成時にはスペシャルエンディングまで発生した。これにより北斗乱舞に突入したのだが、1セット終了であえなく130枚で終わった。

なお、ここまでの写真は…ありません。写真を撮ったら連チャンが終わるような気がしたので。あと5万近い負けを抱えていたので、とにかく必死だったことを分かってほしい。


快進撃はその後も続いた。途中、上乗せバトルでジャギが出てきた時なんて、1G目に中段チェリーを引いたことでフドウのエピソードに発展したし(その後継続バトルで300枚乗せ)。

そのエピソードによるポイント獲得が大きかったのか、17連で早くも2回目のスペシャルエンディングから北斗乱舞。これが4セットも継続したことで…

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さすがに写真撮りますわ。これでプラス収支が確定した。

おまけに途中で曲が「ピエロ」に変わったんですわ。ピエロはパチンコの「百裂」で搭載された上木彩矢の楽曲で、イントロと間奏が超絶カッコイイあの曲。

北斗シリーズで最も好きな楽曲をBGMに、残り800枚以上あるATをステージアップや上乗せバトルを目指しながら消化できる。なんという至福だろうか。

まあ、闘神には発展しませんでしたけどね…。あと上乗せバトルもことごとく負けたし。


それでもバトル継続は相変わらず好調のようで…

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遂に20連を突破。この後のバトルで思い出しましたよ。北斗のバトルが20連を超えると、終了時に昇天演出が発生することを。

20連を超えるとバトル開始1G目に必ず曲が切り替わるんですよね。愛を取り戻せ→TOUGHBOY→ピエロ→愛を…の順に繰り返します。そしてこれらの曲が流れた時点で継続確定なんですわ。楽しすぎるだろ、おい。

途中、ラオウとのバトルで北斗剛掌波を「ケンシロウ」が繰り出したことで…

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目を疑うような上乗せ枚数が出てくる。初代では恐怖の象徴でしかなかったあの剛掌波をこんな形で見ることになろうとは…胸アツすぎるだろ!!


その後も連チャンは続き、初代北斗における自己最高記録の26連を突破。そしてこの連チャンは32連で幕を閉じる。

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バトル開始時にこの画面が流れたらおそらく終了。

モノクロ画面とテロップで各バトルの昇天画面ダイジェストが流れます。順番はシン→サウザー→トキ→ラオウです。

ラオウの昇天後のストーリーは結構長いです。ケンシロウがユリアを抱えて、その場を去っていくシーンがあるためです。

その後ろでバットとリンが去っていくケンシロウを見ているんですよね。そして、呼び止めようとするバットをリンが止めるんですよ、泣きながら。このシーン、涙腺が崩壊しかけるのでご注意ください。

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最終的な結果はご覧の通り。一撃32連で5000枚超え。一撃の枚数でいえば、自分の北斗シリーズ最高記録かも…。AT中の純増枚数は早いですからね。


この北斗による逆転勝利で、シルバーウィークのトータル収支はちょいプラスで幕を閉じることに。

20連を越えるまでのバトルは初代北斗の楽しさそのままでした。

攻撃する側の足が見えるまでの間がちょっと長いと「ケンシロウきた…!!」ってなったり、敵の攻撃を耐えるのを祈っている時とか懐かしかったですね。

冒頭で挙げるのを忘れていましたが、やはり初代北斗で最も他機種に影響を与えたのって「バトル」ではないでしょうか。

ケンシロウが倒れない限りボーナスが継続する。単純明快で分かりやすいバトルが流行ったワケですから、その後、このパターンを採用する機種が出てくるのは当然ですよね(たまに例外もありますが)。


北斗強敵のバトル中はレア役による継続抽選や、セリフによる継続期待度示唆なんかもあるので、そのあたりを知ればもっと楽しめるかもしれません。

それを知らなくても、初代を打っている人なら前のパターンを流用できるので、そのまま楽しめます。

北斗強敵は今後のパチスロ業界の行方を占う台であることは間違いないので、ホールの方も大事に使って、業界を盛り上げていってほしいと切に願います。